会社の固定電話への迷惑電話の登録方法!業務効率を上げる対策も解説
企業にとって、業務とは無関係な迷惑電話は、生産性を下げる大きな要因です。たかが電話一本と思いがちですが、その積み重ねは膨大な時間の損失となり、従業員のストレスも蓄積させてしまいます。
しかし、会社の固定電話であっても、適切な方法で迷惑電話を登録し、着信を拒否することは可能です。さらに、システムを活用すれば、対応そのものを自動化し、業務効率を劇的に向上させることも夢ではありません。
今回の記事では、オフィスにかかってくる迷惑電話の種類やリスク、固定電話で着信拒否する方法などを解説します。記事をお読みいただければ、自社に最適な対策が見つかり、静かで集中できるオフィス環境を取り戻せるようになるでしょう。
迷惑電話の登録機能とは?迷惑電話対策の重要性

迷惑電話の登録機能とは、特定の電話番号からの着信を拒否したり、警告を表示させたりする機能のことです。個人のスマートフォンでは一般的な機能ですが、オフィスの固定電話やビジネスフォンにおいても、同様の対策が可能です。
なぜ、企業において迷惑電話対策を行う必要があるのでしょうか。それは、迷惑電話が単なる「煩わしいもの」ではなく、企業の経営資源を奪う「阻害要因」だからです。
例えば、1日に10件の迷惑電話があり、1件あたり3分の対応時間を要したとします。これだけで毎日30分、月20日稼働で10時間もの業務時間が失われている計算になります。
また、近年では巧妙な手口で情報を聞き出そうとする悪質な電話も増えており、対策を怠ることは、業務効率の悪化だけでなく、セキュリティリスクを高めることにもつながるのです。迷惑電話を適切に登録し、ブロックすることは、企業を守り健全な労働環境を維持するために不可欠な取り組みといえます。
オフィスの固定電話にかかってくる迷惑電話の主な種類
一口に迷惑電話といっても、その目的や手口はさまざまです。適切な対策を講じるためには、まず相手の特徴を知ることが第一歩となります。オフィスにかかってくる主な迷惑電話の種類を、以下の表にまとめました。
| 種類 | 特徴と目的 |
|---|---|
| 営業・勧誘電話 | 不動産投資、先物取引、OA機器のリース、求人広告の掲載など、商品やサービスの売り込みを目的とする電話です。 |
| ワン切り電話 | ワンコールで切れる電話です。着信履歴を残し、折り返し電話をさせることを狙っています。 |
| 無言電話 | 電話に出ても誰も話さず、無言のまま切れる電話です。在宅確認や、使われている電話番号かどうかの確認(実在確認)が目的の場合があります。 |
| なりすまし・詐欺電話 | 取引先や公的機関、親会社などを装い、金銭を振り込ませたり、機密情報を聞き出そうとしたりする電話です。 |
| 悪質なクレーム | 商品やサービスに対する過度な要求や、従業員への暴言、執拗な謝罪要求などを繰り返す電話です(カスタマーハラスメント)。 |
このように、迷惑電話には単なる営業活動から犯罪につながるものまで、多種多様なタイプが存在します。それぞれの特徴を理解し、従業員に周知すれば、被害を未然に防ぐ意識を高められます。特に「+」から始まる国際電話番号からの着信は、詐欺の可能性が高いため、安易に応答しないよう注意しましょう。
迷惑電話を登録して得られる4つのメリット
迷惑電話を登録し、着信を拒否すれば、単に「電話が鳴らなくなる」だけでなく、組織全体のパフォーマンス向上やリスク管理にも貢献します。ここでは、迷惑電話対策によって得られる具体的な4つのメリットについて解説します。
メリット①業務に関係ない電話への対応が減り業務効率化する
最大のメリットは、業務の中断が減り、業務効率が大幅に向上することです。たとえ1件の対応時間が短くても、電話が鳴るたびに作業の手を止め、思考を中断されることは、目に見えない大きなロスといえます。
迷惑電話番号を登録し、着信自体をシャットアウトできれば、電話が鳴る回数そのものを減らすことが可能です。従業員は本来の業務に集中できる時間を確保でき、生産性が高まるでしょう。
メリット②従業員のストレス軽減につながる
迷惑電話への対応は、従業員にとって大きな精神的ストレスの要因です。
興味のない商品の売り込みを断るのは気を使いますし、なかには断った途端に態度を急変させ、暴言を吐くような悪質な業者もいるのが実情です。また、担当者個人を攻撃するような執拗なクレーム電話も、心に深い傷を残しかねません。
「また変な電話がかかってくるのではないか」といった不安を抱えながら仕事をすることは、従業員のモチベーションを低下させてしまいます。
迷惑電話をシステム的に拒否すれば、従業員をこうした精神的な攻撃から守ることが可能です。安心して電話に出られる環境を整えることは、職場環境の改善につながり、結果として従業員満足度の向上や離職率の低下にも寄与します。
メリット③情報漏洩を防げる
迷惑電話の中には、営業や詐欺だけでなく、企業の内部情報を盗み出すことを目的とした「ソーシャルエンジニアリング」と呼ばれる手口も存在します。
