通話を録音する方法|スマホアプリやCTIの使い方を解説!

顧客との通話には、業務改善や対応効率の向上につながる多くのヒントが隠れています。そのため、通話内容を録音して記録を残すことは非常に重要です。録音データを活用すれば、対応品質を高められるだけでなく、クレームやトラブルが発生した際に状況を正確に把握できます。また、「言った・言わない」といった認識の食い違いを防ぐ手段としても有効です。
ただし、録音データを効率よく管理・活用するには、適切な録音方法やシステムを選ぶことが欠かせません。選定を誤ると、必要な音声が残せなかったり、データ検索に手間がかかったりする可能性があります。
本記事では、スマートフォンアプリやCTI(Computer Telephony Integration)システムを利用した通話録音の方法を紹介します。あわせて、録音時の注意点や運用の際に意識すべきポイントも解説します。通話録音を効果的にビジネスに活用したい方は、ぜひ参考にしてください。
通話を録音する方法

通話を録音する方法は、スマートフォンと固定電話で異なります。特にビジネスの現場で本格的に録音を活用したい場合は、固定電話の録音環境を整えることが重要です。固定電話は複数人で利用するケースが多く、通話内容を正確に記録できれば、対応履歴の共有やトラブル防止に役立ちます。
一方、スマートフォンでは、自動録音機能を備えたアプリを利用することで、通話内容を録音し、音声ファイルとして保存できます。また、電話会社が提供する通話録音サービスを利用する方法もあり、アプリが使えない場合や業務端末に制限がある場合でも録音が可能です。
ここでは、スマートフォンと固定電話の両方で使える主な通話録音方法について、それぞれの特徴や利用シーンを交えながらわかりやすく解説します。
iPhoneなどスマホの場合
スマートフォンには主にiPhoneとAndroidの2種類があり、通話録音のしやすさには大きな違いがあります。
Android端末は、通話録音機能を標準搭載している機種が多く、さらに専用アプリも豊富にあるため、比較的簡単に録音が可能です。特別な設定や外部機器を用意しなくても、通話内容を音声ファイルとして保存できるケースが多いのが特徴です。
一方、iPhoneではこれまで通話を録音するには外部通話サービスを経由したり、「PCM録音」などの専用アプリを利用したりする必要があり、操作がやや複雑でした。しかし、iOS 18からは標準で通話の録音・文字起こし・要約機能が搭載され、アプリを別途準備しなくても対応できるようになっています。
顧客対応や重要な会話の記録を正確に残したい場合、こうした最新機能を活用することで、対応履歴の管理がしやすくなり、業務効率化やトラブル防止につなげられます。なお、通話録音には法律や相手方の同意が必要な場合があるため、利用前にルールを確認しておくことも重要です。
固定電話の場合
固定電話で通話を録音する主な方法は、次の2つです。
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録音機能付きの電話機を利用する方法
あらかじめ録音機能が搭載された電話機であれば、通話のたびに自動で録音されるため、操作の手間がほとんどかかりません。録音データは電話機本体に保存され、必要に応じて再生や確認が可能です。 -
外付けの通話録音装置を利用する方法
現在使用中の電話機に専用の録音装置を接続し、通話内容を保存する方法です。多くの装置はSDカードやUSBメモリなどにデジタル形式で録音でき、後から内容をパソコンに取り込み、再生・共有・保管できます。
いずれの方法でも、録音容量や保存期間、音質の違いなどが機種によって異なるため、用途や必要な録音時間に合わせて選ぶことが重要です。
ビジネスで用いるならクラウド型CTIがおすすめ
ビジネスの現場で通話録音を導入する場合、固定電話のほうが仕組みを構築しやすく、安定した運用が可能です。特におすすめなのが、CTI(Computer Telephony Integration)の活用です。なかでも「Voiper Dial」などのクラウド型CTIは、導入しやすく利便性が高いとされています。
クラウド型CTIは、インターネット環境さえあればオフィス内外を問わず利用できるため、在宅勤務や外出先からの対応にも柔軟に対応可能です。また、専用サーバーを構築する必要がないため、初期費用や保守コストを抑えやすいのが特徴です。さらに、通話データがクラウド上に自動保存されるため、録音内容をリアルタイムで確認でき、複数拠点やリモートワーク環境でも効率的に情報共有できます。
ただし、クラウドサービスを利用する際は、通信環境の安定性やデータセキュリティ対策も重要です。導入前には、暗号化やアクセス制限など安全面の仕様を必ず確認しておくことが望まれます。
通話を録音するメリット
ビジネスの場面で通話を録音することで、以下のようなメリットが考えられます。
メリット①顧客対応の向上
