固定電話が繋がらない?無音の原因や対処法を紹介

企業において、固定電話が繋がらない状態が続くと、顧客との連絡やユーザー対応が滞り、業務全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に受発注業務やサポート対応を電話で行っている場合、連絡手段が途絶えることで機会損失やクレームにつながることもあります。
固定電話が無音になり繋がらない場合には、あらかじめ主な原因と対処法を理解しておくことが重要です。事前に知識を備えておくことで、トラブル発生時にも迅速かつ適切に対応でき、業務への影響を最小限に抑えられます。
本記事では、固定電話が繋がらず無音になる代表的な原因と、すぐに試せる改善策を解説します。あわせて、万が一のトラブル時に備えるための代替連絡手段の確保についても紹介します。
固定電話が繋がらずに無音になる5つの原因

業務用の固定電話は、一般的に寿命が約10年といわれています。新品の電話機を導入した場合、通常は長期間にわたり大きな故障が頻発することは少ないと考えられます。
それにもかかわらず、使用中に電話が繋がらず無音のままになることがあります。これは電話機そのものの故障以外にも、回線や配線、設定の不具合など、さまざまな要因が考えられるためです。
ここでは、固定電話が繋がらず無音になる主な原因と、問題を特定する際に確認すべきポイントをまとめました。
原因①:受話音量が最小になっている
電話をかけた際に相手の声がまったく聞こえない場合、受話器の音量設定が最小になっている可能性があります。業務用の固定電話には、多くの場合、通話中に音量を調整できるボタンやダイヤルが付いています。誤操作などで音量を最小に設定してしまうと、実際には通話が繋がっているにもかかわらず、無音の状態に感じられることがあります。
このような場合は、まず受話器や本体にある音量調整ボタンを確認し、音量を上げてみましょう。機種によって調整方法が異なるため、操作方法がわからない場合は、取扱説明書やメーカーの公式サイトを確認すると安心です。
また、音量を上げても改善しない場合は、受話器やスピーカー部分の故障、接触不良、回線トラブルなど、別の原因が考えられるため、次の対処法に進む必要があります。
原因②:電話線がつながっていない
固定電話が繋がらない原因の1つとして、電話線が抜けている、または正しく接続されていないケースがあります。通常、電話線が正常に接続されていれば、受話器を上げたときに「ツー」という発信音が鳴ります。この発信音が聞こえる場合、少なくとも電話機自体は正常に動作していると考えられます。
一方で、受話器を上げても発信音が聞こえない場合は、電話線の接続不良が疑われます。まずは電話線がしっかり差し込まれているか確認し、緩んでいる場合は差し直してください。接続し直すだけで改善することもあります。
また、回線が正常に繋がっているかを確認する方法として、固定電話から「111」に発信することで、無料の「線路試験受付」サービスが利用できます。このテストで応答があれば回線自体は生きており、応答がない場合は回線や電話線のトラブルが考えられます。
電話線を抜き差ししても改善しない場合は、電話線の断線や経年劣化が原因の可能性があります。この場合は、予備の電話線に交換するか、回線事業者や電話機のサポート窓口に相談しましょう。
原因③:モデムやルーターが故障している
固定電話を光回線で利用している場合、モデム・ルーター・ONU(Optical Network Unit)のいずれかに不具合が起きると、光電話が使用できなくなることがあります。ONUは「光回線終端装置」とも呼ばれ、光信号を電話で利用できるよう変換する役割を担っています。
これらの機器の不具合は、一時的なエラーが原因であることも多く、再起動やケーブルの抜き差しで復旧するケースがあります。特に停電後や長時間の連続稼働後は、一度電源を落として再起動すると改善することがあります。
また、通信事業者側で一時的な通信障害が発生している場合もあるため、公式サイトやサポート窓口で障害情報を確認しましょう。
上記を試しても改善が見られない場合は、ONUや関連機器の故障が考えられます。この場合、回線事業者や機器提供元に連絡し、交換や修理を依頼するのが一般的な対応です。ただし、機器の交換には時間がかかる場合があるため、予備の連絡手段(携帯電話やチャットツールなど)を確保しておくと安心です。
原因④:電話機そのものが故障している
固定電話が繋がらない原因として、電話機本体の故障が考えられます。
業務用の固定電話は一般的に寿命が10年程度とされていますが、落下や飲み物をこぼすといった物理的なダメージが加わることで、寿命を迎える前に故障することもあります。また、受話器やコード部分の接触不良、電源アダプターの不具合など、内部以外の要因で正常に動作しなくなるケースもあります。
特に外傷がないにもかかわらず不具合が頻発する場合は、経年劣化による寿命の可能性があります。固定電話には法定耐用年数が6年と定められており、これを目安に定期的な交換を検討すると、突然のトラブルを防ぎやすくなります。
また、故障かどうかを判断するためには、以下の確認を行うことも有効です。
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他の回線や電話機で同じ回線を使用し、正常に通話できるかをテストする
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電源アダプターやケーブルを交換して症状が改善するかを確認する
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サポート窓口やメーカーに診断を依頼する
