営業が上手くなるアポ取り電話のコツは?例文も紹介

アポ取り電話は、営業活動を成功させるための最初の重要なステップです。この段階で、スムーズに商談やプレゼンの約束を取り付けられるかどうかが、その後の営業成果に大きく影響します。
本記事では、アポ取り電話を効果的に進めるためのコツや、実際に使える例文を紹介します。営業初心者の方はもちろん、自社全体の営業力を強化したい方にとっても参考になる内容ですので、ぜひ活用してください。
アポ取り電話とは?

アポ取り電話とは、商談・面談・プレゼンなどの約束を事前に取り付けるためにかける電話のことです。
営業手法のひとつに「飛び込み営業」がありますが、これは事前連絡なしで直接訪問するスタイルのため、相手に迷惑がられる可能性が高く、成果を出すには多くの訪問件数をこなす必要があり効率が良くありません。
一方、アポ取り電話は、相手の都合に合わせて日程を調整できるため失礼になりにくく、事前準備をしたうえで商談に臨めるメリットがあります。たとえ断られる場合があっても、飛び込み営業より効率的に多くの商談チャンスをつくれる手段です。
ただし、単にアポイントを取るだけでは十分とは言えません。相手が「この話は聞いてみたい」と感じるように、相手にとってのメリットを明確に伝え、興味を引く提案を行うことが重要です。これにより、アポ獲得率を高め、商談の成功につなげやすくなります。
アポ取り電話が重要である理由
アポ取り電話は営業活動の基本であるとともに、営業力を向上させていく中で磨いていくべきスキルの1つでもあります。ここでは、アポ取り電話がなぜ重要なのかを解説します。
理由①:効率的に新規顧客を開拓できる
アポ取り電話は、効率的に新規顧客を開拓するための有力な営業手法です。
まず、自社の商品やサービスに関心を持ちそうな顧客をあらかじめリストアップし、そのリストをもとに電話をかけてアポイントを取ることで、飛び込み営業よりも高い確率で見込み客にアプローチできる点が大きなメリットです。
さらに、電話中の会話から相手の反応や関心度を把握できるため、見込み度の高い相手に絞って商談を進められるのも特徴です。これにより、営業活動のムダを削減し、限られた時間と労力を効率よく活用できるようになります。
理由②:結果がすぐ出るので改善しやすい
アポ取り電話の大きな特徴は、相手の反応をその場で直接確認できることです。
例えば、メールでアポイントを取ろうとすると、相手が読んだかどうかわからず、返信が来るまでに時間がかかることがあります。一方、電話であれば相手が出た時点でリアルタイムに反応を確認でき、会話の流れからアポイントを取れるかどうかの手ごたえをつかみやすいのが強みです。
また、相手の声のトーンや話し方、返答のスピードなどから関心度や温度感を具体的に把握できる点も、電話ならではのメリットです。
営業活動を改善するには、行動してすぐに結果を得られることが重要です。その意味でも、アポ取り電話はメールよりスピード感があり、効率的に商談のチャンスをつかめる優れた手段と言えるでしょう。
理由③:商談や面談の機会創出
アポ取り電話の大きな魅力は、相手の関心に合わせた提案ができ、商談や面談といった次のステップへスムーズに進められることです。
例えば、相手が興味を持っているポイントに対して具体的な解決策を提示したり、過去の成功事例を交えて説明したりすることで、信頼感や関心を高めることができます。これにより、「会って話を聞いてみたい」と思わせるきっかけを作れるのが電話営業の強みです。
また、電話中にそのまま商談や面談の日程を確定できるのも大きなメリットです。相手のスケジュールを確認しながら調整できるため、無駄なメールやメッセージのやり取りを減らし、スピーディーに次の行動につなげられます。
さらに、会話の中で相手の課題や要望を引き出せるため、今後の商談や面談をより効果的に進めるためのヒントを得られる点もアポ取り電話の強みです。事前に得た情報をもとに提案内容を練り直せば、商談の成功率を高めることにもつながります。
アポ取り電話を成功させるコツ

アポ取り電話の成功率を高めることで、営業成績の向上、業績アップへとつながりやすくなります。ここでは、アポ取り電話を成功させる3つのコツを紹介します。
コツ①:顧客情報を把握しておく
アポ取り電話を成功させるためには、事前に顧客情報をしっかり把握し、準備を整えることが大前提です。まずは、自社のサービスや商品にマッチしそうな見込み客を想定し、その条件に合った顧客をリストアップすることから始めます。
この段階で特に重要なのが、見込み客が抱えている可能性のある不安や悩みを事前に分析しておくことです。
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過去の顧客データ(問い合わせ内容、過去の購入履歴など)
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業界の動向や市場調査の結果
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競合他社の事例や課題傾向
これらの情報を参考にしながら、相手の立場に寄り添った提案内容を準備しておくことで、電話の段階で関心を引きやすくなります。
こうした丁寧な事前準備を重ねることで、相手にとって「魅力的な提案」となり、「まずは話を聞いてみたい」と思ってもらえる可能性が格段に高まります。
コツ②:架電する時間帯を選ぶ
アポ取り電話の成功率を高めるには、電話をかける時間帯の選び方が非常に重要です。相手に「話だけでも聞いてみようかな」と思ってもらうためには、相手が比較的余裕を持って電話対応できるタイミングを狙う必要があります。逆に、忙しい時間帯に電話をかけると、話を聞いてもらえる可能性が低くなるため注意が必要です。
例えば、多くの企業では、