通話を録音することで、顧客対応の質を大きく向上させることができます。録音した内容を振り返ることで、対応が適切だったか、改善できる点はないかを客観的に確認できるため、担当者のスキル向上や対応力強化に直結します。
例えば、顧客の質問に対する説明が不十分だった場合でも、録音データを確認すれば、後から正確な情報を補足したり、フォローアップを行ったりできます。これにより、顧客からの信頼や満足度を高めることが可能です。また、録音内容から顧客の反応や要望を把握できるため、ニーズに合ったサービス改善にもつなげられます。
さらに、多数の問い合わせを受ける業務では、録音データを分析することで、よくある質問やクレームの傾向を把握できます。これをもとに対応マニュアルの整備やFAQの充実化を進めれば、オペレーターがスムーズに対応でき、業務全体の効率化にもつながります。
メリット②トラブルへの対処が容易になる
通話を録音することには、顧客とのトラブルやクレーム対応をスムーズに行えるという大きなメリットがあります。電話対応では、相手との認識の食い違いから「言った・言わない」の争いになることが少なくありません。こうした水掛け論を防ぐためにも、通話内容を録音しておけば、会話の事実関係を客観的に確認でき、責任の所在を明確にできるのです。
さらに、コールセンター業務においては、オペレーターの対応次第でクレームが深刻化するリスクがあります。例えば、顧客が不満を抱いて問い合わせをしてきた際、オペレーターが冷たい態度を取ったり、話を遮ったりすると、顧客の不満が強まり、トラブルが大きくなる場合があります。
このような場合でも、録音データがあれば、対応のどこに問題があったのかを後から客観的に確認できるため、原因を特定しやすくなります。その結果、
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問題のあったオペレーターへの個別指導
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対応マニュアルの見直し
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研修内容の改善
といった、継続的な品質向上の取り組みにつなげることが可能です。
メリット③電話応対の教育がやりやすい
通話を録音することには、社員教育の質を向上させられるという大きなメリットがあります。クレーム対応では、誤った対応が状況をさらに悪化させる場合がある一方、的確な対応であればトラブルを早期に解決できる場合も多いのが実情です。録音した通話を活用すれば、実際のやり取りを教材として使用でき、机上の知識だけでは学びにくい“現場で起こる具体的な対応例”を共有できるため、より実践的な指導が可能となります。結果として、サービス品質全体の底上げにつながります。
さらに、録音データはオペレーター自身が自分の対応を客観的に振り返る貴重な機会にもなります。対応中は「説明できたつもり」「共感を示したつもり」と感じていても、録音を聞き返すことで実際の対応とのギャップに気づけます。
例えば、オペレーターが顧客の不満に対し解決策を提示したにもかかわらず、共感の言葉が不足していたため顧客が納得できず、問題が長引いたケースもあります。こうした気づきは、応対スキルを改善し、次回以降の顧客対応をより良いものにする重要なステップとなります。
通話を録音する際の注意点

通話の録音には多くのメリットがある一方、顧客側からすれば自分の通話が録音されていることに対して不審感を抱いてもおかしくありません。ここでは、通話を録音する際の注意点を紹介します。
注意点①録音していることを前もって伝える
通話を録音する場合は、事前に相手へ録音の旨を伝えることが望ましいとされています。
日本国内では、通話を録音する行為自体は違法ではなく、相手の同意がなくても直ちに法律違反にはなりません。しかし、録音内容の利用方法によっては「個人情報保護法」や「通信の秘密」(電気通信事業法)に抵触する可能性があるため、注意が必要です。特に、録音内容を第三者へ提供したり、不適切に取り扱った場合は法的トラブルにつながる恐れがあります。こうしたリスクを避け、トラブル防止や顧客との信頼関係を築くためにも、通話開始時に「録音させていただきます」と明示することが推奨されます。
一方、海外との通話ではさらに慎重な対応が求められます。国や地域によっては、通話録音に通話当事者双方の同意が法的に義務付けられている(二者同意制)場合があります。例えば、米国のカリフォルニア州などが該当します。そのため、国際的な取引やサポート業務を行う場合は、事前に相手国の法律や規制を確認することが重要です。
また、録音を伝える際には、「サービス品質向上のため」「応対内容確認のため」など、目的を明確に示すことで相手の安心感が高まり、スムーズな会話につながりやすくなります。
なお、録音の目的を「サービス向上のため」などと明確に伝えることで、相手も安心しやすく、スムーズな会話につながります。
注意点②録音忘れがないか確認
