クラウドPBX導入の失敗事例!導入前の対策も解説
「クラウドPBXを導入して、コスト削減や業務効率化を実現したい」
「しかし、導入に失敗して業務に支障が出たらどうしようと不安だ」
このようなお悩みを抱えていませんか。
クラウドPBXは、場所を選ばずに電話業務ができる画期的なシステムですが、導入前の準備やベンダー選定を誤ると、予期せぬトラブルに見舞われかねません。しかし、事前に失敗事例を知り適切な対策を講じておくことで、失敗のリスクを限りなくゼロに近づけることが可能です。
本記事では、クラウドPBXの導入で実際に起こりがちな失敗事例と具体的な回避策を解説します。記事をお読みいただければ、自社に最適なサービスを選定し、安心して導入を進めるための知識が得られます。
ぜひ最後までご覧ください。
そもそもクラウドPBXとは?

クラウドPBXとは、従来オフィス内に設置していた電話交換機(PBX)の機能をクラウドサーバーへ移行し、インターネット経由で利用するシステムのことです。
これまでのビジネスフォンでは、オフィスに物理的な装置を置き、各デスクまで配線工事を行う必要がありました。対してクラウドPBXでは、物理的な機器の設置や面倒な配線工事は一切不要となります。
スマートフォンやPCに専用アプリを入れるだけで、場所を問わず会社の代表番号での発着信が可能になるのです。テレワークやBCP(事業継続計画)対策としても有効であり、コストを抑えつつ柔軟な電話環境を構築できる点が大きな特徴といえるでしょう。
クラウドPBX導入で得られるメリット・デメリット
クラウドPBXには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。導入を検討する際は、双方を正しく理解しておくことが重要です。
主なメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
- コスト削減:機器購入費や保守費、通話料を削減できる
- 場所を選ばない:PCやスマホでどこでも会社電話が使える
- 導入スピード:工事不要で素早く利用開始できる
- 拡張性:回線数の増減が簡単にできる
【デメリット】
- 通信環境への依存:インターネット回線の品質が通話品質に直結する
- セキュリティリスク:インターネット経由のため不正アクセスの対策が必要
- 一部番号の制限:110番や119番などへの発信ができない場合がある
クラウドPBXのメリット・デメリットについて、より詳細な比較やサービスの選び方を知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事】
クラウドPBX導入で起こりがちな7つの失敗事例
多くの企業がクラウドPBXの導入を進めるなかで、「こんなはずではなかった」と後悔するケースも少なくありません。ここでは、実際に起こりがちな7つの失敗事例を詳しく解説します。他社の失敗を反面教師とし、自社の導入計画に役立ててください。
失敗事例①音質が良くなかった
クラウドPBX導入における最大の失敗要因として、「音質」が挙げられます。「通話が途切れる」「遅延が発生する」といったトラブルは、業務効率を下げ、顧客の信頼を損なう致命的な問題になりかねません。
主な原因は、インターネット回線の品質や社内ネットワーク環境にあります。クラウドPBXは音声をデータ化して送受信するため、回線が不安定だと即座に音質が悪化してしまうのです。特に、社員が一斉に大容量ファイルのダウンロードなどを行う環境では注意が必要でしょう。
「電話はつながって当たり前」と考えず、自社のネット環境が音声通話に耐えうるか、慎重に確認するようにしてください。
失敗事例②求めていた機能がなかった
「従来のビジネスフォンで当たり前に使っていた機能がない」という、機能不足による失敗も後を絶ちません。
クラウドPBXは多機能ですが、サービスによって標準機能の範囲は大きく異なります。例えば、以下のような機能が非対応、または有料オプションであることに導入後気づくケースがあるのです。
- 代表電話の一斉発信(プレディクティブコール)
- パーク保留
- FAX連携
- IVR(自動音声応答)
「クラウドだから何でもできる」と思い込まず、自社の業務フローに必須の機能を洗い出し、それが標準で使えるかを確認することが不可欠です。
失敗事例③セキュリティトラブルが発生した
インターネット経由で利用するクラウドPBXでは、セキュリティ対策を怠ると重大な事故につながります。
特に恐ろしいのが「乗っ取り被害」ではないでしょうか。IDやパスワードが流出し、システムを不正利用されると、海外への高額な国際電話を大量にかけられ、数百万円単位の請求が発生するリスクがあります。また、社員の私用スマホを業務利用(BYOD)する場合、情報漏洩リスクも高まるでしょう。