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午前中の始業直後:業務準備で忙しい時間帯
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昼休み中:休憩を優先したい時間帯
このようなタイミングは電話を取ってもらえにくい傾向があります。一方、昼休み明けや午後3~4時頃の比較的落ち着いた時間帯は、相手が話を聞きやすい状況にある可能性が高く、アポイントを取りやすい時間帯と言えます。
ただし、業種や会社によって忙しい時間帯・落ち着きやすい時間帯には違いがあるため、事前に相手企業の業務リズムを調べておくことが重要です。このように、相手の都合を考慮したタイミングで電話をかけることが、アポ獲得率を上げる大きなポイントとなります。
コツ③:アポ取り電話は短めにする
アポ取り電話は、1本あたりの時間をできるだけ短くし、簡潔に要点を伝えることが理想です。
忙しい相手ほど時間を大切にしており、長々と話されると不快感を与える可能性が高いです。逆に、要点を押さえつつ短時間で興味を引くことができれば、「もう少し話を聞いてみたい」と思ってもらいやすくなります。
電話をかけた際は、次の流れを意識すると効果的です。
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冒頭で相手の興味を引く提案を手短に伝える
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商品やサービスの特徴を簡潔に紹介する
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「詳しいお話は日を改めて」と伝え、スムーズにアポイント設定へつなげる
また、アポイント獲得にこだわりすぎて、無理に話を引き延ばすのは逆効果です。実際には、短時間で相手の関心をつかむ方が、長く粘るよりも効果的で、相手の負担も少なく済みます。相手の時間を尊重しながら、短くスマートにアポ取りを進めることが、成功率を高める大きなポイントです。
アポ取り電話の流れと例文
アポ取り電話を成功に導くためには、アポイントを取り付けるまでの流れを理解することが大切です。加えて、アポ取り電話で活用したい例文を頭に入れておくと、スムーズに誘導が行えます。本項目では、アポ取り電話の流れと例文を紹介します。
流れ①:挨拶して所属先・氏名を名乗る
アポ取り電話では、電話がつながった瞬間から丁寧な挨拶をし、自社名と自分の氏名を名乗ることが基本です。最初に「誰からの電話なのか」を明確に伝えることで、相手に安心感を与え、会話のスタートをスムーズにできます。
なお、「もしもし」という表現はビジネスシーンでは不適切です。代わりに、
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「いつもお世話になっております」
-
「突然のお電話、失礼いたします」
など、ビジネスにふさわしい丁寧な表現を使うことが重要です。
挨拶の後は、「○○会社の△△と申します」とはっきり名乗り、相手に自分を認識してもらったうえで本題に入るのが自然な流れです。
<挨拶の例文>
「お世話になっております。○○株式会社の△△(氏名)と申します。突然のお電話、失礼いたします。本日は、●●の件でご連絡させていただきました。少しだけお時間を頂戴してもよろしいでしょうか?」
このように、第一声の印象がアポイント獲得率を左右することもあるため、名乗り方や挨拶の表現は事前に準備し、スムーズに話し出せるようにしておくことが大切です。
流れ②:用件を伝え軽くプレゼンを行う
アポ取り電話では、最初の挨拶のあとに、用件を短く簡潔に伝えることが重要です。
この段階で必要なのは、相手に興味を持ってもらえるポイントを押さえた短いプレゼンです。
長々と説明してしまうと、相手の貴重な時間を奪い、不快感を与えるリスクがあるため注意しましょう。
アポ取り電話の目的は、その場で契約内容を細かく説明することではなく、「会って話を聞いてみたい」と思ってもらうことです。
そのため、要点を簡潔に伝えることを常に意識してください。
また、会話をスムーズに進めるには、Yes・Noで答えられる質問を交えるのが効果的です。
例えば、
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「現在、○○についてお困りではありませんか?」
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「今後、△△の導入を検討されるご予定はありますか?」
といった質問を挟むことで、相手が会話に参加しやすくなり、双方向のコミュニケーションが取りやすくなります。
上記の流れを意識しながら、
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挨拶 → 用件を簡潔に説明 → 相手に問いかけ → 興味を引く
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最後にアポイントの提案を行い、自然に次のステップにつなげる
このような進め方をすることで、アポイント獲得率を高めやすくなります。
流れ③:面談・商談の日程を決める
アポ取り電話で相手が前向きな反応を示したら、その場で面談や商談の日程を確定することが重要です。日程を後回しにすると、時間が経つにつれて相手の気持ちが変わり、話が流れてしまうリスクが高まります。
日程を調整する際は、
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「○日か○日でしたら、ご都合いかがでしょうか?」
-
時間帯も複数提示する
