電話回線の新規契約で安いのはどれ?アナログ・デジタル・IP電話で解説

オフィスの新設や事業拡大に伴い、ビジネスに不可欠な電話回線の新規契約を検討されている法人担当者もいるのではないでしょうか。
アナログ回線、デジタル回線(ISDN)、IP電話といった選択肢の中から、自社に最適な回線を選ぶのは簡単なことではありません。「電話回線の種類が多くて違いが分からない」「できるだけコストを抑えたい」「機能も重視したい」といった悩みをお持ちの事業者も多いでしょう。
そこでこの記事では、各回線の特徴、初期費用や月額料金、メリット・デメリットなど、法人が新規で電話回線を契約する際に必要な知識を網羅的に解説していきます。
法人が新規で契約できる電話回線の種類

法人が新規契約できる主な電話回線は「アナログ回線」「デジタル回線(ISDN)」「IP電話」の3つに分けられます。それぞれの基本的な特徴を理解していきましょう。
アナログ回線
アナログ回線は、銅線(メタル線)を使って音声信号をそのまま送受信する、昔から利用されている電話回線です。一般的には「加入電話」と呼ばれています。構造がシンプルであるため、比較的安定した通話品質を持つという特徴があります。
デジタル回線(ISDN)
デジタル回線は、音声信号をデジタルデータに変換してから送受信する回線です。NTTの「INSネット」が代表的なサービスで、1本の回線で同時に2つの通話ができるなどの特徴がありました。
ただし、この回線の主要サービスであった「ディジタル通信モード」は2024年1月をもってサービス提供が終了しました。また、「INSネット64」「INSネット64・ライト」「INSネット1500」(総合ディジタル通信サービス)も、2024年8月31日(土)に新規販売を終了し、2028年12月31日(日)をもってサービス提供を終了することがアナウンスされています。
そのため、現在新規でこの回線を契約するメリットはほとんどない状況です。
出典:INSネットをご利用の事業者さまへ|固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行|Web116.jp|NTT東日本
IP電話
IP電話は、インターネットプロトコル(IP)技術を利用して、インターネット網を経由して音声通話を行う電話サービスです。「ひかり電話」や「050番号」などがこれに分類されます。低コストで多様な機能を利用できる点が大きな魅力となっています。
例えば、アライブネットが提供する「AliveLine」もこのIP電話の一種であり、ビジネスに必要な電話機能を柔軟かつ低コストで提供しています。
アナログ回線を新規契約する際の費用・料金
昔から使われているアナログ回線ですが、新規で契約する場合にはどのような費用が発生するのでしょうか。
アナログ回線を契約する際には、契約時に「施設設置負担金(いわゆる電話加入権)」の支払いが必要となる「加入電話」プランと、この負担金が不要な代わりに月額基本料が少し高めに設定されている「加入電話・ライトプラン」の2種類があります。
アナログ回線を新規契約する際の初期費用
アナログ回線を新規で契約する場合、主に以下の初期費用が発生します。
1.施設設置負担金(加入電話プランの場合のみ):39,600円(税込)が必要です。ライトプランでは不要です。
2.契約料:880円(税込)がプランに関わらず必要です。
3.工事費:回線工事の実費がかかります。通常は数千円からですが、状況により変動します。
したがって、加入電話プランでは約4万円+工事費、ライトプランでは約1000円+工事費が初期費用の目安となります。
アナログ回線を利用するための月額費用(基本料金)
アナログ回線の月額費用は、主に「基本料金」と「通話料」で構成されます。
○基本料金(事務用):加入電話プランで月額2,530円(税込)~、ライトプランで月額2,805円(税込)~が目安です(取扱所により異なります)。
○通話料:通話時間や相手先(市内、市外、携帯電話など)に応じて別途課金されます。
アナログ回線を新規契約するメリット
アナログ回線を新規で契約する主なメリットは以下の点が挙げられます。
1.停電時でも利用可能:電話機自体が電源を必要としないタイプ(黒電話など)であれば、電話局からの給電により停電時でも通話できる場合があります。(ただし、利用環境や接続機器によります)
2.通信品質が比較的安定:インターネット回線の状況に左右されにくく、音声が安定しやすい傾向があります。
3.FAXとの親和性が高い:従来型のG3規格のFAXを利用する場合、最も安定して送受信できます。
アナログ回線を新規契約する注意点やデメリット
一方で、アナログ回線の新規契約には注意すべき点やデメリットも存在します。
1.コストが割高:加入電話プランでは初期費用が高額になり、月額基本料金や通話料も他の回線種別と比較して高めに設定されています。
2.基本的に1回線で1通話:同時に複数の通話や通信を行うことができません。
3.PSTN網のIP網移行:NTT東西は、従来の固定電話網(PSTN)をIP網へ段階的に移行させています(2024年1月開始)。これにより、一部サービスの提供終了や料金体系の変更(全国一律料金への移行など)が行われています。
4.機能拡張性が低い:IVR(自動音声応答)や高度な転送機能などを利用したい場合、別途高価なPBX(構内交換機)の導入が必要になるケースが多く、コストがかさむ傾向にあります。
デジタル回線を新規契約する際の費用・料金

かつてアナログ回線より高機能なサービスとして利用されたデジタル回線(ISDN)、その代表格であるNTTの「INSネット」は、1回線で2チャネル(同時通話)利用可能などのメリットがありました。