スマートフォンで通話を録音する場合、多くの機種やアプリでは手動で録音を開始する必要があるため、録音を忘れてしまうリスクがあることに注意が必要です。特に、突然の着信や緊急の電話対応では操作に気を取られ、録音を開始し忘れるケースがよくあります。
さらに、録音アプリを利用する際にも注意点があります。アプリによっては、OSのバージョンやスマートフォンの機種との相性により正常に動作しない場合があり、肝心なタイミングで録音ができていなかったというトラブルが発生する可能性があります。
そのため、
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事前にアプリの動作確認を行う
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自動録音機能のあるアプリを選ぶ
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録音状況を定期的に確認する
といった対策を取ることで、録音忘れや録音失敗のリスクを減らすことができます。
注意点③録音したデータの扱いを決めておく
録音した通話データには、個人情報や企業の機密情報が含まれる可能性が高く、適切な管理が不可欠です。万が一データが流出すると、顧客との信頼関係が損なわれるだけでなく、法的責任を問われるリスクもあるため、社内で明確な取り扱いルールを策定し、慎重に運用することが重要です。
まず、録音データへのアクセス権限を明確に設定し、業務上必要な社員だけが閲覧・再生できる仕組みを整えることが大切です。これにより、内部からの情報漏えいリスクを最小限に抑えることができます。
さらに、録音データの保存期間や削除方法を事前にルール化することも重要です。例えば、
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「録音から○日後に自動削除」
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「保存期間終了後は安全な方法で完全削除」
といった仕組みを導入することで、不要なデータの長期保管による漏えいリスクを軽減できます。
加えて、個人情報保護法などの関連法令を遵守し、利用目的に応じて必要最小限の期間のみデータを保持することが求められます。不要となったデータは、速やかかつ適切な方法で廃棄し、外部に流出しないよう管理を徹底することが重要です。
通話を録音する際のポイント
ビジネスにおいて通話を録音する際は、以下の3つのポイントを押さえるとよいでしょう。
ポイント①通話を録音するツールを決める
通話を録音する際は、単に録音できれば良いと考えるのではなく、録音データをどのように業務へ活用できるかを踏まえてツールを選定することが重要です。自社の業務環境や利用目的に合ったツールを導入することで、録音の価値を最大限に引き出せます。
例えば、ビジネスフォンに標準搭載されている通話録音機能を使えば、比較的簡単に録音できます。ただし、録音データの保存先が端末やローカルストレージに限られることが多く、データを一元管理したり社内で共有したりするのが難しいという課題があります。
一方、クラウド型CTI(Computer Telephony Integration)を導入すれば、通話の録音から保存・管理までを自動化できるだけでなく、通話履歴を顧客情報と紐づけて管理できるため、営業やカスタマーサポートなど幅広い業務で活用可能です。また、アクセス権限を細かく設定できるため、セキュリティを確保しながら効率的なデータ活用を実現できる点も大きなメリットです。
このように、録音ツールの選定は、データ管理・共有のしやすさ、セキュリティ対策、業務との連携性を含めて総合的に判断することが重要です。
CTIについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
ポイント②通話録音方式の選択
ビジネスフォンや専用機器に搭載されている固定電話の通話録音機能には、主に「全通話自動録音」と「さかのぼり録音(バッファ録音)」の2種類があり、目的に応じて最適な録音方式を選ぶことが重要です。
全通話自動録音
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すべての通話を自動的に録音できる機能で、通話が開始されると同時に録音がスタートします。
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録音漏れがなく、顧客対応や業務上の重要なやり取りを確実に記録できるため、トラブル対応や業務改善、社員教育など幅広い場面で役立つ録音方式です。
さかのぼり録音(バッファ録音)
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通話終了後に一定時間分(例:30秒~数分)をさかのぼって録音できる機能です。