例えば、取引先を装って「担当者の携帯番号を教えてほしい」「緊急で組織図を確認したい」などと言葉巧みに情報を聞き出そうとするケースです。電話対応に慣れていない従業員などが、うっかり情報を漏らしてしまうリスクはゼロではありません。
迷惑電話対策を行い、不審な電話を入り口でブロックすることは、こうした情報漏洩のリスクを減らす防波堤となります。
また、着信時に相手の電話番号や発信元が表示される機能を活用すれば、電話に出る前に相手を識別でき、不審な相手に対して警戒心を持って対応できるようになるでしょう。
メリット④機会損失を防げる
迷惑電話に対応している間は、電話回線がふさがってしまいます。もしその間に、顧客や取引先からの重要な電話がかかってきていたらどうなるでしょうか。
「話し中」でつながらない状況が続けば、顧客は不満を感じ、競合他社へ流れてしまうかもしれません。これは明らかな機会損失(チャンスロス)です。特に、回線数が少ない小規模なオフィスでは、1本の迷惑電話が命取りになることもあります。
迷惑電話を拒否し、回線を常にクリアな状態にしておけば、本当に必要な電話を確実に取り次ぐことが可能です。顧客からの問い合わせや注文を逃さずキャッチできる体制を作ることは、売上の維持・拡大に直結する重要なポイントといえます。
オフィスの固定電話で迷惑電話を登録・拒否する4つの方法
それでは、実際にオフィスの固定電話で迷惑電話を登録・拒否するには、どのような方法があるのでしょうか。導入のしやすさやコスト、効果の高さに応じて、大きく4つの方法があります。自社の環境や予算に合わせて、最適な方法を選択してください。
方法①ビジネスフォン本体の着信拒否機能で登録する
現在オフィスで使用しているビジネスフォン(多機能電話機)本体に、着信拒否機能(迷惑電話登録機能)が搭載されている場合があります。これを利用すれば、追加コストをかけずに対策が可能です。
一般的な設定方法は、着信履歴から迷惑電話の番号を選択し、「着信拒否」や「迷惑電話登録」といったメニューを選んで登録します。登録された番号から電話がかかってくると、着信音を鳴らさずに切断したり、「この電話はおつなぎできません」といったメッセージを流したりする仕組みです。
ただし、ビジネスフォン本体に登録できる件数には上限があり、それを超えると古いものから削除するか、新たに追加できなくなります。次々と番号を変えてかけてくる業者には対応しきれない場合が多いのが難点といえるでしょう。
方法②通信事業者の迷惑電話対策サービスを利用する
NTT東日本・西日本などの通信事業者が提供している、迷惑電話対策のオプションサービスを利用する方法です。「迷惑電話おことわりサービス」などの名称で提供されています。
このサービスでは、迷惑電話を受けた直後に「144」をダイヤルすることで、直前の通話相手を拒否リストに登録できます。以降、その番号からかかってくると、自動音声で「お断り」のメッセージが流れ、電話機は鳴りません。
電話機自体を買い替える必要がなく、手軽に導入できる点がメリットです。しかし、こちらも登録件数に上限(最大30件程度)がある場合が多く、月額利用料が回線ごとに発生するため、回線数が多い企業ではコストがかさむ可能性があります。また、一度電話を受けてからでないと登録できないため、最初の1回は対応しなければならないという課題も残ります。
方法③IVR(自動音声応答)で一次対応を自動化する
特定の番号を「拒否」するのではなく、すべての着信に対して自動音声で応答し、用件に応じて振り分ける「IVR」を導入する方法です。着信時に「お電話ありがとうございます。〇〇に関するお問い合わせは1番を、△△の方は2番を押してください」といったガイダンスを流します。
この方法の最大の効果は、機械による自動発信(ロボコール)を行っている迷惑電話をシャットアウトできる点です。ロボコールは番号入力の操作ができないため、オペレーターにつなぐ前に自動的に切断されます。
また、人間がかけてくる営業電話であっても、音声ガイダンスが流れた時点で「面倒だ」と感じて切断するケースもあり、オペレーターが直接対応する件数を大幅に減らせます。
IVRの仕組みやメリットについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
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方法④CTIシステムの導入で効率的に管理・拒否する
最も効果的かつ効率的に迷惑電話対策を行うなら、CTIシステムの導入がおすすめです。CTIシステムとは、電話とコンピューターを連携させるシステムのことです。PCの画面上で着信履歴の管理や電話操作が可能になります。
CTIシステムを使えば、迷惑電話の着信拒否リストをPCから簡単に登録・管理できます。また、登録した情報は全社でリアルタイムに共有されるため、一度登録すれば他の従業員もその番号からの電話に悩まされることはありません。
