IVRの費用はどれくらい?料金体系や選び方のコツもご紹介
「電話業務を効率化したいけど、IVRの導入費用がどれくらいかかるかわからない」と悩んでいませんか?
IVR(電話自動応答システム)の導入は、電話業務の課題を解決する有効な手段です。
しかし、導入には費用がかかるため、具体的な相場や料金体系がわからず、検討が進まない担当者の方も多いでしょう。
今回の記事では、IVRの費用内訳やタイプ別の相場、代表的なサービスの料金比較、そして導入で失敗しないための選び方のポイントまで解説します。
記事をお読みいただければ、自社の課題と予算に合った最適なIVRシステムを見つけるための知識が身につきます。
ぜひ最後までお読みください。
IVR(電話自動応答システム)とは?基本的な仕組みを解説

IVRの費用について考える前に、まずはIVRがどのようなもので、どんな仕組みで動いているのかを正しく理解しておきましょう。
IVRの基本を把握すれば、自社に必要な機能や、適切な費用感を判断しやすくなります。
IVRについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
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IVRの仕組み
IVRとは「Interactive Voice Response」の略で、日本語では「電話自動応答システム」と訳されます。
かかってきた電話に対し、あらかじめ録音しておいた音声ガイダンスを流し、発信者のプッシュ操作に応じて、適切な情報を提供したり、担当部署へ電話を振り分けたりする仕組みです。
例えば、飲食店の予約受付で「ご予約の方は1番、店舗への道順は2番、営業時間についてのお問い合わせは3番を押してください」といった案内が流れるのが、IVRの代表的な活用事例です。
IVRを導入すれば、よくある問い合わせに自動で応答したり、オペレーターが対応すべき電話を効率的に振り分けたりできます。これにより、電話業務の負担を軽減し、顧客満足度の向上も期待できます。
AI自動電話応答との違い
近年、IVRと似た仕組みとして「AI自動電話応答」も注目されています。
従来のIVRは、あらかじめ決められたシナリオに沿って、プッシュ操作でのみ応答する仕組みです。
一方、AI自動電話応答は、AIが相手の発話内容を音声認識で聞き取り、その意味を解析して、適切な回答を合成音声で返すサービスです。より自然で、複雑な対話にも対応できます。
ただし、一般的にAI自動電話応答は、従来のIVRよりも導入費用や月額料金が高額になる傾向があります。
IVRの費用の内訳
IVRシステムの導入にかかる費用は、主に3つの要素で構成されています。
それぞれの費用が何に対するものなのかを理解すれば、ベンダーから提示された見積もりの内容を正しく評価できます。
①初期費用
初期費用は、IVRシステムの導入時に一度だけ発生する費用です。
主な内訳は、アカウントの発行手数料やシステムの基本設定費、電話回線の工事費用などです。
後述する「オンプレミス型」と「クラウド型」というシステムのタイプによって、初期費用は大きく変動します。特に、自社でサーバーを構築するオンプレミス型は、機器の購入費用などがかかるため、初期費用が高額になります。
②月額料金
月額料金は、IVRシステムを継続して利用するために毎月発生する、いわゆるランニングコストです。
月額料金は、システムの基本利用料や、同時に利用できる電話回線の数(チャネル数)、オペレーターのアカウント数(ライセンス数)などに応じて構成されるのが一般的です。
多くのクラウド型サービスでは、利用できる機能の範囲によって複数の料金プランが用意されています。
一方、オンプレミス型の場合は、月額料金としてシステムの保守費用やサポート費用がかかります。
③オプション・通話料
基本機能に加えて、より高度な機能を利用したい場合は、別途オプション料金が必要になるケースがあります。
例えば、外部の顧客管理システム(CRM)とのAPI連携、SMS(ショートメッセージ)送信機能などは、オプションとして提供されることが多いです。
また、IVRシステムを経由して発生した通話料も、月額料金とは別に請求されます。通話料は、実際に電話をかけた時間に応じて請求される「従量課金制」が一般的です。
【タイプ別】IVRシステムの費用相場を比較
IVRシステムは、大きく「クラウド型」と「オンプレミス型」の2つのタイプに分けられます。
どちらのタイプを選ぶかによって、費用相場や導入のメリットが大きく異なるため、それぞれの特徴を正しく理解しておきましょう。
クラウド型IVRの費用相場
クラウド型IVRは、インターネットを通じてサービスを利用する形態で、「SaaS」の一種です。
自社でサーバーや専用機器を用意する必要がないため、導入コストを抑えてスピーディーに利用を開始できます。
- 初期費用:0円〜5万円程度
