インサイドセールスで電話をかける時のコツ8選!効率化のポイントも解説

インサイドセールスにおいて、電話は顧客との重要な接点です。しかし、「なかなか受付を突破できない」「担当者につながってもすぐに断られてしまう」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、インサイドセールスの電話・架電における成功率を劇的に上げるための具体的なコツを、事前準備からトーク術、マインドセットに至るまで網羅的に解説します。
そもそもインサイドセールスとは?

インサイドセールスとは、直訳すると「内勤営業」となり、顧客や見込み客に対して、電話やメール、Web会議システムなどを使って非対面で営業活動を行う手法を指します。
従来の外勤営業(フィールドセールス)が顧客先へ直接訪問するのに対し、インサイドセールスはオフィス内ですべての営業活動を完結させるのが特徴です。主に、マーケティング部門が獲得した見込み客(リード)に対してアプローチし、関係性を構築しながら購買意欲を高め(リードナーチャリング)、最終的に商談の機会を創出して外勤営業へ引き継ぐ、という重要な役割を担います。
移動時間がかからないため、一人で多くの顧客を担当でき、効率的に営業活動を進められる点が「インサイドセールス」の大きなメリットです。
インサイドセールスとテレアポの違い
インサイドセールスとテレアポは、どちらも電話を使うため混同されがちですが、その目的と役割は、下表のように大きく異なります。
項目 | インサイドセールス | テレアポ |
---|---|---|
目的 | 見込み客との関係構築、リードナーチャリング、商談機会の創出 | アポイント(商談)の獲得 |
KPI例 | ・有効商談化数 ・受注率 ・リードからの転換率 |
・架電数 ・アポイント獲得数 ・アポイント獲得率 |
重視する点 | 顧客の課題ヒアリングと情報提供を通じた中長期的な関係構築 | 短期間でのアポイント獲得件数 |
役割 | マーケティングと営業の架け橋 | 営業担当者の商談機会を創出する切り込み隊長 |
テレアポのゴールが「アポイントの獲得」であるのに対し、インサイドセールスのゴールは「質の高い商談を創出し、最終的な受注に繋げること」です。そのため、一方的にアポイントを打診するのではなく、顧客との対話を通じて課題を引き出し、継続的に関係を深めていくことが求められます。
インサイドセールスで1日に架電すべき数は?
インサイドセールスにおける1日の架電数に明確な正解はありません。扱う商材の単価やターゲットとなる業界、企業の成熟度によって大きく変動するためです。
一般的には1日に50件~100件程度が一つの目安とされていますが、重要なのは数よりも「質」です。ただ件数をこなすだけの電話は、かえって企業のイメージを損なうことにもなりかねません。
1件1件の電話の前にしっかりと事前準備を行い、目的意識を持って架電することが成功への鍵となります。そのためには、架電数だけでなく、担当者との会話率や有効商談化率といった質の高いKPIを設定し、常に改善を意識することが大切です。
インサイドセールスの電話が受付を突破できない原因
どれだけ質の高いリストやトークスクリプトを用意しても、受付で断られてしまっては意味がありません。ここでは、インサイドセールスの電話が受付を突破できない主な原因を4つ紹介します。心当たりがないか、自身の架電スタイルを振り返ってみましょう。
原因①自信がなく声が小さい
電話では、声の印象が相手への評価を大きく左右します。自信のなさから声が小さくなったり、緊張して早口になったりすると、受付担当者に不信感や頼りなさを与えるおそれがあります。こうした印象は、会話の内容以前に信頼を損ねる原因となります。
さらに、声が聞き取りにくいと相手に負担をかけ、用件を最後まで伝える前に断られる可能性が高まります。明瞭な発声や落ち着いた話し方を心がけることで、相手に安心感を与え、会話を円滑に進められます。
原因②いかにも「営業電話」とわかる話し方をしている