利便性だけでなく、通信の暗号化や国際電話の発信規制といった機能を確認し、社内ルールを徹底することが重要です。
失敗事例④トータルコストが割高になった
「コスト削減のために導入したのに、結果的に高くなってしまった」という失敗事例も珍しくありません。
クラウドPBXは初期費用が安いのが魅力ですが、ランニングコストの試算が甘いと想定外の出費になってしまいます。
- アカウント課金:利用する従業員数が増えるたびにライセンス料が加算される
- オプション料金:通話録音やIVRなどを追加すると基本料金が跳ね上がる
- 通話料:秒課金ではなく分課金のプランを選び、短時間通話で割高になる
目先の月額料金だけでなく、将来的な人員増加時のコストも含め、長期的な視点でトータルコストを比較検討することが大切です。
失敗事例⑤電話番号が変わってしまった
導入時に「現在の電話番号をそのまま引き継げる」と思い込んでいたが、実際にはできず番号が変わってしまったケースです。
電話番号が変わると、Webサイトや名刺の修正に多大なコストがかかるうえ、顧客への周知漏れによる機会損失も招きかねません。
番号ポータビリティの可否は、現在の回線種別や移行先のサービス、利用地域によって異なります。特に「03」などの市外局番を維持したい場合は、契約前の確認が必須事項といえるでしょう。
失敗事例⑥従業員が使いこなせなかった
システムを導入したものの、現場の従業員が操作に慣れず、業務が混乱してしまう失敗もよくあります。
従来の固定電話機と異なり、スマホアプリやPCでの操作は直感的でない場合があるからです。「転送の仕方がわからない」といったトラブルが頻発すれば、業務効率は低下してしまうでしょう。また、私用スマホの業務利用に対して、従業員から不満が出ることもあります。
選定時は操作画面の使いやすさを重視し、導入時には説明会を開くなど、現場への定着支援を十分に行ってください。
失敗事例⑦ベンダーのサポート体制が悪かった
トラブル発生時にベンダーのサポートが不十分で、業務が長時間停止してしまうケースです。
「電話がつながらない」「原因調査をしてくれない」といった対応では、通信障害などの緊急時に為す術がありません。特にIT専任者がいない中小企業の場合、ベンダーのサポート品質は死活問題となります。
安価なサービスほどサポートが手薄になる傾向があるため、対応時間や連絡手段を事前に確認し、信頼できるパートナーを選ぶことが安定運用のカギです。
クラウドPBX導入で失敗しないための6つの対策

クラウドPBX導入の失敗事例から学べるのは、事前の確認と準備がいかに重要かという点です。導入後に後悔しないよう、契約前に必ず実践すべき6つの対策について解説しましょう。
対策①通話品質の無料トライアルを行う
音質トラブルを防ぐには、契約前に実際の環境で試すことが最も確実です。多くのベンダーが提供している無料トライアルを活用し、以下の点を確認してみてください。
- オフィス内:Wi-Fi環境での通話品質、ノイズの有無
- 外出先:4G/5G回線での移動中の通話安定性
- 同時通話:複数人が同時に通話やデータ通信をした際の負荷
カタログスペックを鵜呑みにせず、自分たちの耳で品質を確かめることが重要です。もしトライアルがない場合は、最低利用期間のないプランで短期間試すなど、慎重に進めるべきでしょう。
対策②自社に必要な機能を明確にする
機能不足による失敗を避けるため、自社の電話業務に不可欠な機能をリストアップしましょう。
まず、現在のビジネスフォンで日常的に使っている機能(代表発着信、転送、保留など)を洗い出します。次に、クラウドPBXで実現したいプラスアルファの機能(スマホ内線、IVR、通話録音など)を整理してください。
検討中のサービスが、それらの機能を「標準搭載」しているか、「有料オプション」なのか、あるいは「非対応」なのかを確認する必要があります。不要な多機能さはコスト増につながるため、自社の業務フローに過不足なくフィットする機能セットを選ぶことがポイントです。
対策③ベンダーのサポート体制をチェックする
トラブル時に迅速な対応が受けられるよう、ベンダーのサポート体制を詳細に確認しましょう。チェックすべきポイントは以下の通りです。
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| サポート窓口の種類 | 電話、メール、チャットなど、緊急度に応じた連絡手段があるか。 |
| 対応時間 | 平日の営業時間のみか、土日祝日や夜間も対応しているか。 自社の稼働時間と合っているか。 |
| サポート範囲 | 操作方法の案内だけでなく、障害時の原因調査やネットワーク機器の設定までサポートしてくれるか。 |
| 有償・無償の区分 | 基本料金に含まれるサポート範囲と、有償になる対応の境界線はどこか。 |
