IVRシステムのおすすめ9選!選び方や導入メリットを徹底解説

「電話が集中してオペレーターが対応できない」
「電話対応をもっと効率化したい」
こうした課題には、IVR(音声自動応答)システムの導入が有効です。
ただし、IVRシステムは提供企業が多く、最適なサービスを選ぶのは容易ではありません。
本記事では、IVRの基本的な仕組みや導入によるメリット、業務効率化につながるおすすめのサービスを紹介します。
IVR(音声自動応答システム)とは?仕組みや主な機能を解説

IVR(Interactive Voice Response)は、日本語で「音声自動応答システム」と呼ばれ、コンピューターが音声を使って自動的に電話応対を行う仕組みです。
顧客が電話をかけると、「〇〇に関するお問い合わせは1番、△△に関するお問い合わせは2番」といった音声ガイダンスが流れます。顧客がボタンを押したり音声で回答したりすると、その内容に応じて設定済みのシナリオに基づき、適切な部署へ転送したり自動音声で情報を案内したりします。
この仕組みにより、すべての電話にオペレーターが直接応答する必要がなくなり、電話業務の入り口を自動化できます。
IVRについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
IVRの導入で得られる5つのメリット
IVRシステムの導入は、単なる電話業務の自動化に留まらず、コールセンター全体の運営に以下のようなメリットをもたらします。
メリット①電話業務の効率化
IVRシステムを導入する最大の利点は、電話業務を大幅に効率化できることです。
IVRが一次対応を担うことで、用件に応じて適切な部署や担当オペレーターへ直接振り分けられます。そのため、別のオペレーターが内容を聞いてから担当者に取り次ぐ手間が不要になります。
結果として、オペレーターは自分の専門分野や担当業務に関する問い合わせに集中でき、コールセンター全体の生産性も高まります。
メリット②人件費の削減
IVRシステムで簡単な問い合わせや定型的な案内を自動化すれば、オペレーターが対応する電話の件数を減らせます。
例えば、よくある質問への回答や資料請求の受付を自動音声で完結させることで、オペレーターの稼働時間を大幅に削減できます。
その結果、少人数でもコールセンターを運営でき、人件費の削減につながります。特に、人手不足に悩む企業にとってIVRシステムは有効な解決策となります。
メリット③営業時間外の機会損失の抑制
IVRシステムを導入すると、24時間365日いつでも顧客からの電話に対応できます。
夜間や休日でオペレーターが不在の時間帯も、IVRが自動で一次対応を行い、用件の録音や折り返し連絡の予約を受け付けられます。
これにより、営業時間外の問い合わせを取りこぼさず、ビジネスチャンスの損失を防げます。顧客にとっても、いつでも要件を伝えられる安心感につながります。
メリット④顧客満足度の向上
IVRシステムを導入すると、顧客満足度の向上にもつながります。
電話が集中する時間帯でもIVRが一次対応を行うため、長時間待たされる「あふれ呼」や「放棄呼」の状態を避けられます。これにより、「なかなか電話がつながらない」という顧客の不満を軽減し、スムーズな対応が可能になります。
さらに、用件に応じて専門のオペレーターへ直接つながるため、たらい回しを防ぎ、問題解決までの時間を短縮できます。結果として、企業やサービスに対する信頼感や満足度が高まります。
放棄呼については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
メリット⑤迷惑電話・間違い電話の回避
コールセンターでは、営業電話や間違い電話への対応がオペレーターの時間を大きく消耗させる要因となります。
IVRシステムを導入し、音声ガイダンスで振り分けを行えば、人間が対応する必要のない不要な電話をフィルタリングできます。自動音声で会社名を名乗るだけでも、間違い電話の防止につながります。
さらに、IVRでは通話前にプッシュ操作が必要なため、短時間で次々と発信する営業電話にとっては効率が悪く、結果として避けてもらえる可能性が高まります。
コールセンターでのIVR活用については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
失敗しないIVRの選び方は?3つのポイントを解説

IVRシステムを導入する際に失敗しないためにも、以下の3つのポイントを意識して選びましょう。。
ポイント①導入形態と機能
IVRシステムは、大きく「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類に分けられます。
クラウド型
インターネットを通じて利用する形態で、初期費用が安く短期間で導入できるのが特徴です。
オンプレミス型
自社に専用サーバーや機器を設置する形態で、高いカスタマイズ性を持ちますが、初期費用が高額で構築に時間を要します。