「株式会社〇〇の〇〇と申しますが、〇〇のご担当者様はいらっしゃいますか?」というような、型通りのあいさつでは、受付担当者は「また営業電話だ」と身構えやすくなります。その結果、内容を聞く前から機械的に断られる可能性が高まります。
相手の警戒心を和らげるためには、マニュアル通りの硬い表現を避け、状況に応じた自然な会話を心がけることが大切です。声のトーンや話すスピードを工夫するだけでも、受け入れられやすい印象を与えられます。
原因③会社名を名乗らず相手に不信感を与える
電話を受けた相手が最初に知りたいのは、「誰が、どのような目的で連絡してきたのか」という点です。にもかかわらず、冒頭で会社名や具体的な用件を明確に伝えないと、不信感を持たれやすくなります。
特に「〇〇の件でお電話しました」といった曖昧な表現は、相手に心当たりがなければ不審に思われ、すぐに切られてしまう可能性があります。信頼を得るためには、冒頭で会社名と担当者名、そして要件を簡潔かつ具体的に伝えることが重要です。
原因④一方的に担当者への取次を要求している
受付担当者を「突破すべき相手」と見なし、高圧的な態度や一方的な要求をすることは避けなければなりません。受付担当者は、社内に不要な電話を取り次がないという重要な役割を担っています。
その業務に敬意を示さず、ぞんざいな対応をすれば、協力を得られるどころか「この電話は絶対に取り次がない」と強く警戒されます。相手の立場や役割を理解し、丁寧で誠実な対応を心がけることが、会話を前に進めるための第一歩です。
インサイドセールスで電話・架電の成功率を上げるコツ

ここからは、インサイドセールスの電話成功率を飛躍的に高めるための8つのコツを紹介します。
コツ①相手企業の情報をリサーチして課題の仮説を立てる
電話をかける前に、相手のことをどれだけ知っているかが勝負を分けます。最低でも以下の情報はリサーチし、相手が抱えているであろう課題の仮説を立てておきましょう。
- 企業の公式Webサイト:事業内容、企業理念、沿革、IR情報など
- ニュースリリースやプレスリリース:最近の動向、新サービス、提携情報など
- 採用情報:募集している職種から、企業がどの分野に力を入れようとしているかがわかる
- 担当者のSNS:個人の関心事や課題意識がわかる場合がある
これらの情報から、「最近、新事業を始めたようだから、〇〇の分野で人手が足りていないのではないか」「DX推進を掲げているが、この部門はまだアナログな業務が多そうだ」といった仮説を立てます。この仮説が、後のトークの質を大きく左右します。
コツ②目的とゴールを明確にしたトークスクリプトを用意する
行き当たりばったりのトークは失敗のもとです。事前にトークスクリプトを用意することで、話の軸がブレなくなり、自信を持って会話を進められます。
トークスクリプトに盛り込むべき要素
- 挨拶と自己紹介:簡潔かつ明確に名乗る
- 目的の提示:何のために電話したのかを具体的に伝える
- 本題(メリットの提示):相手にとってのメリットを伝える
- ヒアリング:相手の状況や課題を聞き出す質問
- 切り返しトーク:想定される断り文句への対応策
- クロージング:次のアクション(資料送付、アポイント設定など)を促す
ただし、スクリプトをただ読み上げるだけではいけません。あくまで会話の道筋を示す「地図」として活用し、相手の反応に合わせて柔軟に対応することが重要です。
コツ③繋がりやすい時間帯に架電する
ターゲットとする企業の業種や職種によって、担当者が電話に出やすい時間帯は異なります。闇雲に電話をかけるのではなく、繋がりやすい時間帯を分析し、戦略的に架電しましょう。
一般的なBtoBにおける繋がりやすい時間帯の例
- 始業直後(9:00〜10:00):会議などが始まる前の時間帯
- 昼休み明け(13:00〜14:00):比較的デスクにいる可能性が高い
- 終業間際(16:00〜17:00):その日の業務が落ち着き、時間に余裕がある場合がある