しかし、INSネットの主要サービスであった「ディジタル通信モード」は、2024年1月をもってサービス提供が終了しました。 これにより、かつてこのモードが利用されていたEDI(電子データ交換)やPOSシステム、企業の警備システムなどでの新規利用はできなくなりました。
現在も「通話モード」は利用可能ですが、NTT自身もIP電話サービスへの移行を推奨しており、コスト面、機能面、将来性を考慮すると、これから新規でINSネット(通話モード)を選択する積極的な理由は見当たりません。
したがって、法人が電話回線を新規契約する場合、デジタル回線(ISDN)は実質的に選択肢から外れると考えてよいでしょう。 ビジネス用途で複数チャネルや高機能な電話環境を求めるのであれば、次に説明するIP電話のほうが、より大きなメリットが期待できる選択肢になると思います。
IP電話を新規契約する際の費用・料金
IP電話は、インターネットプロトコル(IP)技術を利用し、インターネット網を経由して通話する電話サービスです。「ひかり電話」のような固定通信事業者が提供するものや、「050」番号など、様々な形態があります。低コストで利用開始でき、従来の電話回線に比べて通話料が安価になる傾向があるのが大きな魅力です。
IP電話を新規契約する際の初期費用
IP電話の初期費用は、利用するサービスや導入形態によって大きく異なります。
NTTひかり電話などの場合
光回線の新規契約やプラン変更に伴う工事費が必要になります。すでにフレッツ光などを利用中の場合は、数千円程度の追加工事費で済むことが多いです。また、ひかり電話対応ルーターが必要となり、レンタルまたは購入します。
IP電話回線の場合(例:アライブネット「AliveLine」)
「AliveLine」のようなIP電話回線自体の初期費用は比較的安価な場合がありますが、このサービスだけでは内線通話や転送などのPBX機能は利用できません。これらの機能を利用するには、別途、既存のPBXに接続するか、アライブネットのクラウドCTI「Voiper」のようなPBX機能を持つサービスを契約し、連携させる必要があります。そのため、PBXやCTI側の初期費用も考慮する必要があります。
クラウドPBXの場合
クラウドPBXサービスは、PBX機能がサービスに含まれているため、物理的なPBX機器の購入や設置が不要です。サービス導入時の初期設定費用はかかりますが、従来のビジネスフォンシステム導入に比べて初期費用を大幅に抑えられる傾向があります。電話機はIP電話機やスマホアプリ、PCソフトフォンを利用します。
IP電話を利用するための月額費用(基本料金)
IP電話の月額費用もサービスによって様々です。
○NTTひかり電話などの場合:月額550円(税込)からの基本料金プランがあります。これに通話料が加わります。固定電話へは全国一律料金(例:3分8.8円税込)、携帯電話へも比較的安価な料金設定になっています。
○IP電話回線の場合:回線利用料として月額料金がかかります。費用はサービスによって異なりますが、利用チャネル数に応じた料金設定になっており、低価格な通話料(秒課金など)である場合が多いです。
○クラウドPBXの場合:ユーザー数や利用機能に応じた月額料金体系が一般的。PBX機能の利用料が含まれており、内線通話無料、外線通話料も安価な場合が多いです。
どのサービスを選ぶかは、必要な機能(PBX機能の要否)とコスト(回線費用+PBX/CTI費用 or クラウドPBX費用)を総合的に比較検討することが重要です。
IP電話を新規契約するメリット
IP電話、特にクラウドPBXを導入するメリットは多岐にわたります。
1. 通話コスト削減:多くのIP電話サービスは、従来の電話回線より基本料金や通話料が安価です。特にアライブネットの「AliveLine」のようなIP電話サービスは、通話料削減効果が大きいのが特徴です。また、クラウドPBXでは拠点間・内線通話が無料になる場合も多いです。
2. 豊富なビジネスフォン機能:クラウドPBXや、「AliveLine」と「Voiper Dial」の組み合わせのような構成では、IVR、着信振り分け、全通話録音、内線、転送などの機能が利用でき、業務効率が向上します。
3. 場所を選ばない利用:インターネット環境があれば、スマホやPCで会社の電話番号が利用でき、テレワークや多拠点展開に対応しやすくなります。
4. 柔軟な拡張性:必要に応じて同時通話数(チャネル数)や利用者数を比較的容易に変更できます。
初期費用の抑制:物理的なPBXが不要なクラウドPBXは、初期導入コストを抑えられます。
メリットの多いIP電話ですが、注意すべき点もいくつかあります。
1. 停電時の利用不可:電力供給必須のため利用不可。UPS(無停電電源装置)等の対策検討。
2. インターネット環境への依存:通話品質が回線品質・速度・安定性に影響。音声途切れ・遅延の可能性。
3. 一部発信不可番号の存在可能性:フリーダイヤル、ナビダイヤル、緊急通報等(サービスによる。0ABJ型は緊急通報可が多い)。契約前の確認必須。
4. 番号ポータビリティの制限可能性:番号引き継ぎ可否は番号種別・事業者により異なる。事前確認が必要。
5. セキュリティ対策の必要性:不正アクセス・盗聴リスクへの対策。信頼できる事業者選択が重要(アライブネットはセキュリティ対策に注力)。
6. PBX機能が別途必要:「AliveLine」のようなIP電話サービス単体では、内線や転送などのPBX機能は利用できません。これらの機能が必要な場合は、別途PBXやCTIシステムの導入・契約が必要です。
通話コスト削減ならIP電話回線「AliveLine」がおすすめ!