現在は導入の手軽さからクラウド型の利用が拡大しています。加えて、CRM(顧客管理システム)との連携やSMS送信など、自社に必要な機能が備わっているかを確認することも大切です。
ポイント②料金体系
IVRシステムの料金は、主に「初期費用」と「月額料金」で構成されます。
初期費用は無料の場合もあれば、数万円以上かかる場合もあります。月額料金については、基本料金に加え、回線数やID数、利用機能に応じてオプション料金が発生するのが一般的です。
導入を検討する際は、表面的な金額だけでなく、自社に必要な構成で利用した場合の総コストを算出し、複数のサービスを比較することが重要です。
ポイント③操作性やサポート体制
IVRの応答シナリオや音声ガイダンスは、運用しながら改善していくケースが多いため、管理画面の使いやすさは重要な要素です。
直感的に操作できる画面であれば、専門知識がなくても柔軟に設定を変更できます。加えて、トラブル発生時に迅速に対応できるサポート体制も欠かせません。
電話やメールでの問い合わせ対応時間、導入時の設定サポートの有無など、サポート内容を事前に確認しておくことで安心して利用できます。
コールセンター業務におすすめのIVRシステム9選
ここでは、コールセンター業務におすすめのIVRシステムを9つご紹介します。
- Voiper Dial(株式会社アライブネット)
- Zendesk(株式会社Zendesk)
- DXでんわ(メディアリンク株式会社)
- IVRy(株式会社IVRy)
- MiiTel Phone(株式会社RevComm)
- ソクコム(Foonz株式会社)
- トビラフォン Cloud(トビラシステムズ株式会社)
- じゃんじゃんコール(株式会社メテム)
- Smart desk W(株式会社Wiz)
それぞれのIVRシステムの初期費用や月額料金、主な特徴について以下で解説します。
①Voiper Dial

- 初期費用:10,000円/ブース
- 月額費用:10,000円/ブース
「Voiper Dial」は、IVR機能はもちろん、コールセンター業務を包括的に効率化する機能を多数搭載したクラウド型CTIシステムです。
AIによる自動議事録作成機能や通話内容のデータ化機能も備えており、後処理時間を大幅に削減できます。電話業務に関する深い知見をもつ専門スタッフによる、手厚いサポートも強みです。
②Zendesk
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額費用:69ドル~※IVRは別途アドオン費用が必要
「Zendesk」は、世界10万社以上で利用されているカスタマーサービスプラットフォームです。IVR機能はアドオンで追加でき、メールやチャットなど、他の問い合わせチャネルと顧客情報を一元管理できるのが最大のメリットです。
複数チャネルでの顧客対応を行っている企業に適しています。
③DXでんわ
- 初期費用:0円
- 月額費用:10,000円(月100件まで)
「DXでんわ」は、初期費用0円から始められる手軽さが魅力のIVRシステムです。
音声認識AIを搭載しており、プッシュ操作だけでなく顧客の話した言葉を認識して振り分けを行えます。
そのほかにもAIを活用した音声録音や要約機能、テキストを入力するだけで自動音声を簡単に作成できるなど、電話業務の効率化のためのさまざまな機能が備わっています。
シンプルな料金体系で、スモールスタートしたい企業におすすめです。
④IVRy
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額費用:2,980円~
「IVRy」は、月額2,980円からという圧倒的な低価格で注目を集めているIVRシステムです。
電話転送やSMS送信、通話録音といった基本機能を網羅しています。AIによる自動応答や文字起こし機能はオプションですが、コストを抑えてIVRシステムを導入したい企業にとって有力な選択肢となるでしょう。
⑤MiiTel Phone
- 初期費用:0円~
- 月額費用:6,578円/ID
「MiiTel Phone」は、AIによる通話の文字起こしやトーク分析機能が強みで、オペレーターの応対品質向上に大きく貢献します。
具体的には、オペレーターごとの稼働実績や話し方の特性、話す内容などのデータを集計し、可視化可能です。
また、ヒートマップ機能により通電率が低い日や時間帯の分析が可能で、その時間にミーティングや別の業務を入れるなど、活動時間の調整がしやすくなります。
IVR機能をはじめとしたコールセンター機能も多く搭載しており、電話営業やインサイドセールス部門の生産性向上を目指す企業に最適です。
⑥ソクコム
- 初期費用:要問い合わせ
- 月額費用:1,480円~
「ソクコム」は、最短3営業日で導入できるスピード感と、月額1,480円からというリーズナブルな価格設定が特徴のクラウド型コミュニケーションツールです。