これらの対応でも改善しない場合は、電話機本体の交換を早めに検討しましょう。
原因⑤:回線トラブル
IP電話や光回線を利用している場合、通信障害や機器のトラブルによって電話が繋がらなくなることがあります。代表的なケースとして「停電」が挙げられます。固定電話の中には停電時でも利用できる機種がありますが、これはアナログ回線を使用している場合に限られ、IP電話や光回線では停電中に利用できないのが一般的です。
また、停電が復旧した後も、すぐに電話が使えない場合があります。この場合は、ルーターやモデム、ONUなどの機器を再起動することで回線が復旧し、電話が繋がることが多いので試してみましょう。
通信事業者側で障害が発生しているケースもあるため、事業者の公式サイトやサポート窓口で障害情報を確認することも重要です。さらに、機器のランプ状態をチェックすることで、回線や電源の異常を早期に把握できる場合があります。
万が一、機器を再起動しても改善せず、通信障害の情報もない場合は、回線や機器本体の故障が疑われるため、通信事業者や機器の提供元に問い合わせて原因を特定しましょう。
固定電話が繋がらずに無音になった際の対処法

固定電話が繋がらず、無音になった場合には、大きく分けて4つの対処法があります。
対処法①:電話線やケーブルなどを接続し直す
まず、固定電話が繋がらない場合は、電話線やケーブルの接続状態を確認し、差し直すことをおすすめします。ケーブルは、誰かがうっかり足を引っかけたり、机の上に資料や物を置いた際に押されて緩んだりして、外れかけることがあります。
特に「直前まで問題なく使えていたのに、突然繋がらなくなった」という場合は、接続不良が原因である可能性が高いです。ケーブルを一度抜き、しっかり差し直すことで改善することがあります。
接続を確認しても状況が変わらない場合は、ケーブル自体の断線や、電話機本体の故障が考えられます。予備のケーブルがあれば交換してみると原因の切り分けが可能です。それでも改善しない場合は、回線事業者や機器のサポート窓口に問い合わせ、専門的な点検や修理を依頼しましょう。
対処法②:モデムなどを再起動する
モデムやルーターなどの通信機器は、一時的なエラーが原因で電話が繋がらなくなることがあります。この場合、再起動を行うことで正常に動作するようになるケースが多いです。ただし、メーカーが推奨する正規の手順を守らず、むやみに電源を抜き差しすると機器に不具合を生じさせる可能性があるため注意が必要です。
再起動する際は、ルーターとONUが接続されている場合、以下の手順を試してください。
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ルーターの電源を先にオフにする
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続いてONUの電源をオフにし、数分間そのまま放置する
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ONUの電源を入れ、ランプの点滅が安定したことを確認する
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最後にルーターの電源をオンにする
また、モデムやルーターは長時間の使用で熱がこもりやすく、動作が不安定になる原因となります。狭い場所に機器を詰め込まない、通気性の良い環境に設置するなど、機器の熱対策にも配慮しましょう。
再起動後も問題が解決しない場合は、通信事業者の障害情報を確認したうえで、必要に応じてサポート窓口に相談してください。
対処法③:別の電話機を使ってかけてみる
電話が繋がらない場合、電話機本体の故障が原因の可能性があります。この場合は、予備の電話機を使って動作確認を行うことをおすすめします。具体的には、今使っている電話機から電話線を外し、予備の電話機に接続して通話できるかを試してください。
予備の電話機で問題なく通話できる場合は、元の電話機に不具合が生じていると考えられます。こうした場合は修理または交換が必要です。
なお、予備の電話機でも同じ症状が出る場合は、回線やケーブルの不具合が原因である可能性が高いため、回線事業者やサポート窓口に問い合わせて確認しましょう。
対処法④:回線障害や停電などの情報があれば復旧を待つ
固定電話が繋がらない原因として、回線トラブルや停電が影響している場合があります。この場合は、まず復旧を待つしかありません。復旧後には、モデムやルーター、ONUなどの通信機器を再起動することで、電話が再び利用できるようになることがあります。
また、停電後に一部の機器だけが正常に動作しない場合もあるため、以下の手順を試すと復旧が早まることがあります。
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モデムやルーターの電源をすべてオフにする
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数分待ってから、ONU→モデム→ルーターの順に電源を入れる
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機器のランプが安定したのを確認したうえで、電話が繋がるかを再チェックする
さらに、通信事業者側で大規模な障害が発生している可能性もあるため、公式サイトやサポート窓口で障害情報を確認すると安心です。
それでも固定電話が繋がらない場合は業者に連絡
上記の方法を試しても固定電話が繋がらない場合は、回線を提供している通信事業者に連絡しましょう。例えば、NTTの回線を利用している場合は、固定電話から「113」に発信すると、故障に関する相談を24時間受け付けてもらえます。