逆に、月曜の午前中や金曜の午後は週初めのバタつきや週末前の追い込みで忙しいことが多く、避けるのが無難です。架電結果を記録・分析し、自社にとってのゴールデンタイムを見つけ出しましょう。
コツ④丁寧な話し方を意識する
前述の通り、受付担当者を「突破すべき壁」と考えるのは間違いです。担当者へスムーズに繋いでくれる「協力者」と捉えましょう。
「お忙しいところ恐れ入ります」といったクッション言葉を使うなど、丁寧な言葉遣いを意識します。威圧的な態度は論外です。誠実で丁寧な対応を心がけることで、「この人なら担当者に繋いでも大丈夫そうだ」という信頼を得ることができます。
コツ⑤聞き取りやすい声で話す
電話口での声は、第一印象を大きく左右する要素です。少し低めのトーンで、明瞭かつゆっくりめに話すことを意識すると、落ち着いた印象を与えられます。
反対に、小さな声やぼそぼそした話し方は、それだけで相手に不安や不信感を抱かせます。新人であっても、会社の代表として電話をしている意識を持ち、堂々とした口調を心がけることが大切です。電話をかける前に深呼吸をする、口角を上げて話すなど、自分なりの工夫で自信のある声をつくりましょう。
コツ⑥相手にとってのメリットを簡潔に伝える
電話の冒頭では、相手が「この話を聞く価値があるか」を瞬時に判断しています。そこで重要なのが、自社の製品やサービスの話をするのではなく、「この電話が相手にとってどのようなメリットをもたらすのか」を簡潔に伝えることです。
悪い例:「弊社は〇〇という画期的なシステムを開発しまして…」
良い例:「御社の〇〇という事業において、現在発生しているコストを30%削減できる情報がございまして、〇〇ご担当者様にお伝えしたくお電話いたしました。」
事前に立てた仮説を元に、相手の課題解決に繋がる具体的なメリットを提示することで、相手は初めて「話を聞いてみようか」という気持ちになります。
コツ⑦ヒアリングの時間を作る
インサイドセールスは、営業トークを一方的に展開する場ではなく、相手の現状や課題、ニーズを把握するためのヒアリングの場です。
質問では、5W1Hを使ったオープンクエスチョンと、はい・いいえで答えられるクローズドクエスチョンを使い分け、相手が話しやすい空気をつくります。会話中は相手の言葉を遮らず、適度に相槌を打ち、傾聴の姿勢を示すことが重要です。会話量の目安は、相手が7割、自分が3割程度です。
引き出した情報は、今後の関係を築くうえで大きな価値を持つため、丁寧に記録し活用することが成果につながります。
コツ⑧目的は売ることではなく関係構築
インサイドセールスの初回電話では、すぐに商品やサービスを売り込もうとしないことが重要です。目的は、相手との信頼関係を築き、次の段階へつなげることにあります。
焦って提案を進めると、相手は警戒心を抱き、話を聞く姿勢を失いやすくなります。「今回は情報提供をするだけ」「まずは課題を伺うだけ」という姿勢で臨み、長期的な関係構築を意識しましょう。
こうした信頼関係が、質の高い商談を生み出し、最終的な成約につながる基盤となります。
インサイドセールスを効率化するポイント
個人のスキルアップと並行して、チーム全体でインサイドセールスを効率化していく視点も欠かせません。ここでは、成果を最大化するための3つのポイントをご紹介します。
ポイント①チームメンバーでKPIを共有する
チームとしてどこを目指すのか、その指標(KPI)を明確にし、全員で共有することが重要です。
インサイドセールスにおけるKPIの例
- 量に関する指標:架電数、コンタクト率(電話が繋がった割合)、担当者会話率
- 質に関する指標:有効商談化率(アポイントのうち、質の高い商談に繋がった割合)、受注率
これらのKPIを定期的に計測・分析し、チーム全体で課題を特定し、改善策を話し合うことで、組織全体のパフォーマンスが向上します。
ポイント②トークスクリプトを整備する
業務を効率化するには、個人のスキルに頼るのではなく、チーム全体で成功パターンを蓄積し共有することが重要です。そのための有効な手段がトークスクリプトです。