といった形で相手が選びやすい状況を作ることが効果的です。これにより、スムーズに日程を決めやすくなります。また、日程と時間が決まったら必ず復唱し、相手との認識のズレを防ぐことが大切です。
<日程調整の例文>
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「それでは、ぜひ一度直接お話しさせていただければと思います。○日(○曜日)か○日(○曜日)でしたら、ご都合はいかがでしょうか?」
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「例えば、○日でしたら10時か14時、○日でしたら11時か15時が空いておりますが、ご希望の時間帯はございますか?」
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「かしこまりました。それでは、○月○日(○曜日)の○時にお伺いいたします。」
このように、相手が前向きなうちに日程を確定し、復唱で確認する流れを徹底することが、アポイント獲得率を高めるポイントです。
流れ④:最後にお礼を伝える
アポ取り電話では、アポイントの成否にかかわらず、最後に必ず感謝の言葉を伝えることが重要です。
たとえアポイントが取れなかった場合でも、丁寧な対応を心がけることで、相手に良い印象を残せます。この良い印象が、次回のアプローチで話を聞いてもらえる可能性を高め、将来の商談チャンスにつながることがあります。
一方、アポイントが取れた場合には、感謝の気持ちとともに訪問日程を明確に伝え、相手に安心感を与えることが大切です。断られた場合でも、「ご対応ありがとうございました」と丁寧に締めくくることで、今後の関係構築につながります。
<お礼の例文>
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「お時間をいただき、ありがとうございます。 それでは、○月○日(○曜日)の○時にお伺いいたしますので、よろしくお願いいたします。」
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「お忙しいところ、ご対応いただきありがとうございました。 また機会がございましたら、よろしくお願いいたします。」
このように、結果にかかわらず最後まで礼儀正しく対応することが、長期的な信頼関係を築き、次のビジネスチャンスを生むポイントです。
流れ⑤:電話の内容を振り返る
アポ取り電話は、成功・失敗にかかわらず、必ず内容を振り返ることが重要です。電話後の振り返りをしっかり行うことで、次回のアプローチを改善し、アポイント獲得率を高めることができます。
具体的には、
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会話の流れがスムーズだったか
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相手の反応はどうだったか
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提案内容が興味を引けていたか
といったポイントを確認します。その際、会話の内容をメモに残す、必要に応じて通話を録音するなど、記録を取っておくことが大切です。
また、結果に応じて以下のように記録を活用します。
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アポイントが取れた場合
・日時や場所だけでなく、相手が特に関心を示したポイントを記録しておくことで、後の商談で効果的な提案につなげられます。
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アポイントが取れなかった場合
・断られた理由や相手の反応をメモしておくことで、次回のアプローチ方法を見直し、改善につなげることができます。
このように、アポ取り電話は結果だけを見るのではなく、プロセスを振り返り改善することで、継続的に成果を高められる営業手法です。
アポ取り電話をかける際の注意点
アポ取り電話は、多くの相手にアプローチできるのが強みですが、やみくもにかけてしまうと、ただ数をこなすだけの作業になってしまいがちです。そうならないためには、事前の準備や工夫、そして振り返りを意識することが大切です。ここでは、アポ取り電話を効果的に行うために押さえておきたい注意点をまとめました。
注意点①:トークスクリプトを作っておく
アポ取り電話を成功させるには、事前にトークスクリプトを作成しておくことが重要です。スクリプトがあることで、会話の流れがスムーズになり、焦らずに必要なポイントを伝えられるようになります。
トークスクリプトとは、電話の進行や話す内容をあらかじめ整理した「会話の台本」のようなものです。これを準備することで、
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伝えるべきポイントを押さえられる
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想定外の質問にも落ち着いて対応しやすくなる
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会話が途中で途切れるのを防げる
といった効果が期待できます。
スクリプトには、以下の内容を盛り込みましょう。
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電話をかける目的(アポイント取得の理由)
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相手の基本情報(会社名、業種、担当者名など)
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会話の進め方(挨拶 → 用件 → 質問 → アポイント提案)
