営業電話の話し始めが変わる!アポ率UPのコツとトークスクリプト
「営業電話をかけても、最初の数秒で『結構です』と切られてしまう」
「話し始めで何を言えばいいのかわからず、緊張して噛んでしまう」
このようなお悩みを抱えていませんか。
営業電話において、成約やアポイント獲得の最大の壁は「話し始め」にあります。
どれほど素晴らしい商品を持っていても、話を聞いてもらえなければ提案すらできません。しかし、冒頭の数秒で相手の警戒心を解き、「少しなら聞いてもいい」と思わせることができれば、アポイント率は劇的に向上します。
本記事では、アポ率を左右する「話し始め」の重要性と、電話を切らせないためのトークスクリプト、実践的なコツを解説します。明日からのテレアポ業務で自信を持って話し始められるようになり、成果につながるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。
なぜ営業電話は「話し始め」が重要なのか

営業電話において、なぜこれほどまでに「話し始め」が重視されるのでしょうか。その理由は、電話を受けた相手が「自分にとって必要か、不要か」を判断する時間は、わずか数秒だからです。
受け手は、第一声やトーン、名乗りを聞いただけで、無意識のうちに相手を判断します。「売り込みだ」と認識されれば即座に警戒され、どれだけ有益な話をしようとしても耳に入らなくなってしまいます。
テレアポのゴールはアポイントの獲得ですが、その手前にある「話を聞く態勢」を作れなければ、決してゴールにはたどり着けません。
話し始めの10秒間は、商品のアピールをする場ではなく、警戒心を解いて信頼関係を築く「アイスブレイク」の時間と捉えるべきでしょう。このわずかな時間で「怪しくない」「メリットがありそうだ」という印象を与えられれば、その後の会話はスムーズに進み、アポイントにつながる確率は格段に高まります。
つまり、営業電話の成果は、トークの中身以前に、話し始めのアプローチでほぼ決まってしまうといっても過言ではないのです。
アポ率を下げる営業電話の「話し始め」NG例
成果を出したいと願うなら、まずは「やってはいけない話し始め」を理解する必要があります。無意識のうちに、相手に不快感を与えたり、警戒心を強めたりするような話し方をしていないでしょうか。
ここでは、多くのアポインターが陥りがちな代表的なNG例を3つ紹介します。もしこれらを使っている場合は、すぐに改善が必要です。
NG例①「お世話になっております」で始める
ビジネスの場では一般的な挨拶ですが、新規の営業電話における第一声としては不適切です。なぜなら、初めて電話をかける相手に対してこの言葉を使うのは、事実と異なるからです。
電話を受けた相手は一瞬、「既存の取引先だろうか?」と考えます。しかし、その後の用件を聞いて「なんだ、新規営業か」と気づいたとき、軽い「裏切られた感覚」を抱きます。「取引先を装っている」という不誠実な印象を与え、話を聞く気を失わせてしまうのです。
最初の挨拶でごまかそうとしていると感じさせては、信頼関係の構築など望めません。新規開拓なら、「突然のお電話失礼いたします」や「初めてお電話差し上げます」といった、正直かつ礼儀正しい挨拶から入るのがマナーであり、誠実さを伝える第一歩です。
NG例②「〇〇のご案内で〜」といきなり用件を話す
電話がつながった直後に、「私、株式会社〇〇の△△です。本日は、新しい人事管理システムのご案内で〜」といきなり用件を切り出すのもNGです。早く用件を伝えたい気持ちはわかりますが、受け手からすれば「一方的な売り込みが始まった」としか感じられません。
仕事中に準備もなく商品の話をされても、「忙しいのに迷惑だ」と判断され、「結構です」と即座に断られるのが関の山です。人は誰しも「売り込まれる」ことを嫌います。
営業電話の話し始めで伝えるべきは、「何を売りたいか」ではなく、「相手にとってどんないいことがあるか(ベネフィット)」です。主語を「自社の商品」から「相手の課題や利益」へ変えなければ、受話器を置かれる確率は高まるばかりです。
主語を「自社の商品」にするのではなく、「相手の課題や利益」に置いた話し方をしなければ、受話器を置かれる確率を高めるだけになってしまいます。
NG例③「今5分ほどお時間よろしいでしょうか?」と許可を求める
相手への配慮として使いがちな「今、少しお時間よろしいでしょうか?」という言葉も、実は営業電話のアポ率を下げる要因になります。この質問は、相手に「断る権利」と「断る理由」を自ら与えてしまっているからです。
営業電話だとわかった瞬間に時間を聞かれれば、多くの人は反射的に「いいえ、忙しいので」と答えます。それが最も簡単で、角が立たない断り文句だからです。また、「5分」という時間提示も「そんなに長く聞かされるのか」と警戒されかねません。
もちろん相手の時間を尊重する姿勢は必要ですが、営業電話の冒頭で安易に許可を求めるのは得策ではありません。
まずは短いフレーズで興味を惹きつけ、「話を聞く価値がある」と思ってもらってから許可を得る順序が鉄則です。
相手の警戒心を解く「話し始め」のトークスクリプト3選
NG例を理解したところで、次は営業電話の実践で使える効果的なトークスクリプトを紹介します。相手の警戒心を解き、興味を持ってもらうアプローチはいくつかありますが、ここでは特に有効な3つのパターンを解説します。