ここまで解説してきたように、IP電話は現代のビジネスにおいてコスト削減や利便性向上に貢献します。
特に「とにかく通話コストを削減したい」というニーズに対しては、アライブネットのIP電話回線サービス「AliveLine」が有力な選択肢となります。
AliveLine単体の主なメリット
・通話料の大幅削減:高品質ながら低価格な通話料(秒課金など)を提供し、通信コスト圧縮に貢献します。
・既存PBXとの連携可能:現在利用中のPBX設備の外線としてAliveLineを接続し、通話料だけを削減することも可能です。
ただし、前述の通り、AliveLine単体では内線通話やIVR、転送といったPBX機能は利用できません。
もし、これらのPBX機能や、より高度な電話応対機能(全通話録音、稼働モニタリング、CRM連携など)が必要な場合は、AliveLineとアライブネットのクラウドCTI「Voiper Dial」を組み合わせて導入することをお勧めします。
AliveLine + Voiper の組み合わせによるメリット
・低コストな通話料(AliveLine)と豊富な電話機能(Voiper Dial)の両立:通話コストを抑えつつ、本格的なコールセンターシステムとしても活用できる環境を構築できます。
・場所を選ばない働き方を支援:Voiper DialによりスマホやPCを内線化でき、テレワーク等にも柔軟に対応します。
・柔軟な拡張性と安心のサポート:事業規模の変化に合わせた拡張や、アライブネットによる一貫したサポートが受けられます。
オフィスの電話環境を新規に構築・見直しされる際には、まず「PBX機能が必要か、不要か」を明確にし、必要であればどのレベルの機能が求められるかを検討することが重要です。その上で、通話コスト削減を重視するなら「AliveLine」、PBX機能も合わせてクラウド化したいなら「AliveLine + Voiper Dial」や他のクラウドPBXサービスを比較検討するとよいでしょう。
アライブネットの「AliveLine」について詳しくは、以下をご覧ください。
電話回線ごとの特徴を理解したうえで新規契約しよう
ここまで、法人が新規で契約できる電話回線として、アナログ回線、デジタル回線(ISDN)、IP電話について解説してきました。
アナログ回線は、停電時の利用可能性といったメリットがある一方で、コストが高く機能拡張性に乏しいという側面があります。デジタル回線(ISDN)は、主要サービスの終了に伴い、新規導入のメリットはほぼ失われました。
これに対しIP電話は、コスト削減や利便性の面で優れていると言えるでしょう。
特に通話料削減を最優先するなら「AliveLine」のようなIP電話サービスが適していますが、内線や転送などのPBX機能が必要な場合は、クラウドPBXサービスや、「Voiper Dial」のようなCTIシステムとの組み合わせを検討する必要があります。
どの電話回線を新規に契約するかは、自社の業務内容、従業員数、予算、将来の事業計画などを総合的に考慮して決定することが重要です。
通話コスト削減と機能性を両立したいなら「AliveLine + Voiper Dial」
もしも、電話回線の新規契約・見直しにあたって、
・初期費用を抑えたい
・月々の通話コストを大幅に削減したい
・テレワークに対応できる電話環境を整備したい
・IVR(自動音声応答)や全通話録音などのビジネスフォン機能・CTI機能を使いたい
といった複合的なご要望をお持ちであれば、アライブネットのIP電話回線「AliveLine」とクラウドCTI「Voiper Dial」の組み合わせが有力なソリューションとなる可能性があります。
この組み合わせにより、AliveLineによる通話料削減メリットを享受しつつ、Voiper Dialが提供する豊富なPBX/CTI機能(スマホ内線化、IVR、録音、モニタリング等)を利用でき、業務効率の向上と多様な働き方の実現をサポートします。
電話環境の選択は、ビジネスの生産性やコスト効率に直結する重要な判断です。ぜひ、自社のニーズに最適なサービスをご検討ください。
アライブネットの「AliveLine」および「Voiper Dial」について詳しくは、以下のページをご覧ください。
>>秒課金通話サービス AliveLine(アライブライン) | ALIVENET
>>クラウド型コンタクトセンターシステム | Voiper Dial
また、IP電話サービスの新規契約でお悩みの方は、アライブネットまでお気軽にお問い合わせください。