効果的なトークや切り返しフレーズを随時スクリプトに追加し、常に内容を更新できる体制を整えましょう。これにより、新人でも早期に成果を出せるようになり、チーム全体のトーク力向上にもつながります。さらに、定期的なロールプレイングで改善点を洗い出すことで、スクリプトの精度を高められます。
トークスクリプトについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてお読みください。
ポイント③IVRを導入する
IVR(自動音声応答)システムは、インサイドセールスの効率を飛躍的に向上させる強力なツールです。
IVRシステムを導入すると、かかってきた電話に対して自動音声が応答し、顧客の用件に応じて適切な担当者へ直接電話を振り分けることができます。これにより、以下のようなメリットが生まれます。
- 機会損失の防止:担当者不在時でも、折り返し連絡の受付や他の担当者への転送などが可能になり、機会損失を防ぐ。
- 顧客満足度の向上:顧客はたらい回しにされることなく、スムーズに目的の担当者と話すことができる。
特に、インサイドセールスからの折り返し電話をIVRで受ける仕組みを構築すれば、顧客が最も関心を持っているタイミングを逃さずにアプローチすることが可能になります。
IVRについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
オススメのIVRはVoiper Dial

数あるIVRの中でも、インサイドセールスの強化に特におすすめしたいのが、アライブネットが提供するVoiper Callです。
Voiper Dialは、インサイドセールスチームの成果を最大化するために設計された、IVR機能を含むクラウド型CTIシステムです。場所を選ばずに利用できる柔軟性と、セールス活動を効率化する豊富な機能を備え、多くの企業で導入されています。
Voiper Dialを導入するメリット
メリット①プレディクティブ発信による圧倒的な架電効率
システムが自動でリストに発信し、応答があった電話のみをオペレーターに接続する「プレディクティブ発信機能」を搭載。オペレーターが一件ずつ電話をかける手間や、通話が繋がるまでの待ち時間を削減し、顧客との対話に集中できる環境を構築します。これにより、1時間あたりの架電数を大幅に向上させることが可能です。
メリット②通話録音とモニタリング機能によるセールス品質の向上
全ての通話を録音できるため、成果の高い担当者のトークを分析し、チーム全体の営業スキル向上や研修に活用できます。また、管理者がオペレーターの通話をリアルタイムで確認できる「モニタリング機能」や、顧客には聞こえないようにアドバイスを送れる「ウィスパー機能」により、即座のフォローアップと質の高い顧客対応を実現します。
メリット③CRM連携による顧客対応の高度化
Salesforceをはじめとした既存のCRM(顧客管理ツール)と連携が可能です。着信時に顧客情報が自動でポップアップ表示されるため、過去の対応履歴や顧客情報を踏まえた、パーソナライズされた営業活動が行えます。通話後の情報入力も効率化され、データに基づいた戦略的なアプローチを支援します。
メリット④柔軟な働き方に対応
インターネット環境さえあれば、オフィスだけでなく在宅でのリモートワークも可能です。多様な働き方に対応できるため、優秀な人材の確保や、事業継続計画(BCP)対策としても有効です。初期費用を抑え、席数の増減にも柔軟に対応できるため、スモールスタートでインサイドセールス部門を立ち上げる際にも適しています。
Voiper Dialの費用
Voiper Dialは、料金体系の分かりやすさも大きな魅力です。
基本料金(1ブースあたり)
- 初期費用:10,000円(税抜)
- 月額費用:10,000円(税抜)
Voiper Dialの詳しい機能や費用については、以下のサービスページをご覧ください。
>>イン・アウト両対応のCTI「Voiper Call」|株式会社アライブネット
また、インサイドセールスの受付突破や業務効率化にお悩みの企業様は、アライブネットまでお気軽にご相談ください。