- 月額料金:5,000円〜10万円程度
月額料金は、利用する機能や回線数、オペレーター数によって変動します。比較的小規模なコールセンターや、まずはスモールスタートでIVRを試してみたいといった企業におすすめです。
オンプレミス型IVRの費用相場
オンプレミス型IVRは、自社内にサーバーや通信機器を設置し、システムを構築・運用する形態です。
初期費用は高額になりますが、自社の業務に合わせてシステムを自由にカスタマイズできる点や、閉じたネットワークで運用するためセキュリティ性が高い点がメリットです。
- 初期費用:50万円〜数百万円以上
- 月額料金(保守費用):数万円〜
大規模なコールセンターや、個人情報を厳格に管理する必要がある金融機関・官公庁などで採用されることが多いタイプです。
IVRシステムの代表的サービスの費用を比較
ここでは、代表的なIVRサービスの費用や特徴を比較します。多くのサービスはクラウド型で提供されています。
※金額はすべて税込表記です。
IVRシステム 比較一覧
| サービス名 | 提供会社 | 初期費用 | 月額料金 | 主な機能 |
|---|---|---|---|---|
| Voiper Dial | 株式会社アライブネット | 11,000円〜/ブース | 11,000円〜/ブース | IVR, ACD, 全通話録音, CRM連携, レポート |
| IVRy | 株式会社IVRy | 0円 | 2,980円〜 | IVR, SMS送信, 電話転送 |
| トビラフォンCloud | トビラシステムズ株式会社 | 33,000円 | 3,300円〜 | IVR, 通話録音, 番号フィルタリング |
| BIZTELコールセンター | 株式会社リンク | 50,000円〜 | 15,000円〜 | IVR, ACD, 通話録音, CRM連携, レポート |
| CT-e1/SaaS | 株式会社コムデザイン | 300,000円〜 | 外線ライセンス:5,000円 シートライセンス:5,000円 管理者ライセンス:5,000円 |
IVR, ACD, 通話録音, CRM連携, レポート |
| じゃんじゃんコール | 株式会社メテム | 30,000円 | 14,800円〜 | IVR, 通話録音 |
①Voiper Dial
Voiper Dialは、インバウンド・アウトバウンド両方に対応した高機能なCTIシステムです。
IVRやACD(着信呼自動分配)といった基本的な機能はもちろん、全通話録音や詳細なレポート機能、CRM連携機能まで標準で搭載しています。400席以上の大規模コールセンターで培ったノウハウを凝縮しており、無駄のない実践的な機能構成が強みです。
コールセンター業務を知り尽くした専門家による手厚い導入サポートが特徴で、初めてCTIを導入する企業でも安心して利用を開始できます。インターネット環境さえあれば、場所を選ばずにコールセンター業務を行える点も魅力です。
②IVRy
IVRyは、月額料金の安さが魅力のCTIシステムです。
月額2,980円からという低価格で利用開始できます。上位プランでは分岐のルールを細かく設定できるため、シンプルな応答から複雑なシナリオまで柔軟に対応可能です。
小規模な店舗やクリニックなど、まずはシンプルに電話の自動化を始めたいというニーズに適しています。専門知識がなくても、Webの管理画面から直感的に設定を変更できる点も支持されています。
③トビラフォンCloud
トビラフォンCloudは、迷惑電話のブロック機能に強みをもつクラウド型のビジネスフォンサービスです。
IVR機能も搭載しており、営業時間外のアナウンスや簡単な部署への振り分けが可能です。独自の迷惑電話データベースを活用し、迷惑電話・営業電話を自動で拒否します。
迷惑電話対策と電話業務の基本的な効率化を同時に実現したい企業に向いています。
④BIZTELコールセンター
BIZTELコールセンターは、国内で高いシェアを誇るクラウド型CTIシステムです。
柔軟なカスタマイズ性と拡張性が特徴で、企業の成長に合わせて機能を追加していけます。さまざまな状況に対応できる多彩なオプションも用意されているため、本格的なコールセンターを構築したい企業に適したサービスです。数席規模のスモールスタートから、数百席規模の大規模センターまで対応できます。
⑤CT-e1/SaaS
CT-e1/SaaSは、自社開発で圧倒的コストパフォーマンスを実現したCTIシステムです。
90%以上という高い継続利用率※を誇り、知名度の高い多くの企業で利用されています。
機能のカスタマイズ性も高く、豊富なAPIを活用して企業の独自の要件に合わせてシステムを構築可能です。自社の基幹システムと深く連携させたいといった高度なニーズにも応えられます。
※2025年6月時点
⑥じゃんじゃんコール
じゃんじゃんコールは、インバウンド業務(受電業務)に特化したクラウド型のIVRサービスです。