「誰でも使える」がコンセプトで、初めてIVRシステムを導入する企業でも安心して利用できます。予算が限られている小規模なコールセンターや、まずはIVRを試してみたいという企業に向いています。
⑦トビラフォン Cloud
- 初期費用:33,000円
- 月額費用:3,300円~
迷惑電話フィルタ技術に強みをもつトビラシステムズが提供するクラウドPBXです。
独自の技術「迷惑電話フィルタ」を用いた悪質営業や迷惑電話をブロックできる機能が標準搭載されており、不要な電話対応の削減が期待できます。
IVR機能も基本機能として含まれており、業務効率化とセキュリティ対策を両立したい企業におすすめです。
⑧じゃんじゃんコール
- 初期費用:30,000円
- 月額費用:14,800円~
「じゃんじゃんコール」は、IVRを利用した着信特化型のインバウンド向けコールシステムです。
大量に資料請求があるような業種やキャンペーン企画によって一時的に電話件数の増大が見込まれるケースにも活躍します。
さらに、自動音声応答やプッシュ式の情報入力機能を活用し、受注業務の自動化ができるため、オペレーターが1件ずつ対応するよりもはるかに効率的なインバウンド対応を実現可能です。
⑨Smart desk W(株式会社Wiz)
- 初期費用:0円
- 月額費用:8,800円~
「Smart desk W」は、受電業務に特化したIVRと電話代行の組み合わせにより、本当に必要な電話のみに対応することが可能になる電話代行サービスです。
オプションにより、自動応答の選択内容に応じて自社への転送を行ったり、SNSの自動送信を行ったりできます。
24時間365日対応可能なので、人手不足の解消や、夜間・休日の問い合わせ対応を強化したい企業に適しています。
デモ体験も可能なので、一度試してから導入検討するのがよいでしょう。
IVR導入の際に覚えておきたい2つの注意点
多くのメリットがあるIVRシステムですが、導入を成功させるためには、事前に知っておくべき注意点もあります。
注意点①シナリオ設計やシステムの構築に時間がかかる
IVRを効果的に運用するには、自社の業務に合った応答シナリオを設計することが欠かせません。
「どのような問い合わせが多いのか」「どの部署へ振り分けるべきか」を分析し、わかりやすく効率的なフローを作るには、一定の時間と労力が必要です。さらに、システムへの設定や、自動音声ガイダンスの収録を伴う場合もあります。
そのため、導入を決めてから実際に稼働するまでには、準備期間を見込んでおくことが大切です。
注意点②顧客のストレスとなる可能性がある
シナリオが複雑すぎたり、音声ガイダンスが分かりにくかったりすると、顧客に大きなストレスを与えます。
目的の窓口にたどり着くまでに何度もボタン操作を求められたり、選択肢が多すぎて判断に迷ったりすれば、途中で電話を切られる可能性もあります。さらに、「すぐにオペレーターと話したい」と考える顧客にとって、自動音声は煩わしく感じられることがあります。
そのため、顧客の立場を意識し、シンプルで分かりやすいシナリオを設計することが顧客満足度を保つうえで欠かせません。
IVRの導入と運用はアライブネットにお任せください!
IVRシステムを導入する際には「搭載されている機能」や「予算」などを元に、自社に合ったシステムを選ぶと、電話業務を大きく効率化できます。
アライブネットでは、本記事でご紹介したIVR機能はもちろん、コールセンター業務全体の業務改善に役立つクラウド型CTIシステムVoiper Dialをご提供しています。
Voiper Dialは、単なるIVRシステムではありません。
AIによる通話の自動議事録作成機能やCRM連携、プレディクティブ発信など、オペレーターの負担を軽減し、生産性を最大化するための機能が満載です。
アライブネットは、お客様の電話業務に関する課題を深く理解し、最適な運用方法まで含めてご提案する「コールソリューション企業」です。
システムの導入から効果的なシナリオ設計、運用開始後のサポートまで、安心してお任せください。
まとめ
今回の記事では、IVRシステムの基本的な仕組みから、導入メリット、選び方のポイント、そしておすすめのサービスまでを網羅的に解説しました。
IVRシステムは、コールセンターが抱える「あふれ呼」や「人手不足」「営業時間外の対応」といった多くの課題を解決する有効なツールです。
導入で失敗しないためには、以下の3つのポイントを総合的に比較検討することが重要です。
- 導入形態と機能
- 料金体系
- 操作性やサポート体制
しかし、最も大切なのは、IVRシステムを導入すること自体を目的とせず、それを活用して「どのように業務を改善して顧客満足度を高めるか」を意識することです。
アライブネットでは、AI搭載のCTIシステムVoiper Dialを通じて、お客様のコールセンターの生産性向上と、その先にある事業の成長を力強くサポートします。
IVRシステムの導入や電話業務の効率化にお悩みなら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。