自社の商材やターゲット層に合わせて、最適なものをアレンジして活用してください。
スクリプト①相手のメリットを簡潔に提示する
営業電話において最も王道かつ効果的なのは、第一声で相手が得られるメリット(ベネフィット)を提示する方法です。「何のご案内か」ではなく、「どんな良いことがあるか」を伝えます。
| パターン | トーク例 |
|---|---|
| コスト削減 | 「本日は、御社の採用コストを現在の約30%削減できる可能性のある、新しい採用手法について情報提供のお電話をいたしました。」 |
| 売上アップ | 「御社と同業界の企業様で、導入後3ヶ月で売上が1.5倍になった集客改善の事例をご紹介したく、ご連絡いたしました。」 |
| 業務効率化 | 「経理担当者様の残業時間を月平均10時間削減できる、クラウドシステムの活用事例について、3分ほどでお伝えしたくお電話いたしました。」 |
ポイントは、数字を用いて具体的に示すことです。
「コストが下がります」よりも「30%削減」の方が、相手の脳内に具体的なイメージが湧きやすく、興味を引くフックとなります。また、最後に「情報提供」や「事例紹介」と付け加えることで、売り込み色を薄め、心理的なハードルを下げられるでしょう。
スクリプト②相手への共感や関連性で気持ちをつかむ
事前にWebサイトやプレスリリースなどをリサーチし、「あなたに電話をした理由」を明確にするアプローチです。
無差別に営業電話をかけているのではなく、「御社だからこそ連絡した」という特別感を演出します。
【トーク例】
「突然のお電話失礼いたします。株式会社〇〇の△△と申します。御社のWebサイトを拝見し、現在〇〇事業の拡大に注力されているとお見受けしました。実は私ども、まさにその領域での集客支援を得意としておりまして、御社の新しい取り組みのお役にも立てるのではないかと思い、ご連絡させていただきました。」
このように、相手の現状や課題に寄り添う姿勢を見せることで、「自分のことを理解してくれている」と好印象を与えられます。
関連性の高い話題から入るため、門前払いされにくく、決裁者などのキーマンに取り次いでもらえる可能性も高まるはずです。
スクリプト③あえて「営業電話らしくない」話し方で意表を突く
心理学の「パターン・インタラプト」と呼ばれるテクニックを活用した方法です。
相手は電話に出た瞬間、「元気よく、早口でまくし立てる営業マン」を想像して身構えています。その予想を裏切ることで注意を引きつけ、話を聞く態勢を作らせます。
【トーク例】
「……(一呼吸おいて、ゆっくりと落ち着いたトーンで)もしもし、お忙しいところ恐れ入ります。わたくし、株式会社〇〇の△△と申します。……突然のお電話で大変失礼とは存じますが、本日は御社の〇〇について、どうしてもお伝えしたいことがあり、お電話いたしました。」
あえて少し沈黙を入れたり、トーンを落としてゆっくり話したりすることで、相手は「あれ?いつもの営業電話とは違うな」「何か重要な話だろうか」と感じます。
この違和感が興味につながり、最初の数秒での「ガチャ切り」を回避する効果があります。ただし、演技が過ぎると不審がられるため、あくまで誠実さを保ちつつ行うのがポイントです。
営業電話の「話し始め」を成功させるための3つのコツ

優れたスクリプトを用意しても、それをただ読み上げるだけではアポイントは取れません。
話し始めを成功させ、その後の会話につなげるためには、話し方や心理的な駆け引きといった「コツ」を押さえる必要があります。
ここでは、すぐに実践できる3つのテクニックを紹介します。なお、営業電話の基本的なかけ方については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
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コツ①声のトーンは「ド」ではなく「ソ」の音を意識する
電話越しの第一印象は、その「声」で決まります。暗く低い声やボソボソとした話し方は、相手に「自信がなさそう」といったネガティブな印象を与え、即座に拒絶される原因になりかねません。
営業電話において意識すべきは、普段の話し声よりもワントーン高い「ソ」の音です。ドレミファソラシドの「ソ」の高さで話すと、明るく通りが良い声になります。明るい声は、「自信がある」「感じが良い」というポジティブな印象を相手に与えることができるでしょう。
ただし、高ければ高いほど良いわけではありません。高すぎると耳障りになり、「頼りない」と思われたり、あからさまな「営業ボイス」として警戒されたりするため注意が必要です。落ち着きと明るさを兼ね備えたトーンで、ハキハキと話すことを心がけてください。
コツ②一方的に話さず短い質問を挟む
スクリプトの導入部を過ぎたら、一方的に喋り続けないことがカギとなります。こちらの言いたいことを伝えようとして長時間話し続けると、相手は聞くのに疲れてしまい、「もういいです」と電話を切りたくなってしまうからです。
会話の主導権を握りつつも、相手を参加させるために、短い質問(マイクロ・クエスチョン)を挟んでみてください。
【トーク例】
「〜という課題をお持ちの企業様が多いのですが、御社ではいかがでしょうか?」