インターネット回線ではなく、公衆電話網を利用した高品質な通話が最大の強みです。これにより、音声の遅延やノイズが少ない、安定した通話環境を実現しています。
資料請求や注文受付、あふれ呼対応、留守番電話など、インバウンド業務を自動化・効率化する機能が充実しています。顧客の業務に合わせてコールフローを自由に設計できる柔軟性も特徴です。
IVR導入で失敗しないための4つのポイント

自社に最適なIVRシステムを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、IVRシステムの導入で失敗しないための4つのポイントを解説します。
ポイント①自社の課題と導入目的を明確にする
まずは、「なぜIVRを導入するのか」という目的を明確にしましょう。
「オペレーターの業務負担を減らしたい」「24時間365日対応で機会損失を防ぎたい」「顧客満足度を向上させたい」など、導入目的をはっきりさせると、どのような機能が必要かが見えてきます。
現場のオペレーターや管理者も交えて、「ピークタイムのあふれ呼が多い」「定型的な問い合わせにオペレーターの時間が割かれている」といった具体的な課題をリストアップしてみましょう。
闇雲に多機能なシステムを導入しても、使わない機能ばかりでは無駄なコストが発生してしまいます。目的が具体的であれば、導入後に「応答率を〇%改善する」といった目標も立てやすくなり、投資対効果の検証にもつながります。
ポイント②自社の課題解決に必要な機能が備わっているか
IVRシステムは、提供するベンダーによって搭載されている機能がさまざまです。
自社の導入目的に照らし合わせて、必要な機能が標準で搭載されているか、あるいはオプションで追加する必要があるのかを確認しましょう。
例えば、「CRMと連携して顧客情報を表示させたい」「SMSでアンケートを送信したい」など、具体的な要件をリストアップしておくと、比較検討がスムーズに進みます。
将来的な事業の拡大も見据えて、機能の拡張性や外部システムとの連携の柔軟性も確かめておくと、長期的にシステムを使い続けられます。可能であれば、デモ画面や無料トライアルを活用し、実際に利用するオペレーターが直感的に操作できるかどうかも確かめておきましょう。
ポイント③コストは予算内に収まっているか
当然ながら、導入にかかるコストが予算内に収まっているかの確認は欠かせません。
初期費用と月額料金だけでなく、オプション料金や通話料も含めたトータルコストで比較検討するようにしましょう。
料金が安く見えても、実際は利用人数が増えると費用がかさんだり、必要な機能がすべてオプションだったりする可能性もあります。自社の利用規模を想定して、複数のベンダーから見積もりを取るのがおすすめです。
月額料金以外に、通話録音データの保存容量に応じた追加費用や、最低契約期間の縛りがないかも確認しておくと安心です。単に安いだけでなく、自社の課題を解決する機能が搭載されていて、費用対効果が見合っているかという視点で判断してください。
ポイント④導入後のサポート体制は充実しているか
高機能なIVRシステムを導入しても、使いこなせなければ意味がありません。
特に初めてIVRを導入する場合は、初期設定や運用開始後のシナリオ変更などでつまずくことも考えられます。
困ったときにすぐ相談できるサポート体制が整っているベンダーを選べば、導入後も安心して運用できます。電話やメールなど、複数の問い合わせチャネルが用意されているかも確認しておくとよいでしょう。
サポートの対応時間(平日のみか、土日祝も対応か)や、専任の担当者がつくのかどうかも確認しておきたいポイントです。導入後の運用をスムーズに行うためにも、手厚いサポート体制は欠かせません。
IVR導入でお悩みの方はアライブネットにお任せください!
今回の記事では、IVRシステムの費用や選び方のポイントについて解説しました。
もし、どのIVRシステムが自社に合っているかわからない、あるいは導入後の運用に不安があるという方は、ぜひアライブネットにご相談ください。
アライブネットが提供するCTIシステム「Voiper Dial」は、IVR機能はもちろん、コールセンター業務の効率化に必要な機能を網羅した高機能なシステムです。
Voiper Dial 料金詳細
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 初期費用 | 11,000円/ブース |
| 月額料金 | 11,000円/ブース |
※最低利用5ブースからになります。
※表示価格は税込表記です。
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何よりもアライブネットの強みは、長年のコールセンター運営で培ったノウハウをもつ専門家が、導入から運用までを手厚くサポートする点です。
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