さらに、前述のIVR機能や、通話録音機能などを標準で備えているシステムも多く、迷惑電話対策だけでなく、電話業務全体の効率化を一気に進められます。
CTIシステムの詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
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悪質な迷惑電話には「通話録音」での自衛も有効

迷惑電話の中には、単なる営業だけでなく、詐欺まがいの勧誘や、脅迫めいた言動で担当者を怖がらせる悪質なものも存在します。特に、女性の担当者を狙ったセクシャルハラスメント電話なども深刻な問題です。
こうした悪質な電話に対しては、着信拒否だけでなく「通話録音」による自衛策を講じることが有効です。通話内容を録音しておけば、万が一トラブルに発展した際に、言った言わないの水掛け論を防ぎ、確実な証拠として警察や弁護士に提出できます。
また、通話開始時に「この通話は品質向上のため録音されています」というアナウンスを流すだけでも、悪質な業者に対する強力な抑止力となります。やましい目的がある相手は、証拠が残ることを嫌うため、録音アナウンスを聞いた時点で電話を切ることが多いからです。従業員を守るためにも、通話録音環境を整備することは、企業のリスク管理として必須といえるでしょう。
通話録音の具体的な方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
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もしも迷惑電話を取ってしまった際の対処法
もしも迷惑電話を受けてしまった場合は、落ち着いて対処することが大切です。まず、不審な電話番号や、相手が名乗らない場合は、うかつに返答せず慎重に対応します。相手が一方的に話し始めても、あわてて相槌を打ったり、こちらの情報を話したりしてはいけません。
特に、「担当者の名前を教えてほしい」「社長はいるか」など、個人情報や組織情報を聞き出そうとする質問には警戒が必要です。「社内規定によりお答えできません」と毅然と断るか、「用件をメールで送ってください」と伝えて電話を切るのが安全です。
もし、相手の話に乗せられて「結構です」「いいです」などと曖昧な返事をしてしまうと、契約を承諾したとみなされるトラブルに発展する恐れがあります。「必要ありません」「お断りします」とはっきり拒絶の意思を示すことが法的な防衛策になります。
また、一度受けて明らかに迷惑電話だった場合は、すぐにその番号を着信拒否リストに登録し、社内で情報を共有することも重要です。周知を徹底すれば、他の従業員が同じ被害に遭うのを防げます。
迷惑電話の登録や根本的改善は「アライブネット」にお任せください!
迷惑電話への対応は、百害あって一利なしの無駄な業務です。手動での着信拒否登録や、個人の対応スキルに頼るのではなく、システムによる仕組み化で根本的に解決することをおすすめします。アライブネットでは、迷惑電話対策と業務効率化を同時に実現するサービスを提供しています。
クラウド型CTIシステム「Voiper Dial」で迷惑電話をシステムで一元管理
アライブネットのクラウド型CTIシステム「Voiper Dial」は、高度な迷惑電話対策機能を備えています。
管理画面から簡単に着信拒否番号を登録でき、全社でリストを共有可能です。また、IVR(自動音声応答)機能を標準搭載しているため、迷惑電話を水際でブロックできます。
さらに、全通話録音機能により、悪質な電話の証拠保全も自動で行われます。SalesforceなどのCRM(顧客管理システム)との連携を行えば、着信時に顧客情報をポップアップ表示させることができ、登録されていない番号(=迷惑電話の可能性がある番号)を一目で判別することも可能です。
【Voiper Dial基本料金】
- 初期費用:11,000円/ブース
- 月額費用:11,000円/ブース
※最低利用5ブースからになります。
高品質IP電話「Alive Line」でコスト削減も同時に実現
「迷惑電話対策のために新しいシステムを入れたいけれど、コストが気になる」という企業様も多いことでしょう。そのような場合は、固定電話サービス自体の見直しが有効です。アライブネットのIP電話サービス「Alive Line」は、業界最安級の通話料を提供しています。
例えば、短い通話が多い場合は、秒課金プランなどを活用することで、現在の通話コストを大幅に削減できる可能性があります。削減できたコストを原資として、Voiper DialのようなCTIシステムを導入すれば、実質的な負担を抑えつつ、迷惑電話対策と業務効率化を同時に実現可能です。
【Alive Line基本料金】
- 秒課金 固定電話:0.06円~
- 秒課金 携帯電話:0.25円~
- 分課金 固定電話:7円~
- 分課金 携帯電話:13円~
- チャネル利用料:1,200円/1チャネル
迷惑電話のない、快適で生産性の高いオフィス環境を作りたいとお考えの担当者様は、ぜひ一度アライブネットにご相談ください。