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録音開始操作を忘れても、短時間の通話内容であれば後から保存できるため、ヒューマンエラー防止に強いのが特徴です。
このように、通話録音の目的(業務品質の検証、トラブル防止、社員教育など)や運用体制に合わせて、適切な録音方式を選定することが重要です。ツールや機器を導入する際は、録音機能の種類だけでなく、データの保存方法や管理のしやすさ、セキュリティ面も含めて総合的に検討すると安心です。
ポイント③:録音以外の機能を確認する
通話録音を業務で活用する際は、録音ツールにどのような機能が搭載されているかを事前に確認することが重要です。単に録音できるだけでなく、業務効率やサービス品質の向上につながる機能を備えているかどうかが、ツール選定の大きなポイントとなります。
自動文字起こし(音声認識)機能
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録音データを自動でテキスト化できる機能です。
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通話内容を素早く確認・検索できるため、議事録作成やクレーム対応の振り返りに便利です。
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文章として保存できることで、社内共有やナレッジ化が容易になるメリットもあります。
タグ付け機能
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録音データを「クレーム対応」「問い合わせ」「注文内容」などのカテゴリに分類して保存できる機能です。
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必要な通話を効率的に検索・管理でき、過去の対応事例を素早く参照できるため、業務効率が向上します。
このように、単なる録音機能だけでなく、録音データを有効活用できる機能が充実しているツールを選ぶことで、通話録音のメリットを最大限に活かせます。
ツール導入時には、自社の業務フローや目的に合致した機能が備わっているかをしっかり確認することが大切です。
固定電話の通話録音をクラウド型CTIで行うメリット
メリット①録音データや通話履歴にどこからでもアクセス可能
CTIで通話を録音すると、クラウド上でデータを一元管理できるため、複数拠点のオフィスでも情報共有や確認がスムーズに行えます。さらに、リモートワーク環境からもアクセス可能なため、業務効率の向上にも直結します。
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・オンプレミス型(自社サーバー設置型)と比べて、初期費用やランニングコストを抑えやすいのが特徴です。
・システムの保守・アップデートもベンダーが行うため、自社での管理負担が少ない点も大きな利点です。
このように、迅速かつ柔軟に通話録音環境を整えたい企業にとって、クラウド型CTIは非常に有力な選択肢です。特に、拠点が複数ある企業やリモート対応が多い企業では導入効果が高いと言えるでしょう。
メリット②CRM連携による顧客対応の質向上
多くのクラウドCTIには、顧客情報と通話履歴・録音データを紐づけて管理できるCRM連携機能があります。これにより、顧客ごとの対応履歴を蓄積し、今後の対応品質を継続的に改善できます。
メリット③コスト削減と運用負担の軽減
CTIで通話を録音すると、オンプレミス型(自社サーバー設置型)に比べて初期費用やランニングコストを抑えやすいという特徴があります。さらに、システムの保守やアップデートはベンダーが対応するため、自社の管理負担も軽減できます
通話録音をするならVoiper Dial

クラウド型CTIシステムVoiper Dialは、業務効率化とサービス品質向上に役立つ多彩な機能を搭載しています。
主な機能
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全通話録音機能
・すべての通話内容を自動で録音し、必要に応じてダウンロードが可能です。
・録音データには、オペレーター名、内線番号、外線番号などの情報が付与され、これらを条件に検索できるため、過去の対応履歴を素早く確認でき、業務効率化につながります。 -
リアルタイムモニタリング機能
・オペレーターの稼働状況や通話内容をリアルタイムで把握できる機能です。
・必要に応じて、ウィスパー(ささやき)機能を使い、オペレーターと顧客の会話に直接影響を与えず指導できるため、教育・品質改善に役立ちます。 -
顧客情報管理
・顧客データと通話履歴を一元管理でき、対応履歴を活かしたスムーズな対応が可能です。
Voiper Dialは、単なる録音機能だけでなく、リアルタイムでの指導や通話データ分析、顧客情報管理までサポートする多機能なCTIシステムです。通話録音と同時に業務全体の効率化やサービス品質向上を目指したい企業にとって、導入メリットが大きいツールと言えます。