その他の事業者を利用している場合も、専用の故障受付窓口やサポートセンターが用意されていることが多いため、契約書や公式サイトで連絡先を確認してください。
なお、業務に支障が出る可能性がある場合は、問い合わせ時に「障害の範囲(自社だけか、地域全体か)」や「復旧の見込み時間」も確認しておくと、今後の対応を検討しやすくなります。
おすすめの対処法はクラウドPBX
固定電話が繋がらない状況が長引くと、顧客との連絡が取れず、業務に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのようなトラブル時の代替手段として注目されているのが「クラウドPBX」です。ここでは、クラウドPBXのメリットとデメリットをまとめました。
メリット①:スマホやパソコンを社用電話として活用できる
クラウドPBXを導入すれば、固定電話がなくてもスマートフォンやパソコン、タブレットを社用電話として利用できます。これにより、外出中の営業担当に会社宛ての電話がかかってきた場合でも、内線を転送してすぐに応答できるため、折り返しの手間がなくなります。
使用するスマートフォンは、社員が普段使っている私用端末でも問題ありません。専用アプリをインストールすれば、その端末を会社の電話として活用できます。アプリ上で会社の番号を発着信に使えるため、個人の電話番号を知られる心配もありません。
この仕組みは、オフィスにいない社員ともスムーズに連絡が取れるため、テレワークやハイブリッドワークを導入している企業にとっても非常に有効です。導入によって、業務の効率化や迅速な顧客対応が期待できます。
メリット②:翌営業日には活用できる
クラウドPBXの大きな魅力の1つは、導入までの時間が非常に短いことです。オンプレミス型PBXのように専用ハードウェアを設置する必要がないため、設定やアカウント発行のみで利用を開始でき、サービスによっては最短で翌営業日から導入可能な場合もあります。
例えば、固定電話が突然繋がらなくなり、原因が特定できない状況でも、クラウドPBXを導入すれば短期間で電話業務を再開できます。回線の復旧を待たずに、スマートフォンやパソコンを使って会社番号での発着信ができるため、顧客との連絡断絶による機会損失やクレーム発生を最小限に抑えることが可能です。
メリット③:コストを抑えられる
クラウドPBXを導入すれば、社員が所有しているスマートフォンを社用電話として利用できるため、固定電話機を新たに購入する必要がなくなります。これにより、機器の購入費用を削減でき、月々の利用料だけで電話業務を運用できるようになります。
さらに、クラウドPBXはインターネット回線を利用しているため、複数拠点を持つ企業でも内線通話が可能です。拠点間の通話に追加料金がかからず、電話回線を個別に契約する必要もないため、ランニングコストを大幅に抑えられます。
例えば、クラウドPBX機能を搭載したCTIシステム「Voiper Dial」では、通話録音やリアルタイムモニタリングなど、コールセンター業務にも役立つ多彩な機能が利用可能です。初期費用は1ブースあたり10,000円(税別)、月額費用も同額と、導入しやすい料金設定になっています。
クラウドPBXを活用すれば、固定電話トラブル時の代替手段としてだけでなく、日常的な通信コスト削減や業務効率化にもつなげられます。
デメリット:音質低下の可能性がある
クラウドPBXのデメリットとして挙げられるのが、通話音質がインターネット回線の品質に左右される点です。回線が不安定な環境では、音声が途切れたり遅延が発生したりし、スムーズな通話ができなくなる恐れがあります。こうした状況は、顧客対応や営業活動などの業務に支障をきたす可能性があります。
このリスクを軽減するために、AliveLineでは「光ファイバー回線」の利用を推奨しています。光回線は安定性が高く、帯域幅が大きいため、クラウドPBXの利用に適した環境を整えることができます。高品質な回線を確保できていれば、通話音質の低下リスクは非常に低く抑えられます。
また、クラウドPBXを導入する際には、以下の点を事前に確認すると安心です。
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回線速度(上り・下り)の安定性を測定しておく
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同時接続数が多い場合に音質が影響を受けないかをテストする
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予備の通信手段(モバイル回線など)を用意しておく
固定電話が繋がらない場合は「Voiper Dial」

固定電話が繋がらない状況は、企業にとって顧客との連絡手段を断たれる深刻な問題です。受注の遅れや問い合わせ対応の停止など、業務全体に支障をきたし、売上機会を逃す可能性もあります。
こうしたリスクを回避する手段として有効なのが「クラウドPBX」です。クラウドPBXを導入すれば、固定電話の代替手段としてすぐに利用できるだけでなく、長期的には電話機の購入や拠点間通話費用が不要になり、通信コストの削減にもつながります。
CTIシステム「Voiper Dial」は、クラウドPBX機能に加えて通話録音やリアルタイムモニタリングなどの機能を備え、電話業務を最適化できるツールです。Alive Lineと組み合わせて利用することで、コスト削減だけでなく、業務効率化や利益の最大化にも貢献します。
固定電話のトラブルによる損失が発生する前に、クラウドPBXへの切り替えを検討してみることをおすすめします。