「〜という事例があるのですが、ご存じでしたでしょうか?」
このように、「はい」か「いいえ」、あるいは一言で答えられる簡単な質問を投げかけます。相手が口を開くことで会話のキャッチボールが成立し、「一方的に聞かされている」という感覚が薄れます。
相手が答えてくれたら、「そうですよね」と共感を示し、徐々に会話のリズムを作っていきましょう。
コツ③本題ではなく「5分で終わる面談」をゴールにする
営業電話の話し始めの段階で、いきなり「30分の商談」を提案するのはハードルが高すぎます。相手はまだ商品に興味を持っていない段階のため、長い時間を拘束されることを嫌がるのは当然です。営業電話のコツは、アポイントの心理的ハードルを徹底的に下げることにあります。
【トーク例】
「詳しいご説明はまた改めてさせていただければと思いますが、まずはご挨拶がてら、オンラインで5分ほど情報交換のお時間をいただけないでしょうか?」
このように、「短時間で終わる」「挨拶程度」という点を強調しましょう。まずは「5分ならいいか」と小さな要求から承諾を得ることで、アポイントを獲得しやすくなります。一度つながりさえすれば、そこから関係を深めていくことは可能です。
営業電話におけるアポ率UPのためのトレーニング
営業電話において、話し始めの技術は、一朝一夕で身につくものではありません。日々の業務の中で意識的にトレーニングを行うことで、徐々に上達していきます。
ここでは、チーム全体で取り組める効果的なトレーニング方法を3つ紹介します。
トレーニング①ロールプレイングの実施
最も基本的かつ効果的な練習法が、同僚や上司とのロールプレイング(ロープレ)です。
実際の営業電話を想定し、お客様役とアポインター役に分かれて模擬練習を行います。
このとき、ただ漫然と行うのではなく、受付突破や切り返しなど具体的なシチュエーションを設定し、スクリプトを見ずに話せるレベルまで反復練習を重ねてください。
ロープレの最大のメリットは、客観的なフィードバックをもらえる点にあります。
「早口になっている」「間が怖いのか焦っている」といった、自分では気づかない癖を指摘してもらうことで、修正が可能になります。また、自分のトークを録音して聞き直し、客観的に声をチェックするのもおすすめです。
トレーニング②アポ率の高い担当者を参考にする
社内にアポ率の高い優秀な担当者がいるなら、その人のトークを徹底的に真似るのが上達の近道です。
- どんな言葉を選んでいるか(話し始めのフレーズ)
- 声のトーンや抑揚のつけ方
- 断られそうなときの切り返し方
- 間の取り方
これらを観察し、自分のトークに取り入れてみてください。可能であれば、その人の通話録音や実際の架電を聞かせてもらうことで、より多くの学びを得られるはずです。
成功している人のやり方には、必ず理由があります。自己流に固執せず、成果が出ているモデルを素直に取り入れる姿勢が成長につながります。
トレーニング③ツールの活用
個人のスキルアップだけでなく、ツールを活用して組織的にアポ率を向上させるアプローチも有効です。例えば、CTIシステム(電話とコンピューターを連携させるシステム)を導入すれば、架電業務の効率と質を同時に高められるでしょう。
CTIには通話の自動録音機能やNG分析機能などが搭載されています。アポが取れた通話と取れなかった通話を比較分析し、「どの言葉が良かったのか」「どこで関心を失ったのか」を検証してみてください。
精神論や感覚だけでなく、データとツールに基づいた改善サイクルを回すことが、アポ率アップのカギを握っています。CTIシステムについては以下の記事でも解説していますので、併せてご覧ください。
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これにより、相手の状況に合わせた最適な「話し始め」が可能になるでしょう。例えば、「以前資料をダウンロードいただいた件で」といった個別のアプローチが容易になり、受付突破率やアポ率の向上が期待できます。
また、全通話録音やNG分析機能を活用すれば、オペレーターごとの課題を可視化し、的確なフィードバックを行うことが可能です。感覚に頼らない、データに基づいたマネジメントを実現し、チーム全体の底上げに貢献できます。
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オペレーターの教育や研修には、どうしてもコストと時間がかかります。しかし、アライブネットのIP電話サービス「Alive Line」を導入すれば、そのための原資を創出することが可能です。
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【ご提供例】
| プラン | 秒課金プラン | 1分課金プラン |
|---|---|---|
| 固定電話通話料 | 0.06円〜 | 2.6円〜 |
| 携帯電話通話料 | 0.25円〜 | 12.5円〜 |
削減できたコストを研修費やシステム導入費、インセンティブなどに再投資することで、さらなるアポ率向上を目指す好循環を生み出せます。
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