| 導入支援の有無 | 初期設定や番号移行の手続きを代行してくれるか、あるいはマニュアルを渡されるだけか。 |
特に、自社に専任のIT担当者がいない場合は、導入から運用まで伴走してくれる手厚いサポートを提供するベンダーを選ぶことが、安定運用のカギとなります。口コミや評判を参考に、実際の対応品質をリサーチするのも有効です。
対策④トータルコストで見積もりを取る
「安さ」だけで選ばず、運用にかかる全ての費用を含めたトータルコストで比較してみてください。
- 初期費用
- 月額費用
- オプション費
- 端末代
- 通話料
これらを合算し、長期的に見てコストメリットが出るかシミュレーションを行う必要があります。また、将来的な社員増員時のコスト増加率も確認しておくと、予算オーバーを未然に防げるでしょう。
対策⑤セキュリティに優れたサービスを導入する
乗っ取りや情報漏洩を防ぐため、ベンダーと自社の両面でセキュリティ対策を講じましょう。
選定時は、通信の暗号化やIPアドレス制限、国際電話の発信規制、操作ログ保存などの機能が備わっているかを確認してください。プライバシーマークやISMS認証を取得しているベンダーなら、一定の安心感があるはずです。
自社運用としては、パスワードの定期変更や退職者アカウントの即時削除、フリーWi-Fi利用禁止などのルールを策定し、徹底することが重要といえます。
対策⑥従業員への研修を実施する
新しいシステムを定着させるには、従業員への丁寧な研修が欠かせません。
マニュアルを配るだけでなく、デモ機を使った操作説明会を実施し、発着信や転送の方法を実際に体験してもらいましょう。BYODを導入する場合は、プライバシーへの配慮や通信費のルールなどを説明し、不安を解消しておくことも大切です。
運用開始直後は質問が増えるため、社内ヘルプデスクやFAQを用意するなど、手厚いフォロー体制を整えておくことで、混乱を最小限に抑えられるはずです。
クラウドPBXの失敗を防ぐアライブネットのサービス
クラウドPBXの導入を成功させるには、「機能」「音質」「コスト」「サポート」のバランスが取れたサービス選びが重要です。
アライブネットでは、長年のコールセンター運営ノウハウを活かし、失敗しないクラウドPBX導入を支援しています。当社の2つのソリューションをご紹介します。
特徴①高機能CTIシステム「Voiper Dial」が機能不足による失敗を防ぐ
「導入したが、必要な機能がない」といった失敗を防ぐのが、クラウド型CTIシステム「Voiper Dial」です。
単なる電話機能に加え、コールセンター業務に必須の高度な機能を標準搭載しています。
- 全通話録音
- IVR(自動音声応答)
- CRM連携
これらがパッケージ化されているため、追加オプションを気にせず、最初から高機能な環境を構築できます。
【Voiper Dialの料金】
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 初期費用 | 10,000円(税別)/ブース |
| 月額費用 | 10,000円(税別)/ブース |
特徴②高品質IP電話「Alive Line」が音質とコストの失敗を防ぐ
「音質が悪い」「通話料が高い」といった失敗を防ぐのが、IP電話サービス「Alive Line」です。
高品質な回線を利用しており、従来のビジネスフォンと遜色ないクリアで安定した通話品質を提供します。また、業界最安級の通話料金も強みです。
【Alive Lineの料金】
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 秒課金 固定電話 | 0.06円〜 |
| 秒課金 携帯電話 | 0.25円〜 |
| 分課金 固定電話 | 7円〜 |
| 分課金 携帯電話 | 13円〜 |
| チャネル利用料 | 1,200円/1チャネル |
高品質な通話とコスト削減を両立させることで、導入後の満足度を高めます。
特徴③「コールセンター出身者」がサポート体制の不安を払拭
「トラブル時にサポートしてくれない」「専門的なことがわからない」という不安を払拭するのが、アライブネットの手厚いサポート体制です。
アライブネットの担当者は、コールセンター運営の現場を知り尽くしたプロフェッショナルです。単なるシステムの導入支援だけでなく、お客様の業務フローに合わせた最適な運用設計や、トラブル時の迅速な切り分けなど幅広くサポートします。
「電話がつながらない」といった緊急時の対応はもちろん、「もっと効率的に電話業務を行いたい」という改善相談にも、実務経験に基づいた具体的な提案が可能です。
システムを売って終わりではなく、お客様のビジネスの成長に伴走するパートナーとして、長期的にサポートいたします。クラウドPBXの導入で失敗したくない、確実な成果を出したいとお考えの担当者様は、ぜひ一度アライブネットにご相談ください。