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相手の関心度に応じた話し方のパターン
こうした準備をしておくことで、相手の反応に合わせて臨機応変に対応しやすくなり、「この話をもう少し聞いてみたい」と思ってもらえる可能性が高まります。
注意点②:相手に与える選択肢を少なくする
アポ取り電話では、相手に提示する選択肢をできるだけ少なくすることがポイントです。
選択肢が多すぎると、相手が迷ってしまい「考えるのが面倒」と感じて、アポイントを避けられる可能性が高くなります。
例えば、日程調整の際に
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「ご都合の良い日を教えてください」と自由回答にする
→ 相手が考える負担が増え、回答を後回しにされやすい
これを避けるために、
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「○日(○曜日)か○日(○曜日)でしたら、ご都合いかがでしょうか?」
とこちらから候補日を提示すれば、相手は選ぶだけでよく、スムーズに日程を決められます。
また、質問内容もできるだけシンプルにし、「Yes」「No」で答えられる形式にすると、相手が負担を感じにくく、会話の流れがスムーズになります。
このように、相手が考える手間を最小限にし、すぐに答えられる質問を心がけることで、アポイント獲得率を高めやすくなります。
注意点③:電話では正しい敬語を用いる
アポ取り電話では、相手に信頼してもらうために、正しい敬語を使うことが非常に重要です。
言葉遣いに違和感があると、「この人に任せても大丈夫かな?」と不安を与え、アポイントを断られる原因になりかねません。
例えば、
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「了解しました」 → カジュアルでフランクな表現のため、ビジネスシーンでは不適切と感じる人がいる
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「承知いたしました」「かしこまりました」 → 丁寧で安心感を与える表現
このように、ビジネスにふさわしい敬語を選んで使うことで、相手からの信頼を得やすくなり、アポイントの成功率アップにつながります。
アポ取り電話の効率化はCTIの活用がおすすめ
アポ取り電話は、営業活動における重要な業務のひとつです。効率的に多くの見込み客へアプローチするためには、CTIの導入がおすすめです。CTIを活用すれば、登録しておいた見込み客リストに自動で電話をかける「プレディクティブ発信」機能などを利用できます。これにより、
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電話番号を1件ずつ手動で入力する手間が省ける
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架電にかかる時間を短縮できる
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営業担当者の負担を軽減できる
といった効果が期待できます。
特に、「クラウド型CTI」は導入が簡単でコスト面にも優れているのが特徴です。
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インターネット環境があればすぐに利用できる
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自社サーバーや専用機器を設置する必要がない
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通話履歴や顧客情報をデータとして一元管理できるため、次回のアプローチを効率化し営業の質を高められる
このように、CTIを活用することで、アポ取り電話の効率化と営業成績の向上の両方を実現できる可能性があります。
アポ取り電話の精度を高めるならVoiper Dial

営業力を伸ばすためには、アポ取り電話の前の準備だけでなく、終了後の振り返りや分析が欠かせません。 通話内容を客観的に見直すことで、どのトークが効果的だったのか、どのタイミングで断られやすいのかを把握でき、次回のアプローチ改善につなげることができます。
この振り返りを効率化するには、CTI(Computer Telephony Integration)の導入が効果的です。 CTIを活用すると、通話履歴や対応内容が自動で記録され、過去の通話をデータとして分析できるようになります。これにより、営業担当者ごとの話し方の傾向や、断られやすい流れなどを把握しやすくなり、データに基づいた改善を行うことで、次回のアポ取り精度を高め、結果として成約率の向上にもつながります。
なかでも、クラウド型CTIの「Voiper Dial」は、アポ取り電話に役立つ多彩な機能を備えています。プレディクティブ発信やプレビュー発信によって効率的に架電できるほか、発信リストを一元管理できるため、対象顧客を整理しながらスムーズにアプローチできます。さらに、全通話の自動録音機能により後から内容を確認できるうえ、リアルタイムモニタリング機能を使えば、オペレーターの通話状況を把握して的確な指導を行うことが可能です。加えて、顧客情報を通話履歴と紐づけて管理できるため、次回のアプローチにも活かしやすく、営業活動全体の質を高められます。
このように、「Voiper Dial」を導入すれば、アポ取り後の振り返りと改善を効率的に行え、データに基づいた営業戦略を立てられるため、アポ取り電話の効果を最大化し、チーム全体の営業力向上につなげることができます。
