営業電話のかけ方とは?例文で成功のコツも解説
新規顧客への営業電話では、話の切り出し方がわからず、すぐに断られてしまうと悩む方は少なくありません。
成果が出ない背景には、適切な事前準備や効果的なトークのコツを理解しないまま架電を繰り返していることが考えられます。ただ数を重ねても成約率は上がらず、成果を出すには準備とトークの工夫が欠かせません。
本記事では、新規顧客への営業電話で押さえておきたい事前準備や基本マナー、成果につながるポイントを、具体的なトーク例とともに解説します。
営業電話に必要な準備

営業電話で成果を出すには、事前準備が欠かせません。準備が不十分だと、相手に不信感を与えたり、会話がかみ合わず早く切られたりする原因になります。
ここでは、成果につながる営業電話を実現するために押さえておきたい事前準備のポイントを解説します。準備を整えておけば、会話がスムーズに進み、相手の関心も引きやすくなります。
準備①営業の目的を明確にする
新規顧客に営業電話をかける前に、目的を明確にしておくことが重要です。 目的があいまいなまま話し始めてしまうと、会話が不必要に長引いたり、相手に「何を伝えたいのか」が伝わらず、結果として印象を悪くしてしまう原因になります。
例えば、「アポイントを取りたいのか」「電話だけで成約までつなげたいのか」によって、話す内容やアプローチの仕方は大きく変わります。 目的が異なれば、強調すべきポイントや質問の流れも調整が必要です。
電話営業の目的は企業ごと、案件ごとに違うため、事前にゴールを明確に設定しておくことが成功の第一歩です。 目的を明確にすることで、無駄な会話を省き、相手にもわかりやすく、興味を持ってもらえる営業トークを展開できるようになります。
準備②架電リストを作成する
営業電話を成功させるには、質の高い営業リストを準備することが欠かせません。 リストがないまま無作為に電話をかけると、購買意欲の低い相手ばかりに時間を費やしてしまい、成果が出にくくなるだけでなく、オペレーターのモチベーション低下にもつながります。
効果的な営業リストを作成するには、「〇〇(地域)+〇〇(業種)」といったキーワードでGoogle検索を行う方法や、SNSを活用したリサーチ、過去に自社サイトを訪れた企業の洗い出しなどが有効です。これらの情報をもとに、見込み度の高い企業を抽出します。もしリストを作成する時間が確保できない場合は、専門のリサーチ会社から営業リストを購入する方法もあります。
ターゲットを明確に絞った営業リストを準備したうえで架電すれば、効率的に見込み顧客へアプローチでき、成約のチャンスを高められます。
準備③新規顧客のリサーチ
営業リストが整ったら、次に行うべきは新規顧客のリサーチです。架電前に、相手企業の事業内容や規模、組織構成、担当者の役職や役割をできる限り把握しておくことが大切です。
十分なリサーチをせずに電話をかけると、実情に合わない提案になりやすく、不信感を抱かれる恐れがあります。相手の課題やニーズを理解できず、魅力的な提案につなげられない可能性もあります。
事前情報を把握したうえで架電すれば、信頼を得やすくなり、会話もスムーズに進んで商談成立の可能性が高まります。
準備④トークスクリプトを作成する
営業電話では、あらかじめトークスクリプトを用意しておくと、会話の流れを整理でき、落ち着いて対応しやすくなります。トークスクリプトは、電話営業で使う会話の流れをまとめた「台本」のようなもので、営業をスムーズに進めるための重要なツールです。
スクリプトには、最初のあいさつや用件の伝え方、断られた際の切り返しなどを盛り込み、想定されるやり取りを事前に準備しておきましょう。
さらに複数のパターンを用意しておけば、相手の反応や状況に応じて柔軟に対応できます。経験が浅い担当者でも、スクリプトを活用することで一定の対応品質を保てるため、事前準備として必ず作成しておくことをおすすめします。
トークスクリプトについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
準備④よくある質問と回答をまとめておく
新規顧客への営業電話では、相手から予想外の質問を受けることが少なくありません。そのため、想定される質問と回答を事前に準備しておけば、落ち着いて対応でき、会話もスムーズに進みます。
特に料金体系やサービス内容、導入までの流れといった基本的で頻繁に聞かれる質問には、即答できるよう備えておくことが大切です。迷わず答えられれば信頼を得やすくなり、商談につながる可能性も高まります。
さらに、質問をされること自体が相手の関心を示すサインです。この機会を逃さないためにも、質問対応の準備を徹底し、自信を持って答えられる体制を整えておきましょう。
営業電話のマナー
新規顧客に営業電話をかける際は、正しい電話のかけ方とマナーを理解しておくことが不可欠です。 これらを知らずに架電すると、相手に失礼な印象を与えるだけでなく、不快感を持たれてしまい、商談の機会を失う可能性があります。
ここでは、営業電話を成功させるための基本的なマナーをわかりやすく紹介します。
マナー①架電する時間帯に配慮する
電話営業を成功させるには、相手が応答しやすい時間帯を選んで架電することが大切です。タイミングが悪いと、忙しくて話を聞く余裕がなく、すぐに断られる可能性が高くなります。
避けたい時間帯は「始業後30分以内」「昼休み」「終業直前や終業後」です。これらの時間帯は、朝礼や業務準備、外出などで対応が難しいことが多く、営業には不向きです。
一方で、昼休み前など相手が落ち着いている時間帯を狙えば、話を聞いてもらえる可能性が高まり、商談につながりやすくなります。
マナー②明るいトーンで話す
電話営業では声だけで印象が決まるため、声のトーンや話し方が大切です。暗く覇気のない声や聞き取りにくい話し方をすると、不安や不快感を与え、早い段階で切られるリスクが高まります。
明るいトーンで、はっきりと話すことを意識しましょう。例えば口角を上げて話すだけでも声の印象が大きく変わり、相手に前向きなイメージを与えられます。第一印象が良ければ警戒心も和らぎ、話を聞いてもらえる可能性が高まります。
マナー③丁寧に応対する
営業電話では顔が見えないため、丁寧な応対が欠かせません。雑な対応は不誠実な印象を与え、信頼を失う原因となり、将来のビジネスチャンスを逃す恐れがあります。
基本的なマナーとして、電話をかけた際はまず社名と自分の名前をはっきり名乗り、安心感を与えましょう。さらに、相手が電話を切るまではこちらから切らないなど、細かな礼儀を守ることも重要です。
たとえ商談につながらなくても、将来的に別の機会で接点が生まれる可能性はあります。だからこそ、常に丁寧な応対を心がけ、信頼関係を築く第一歩を大切にしましょう。
電話営業を成功させる5つのコツ

新規顧客への営業電話は、数を重ねても成果につながるとは限りません。成果を得るには、重要なポイントを理解し、戦略的にアプローチすることが欠かせません。ここでは、営業電話を成功に導く5つのコツを紹介します。
コツ①用件をわかりやすく伝える
営業電話では、最初に用件を明確に伝えることが欠かせません。目的が不明確なまま話し始めると、相手が警戒して最後まで聞いてもらえない可能性があります。
要点は簡潔にまとめ、「弊社の〇〇についてご案内のためにお電話しました」といった形で、連絡の理由を端的に伝えると効果的です。
また、最初からサービス内容を詳細に説明すると、忙しい相手に敬遠されて早く切られる恐れがあります。初めの段階で良い印象を持ってもらうには、短くわかりやすい表現で要点を伝えることが大切です。
良い第一声の例
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「お世話になっております。株式会社○○の△△と申します。本日は、御社の□□に関連したサービスについて簡単にご案内させていただきたく、ご連絡しました。」
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「突然のご連絡失礼いたします。△△株式会社の□□と申します。御社の●●に関するお役立ち情報をご提供できればと思い、お電話しました。」
悪い第一声の例
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「もしもし、いきなりすみませんが…」
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「えっと、営業で電話したんですけど…」
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「とりあえず資料を送らせていただきたいんですが…」
コツ②一方的に話さない
電話営業では、一方的に話し続けると相手に負担を与え、早く断られる可能性が高まります。新規顧客へのアプローチでは、相手との対話を意識することが成果につながる重要なポイントです。
自分だけが話すのではなく、相手の反応を確かめながら質問を交え、適度に間を取ることで会話のキャッチボールを心がけましょう。そうすることで相手が会話に参加しやすくなり、商談の可能性を広げられます。
また、初めての相手に早口で話すと内容が伝わりにくく、不信感を与える恐れがあります。ゆっくり丁寧に、聞き取りやすいトーンで話すことを意識しましょう。相手との対話を大切にした進め方を心がければ、安心感を与え、信頼関係の構築につながります。
相手の反応を引き出す質問例
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「現在、〇〇の分野でお困りのことはございますか?」
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「御社では△△の対応をどのように進められていますか?」
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「もし改善できるとしたら、どの部分が一番優先度が高いとお考えですか?」
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「今のところ、〇〇の導入に関してご興味はありますか?」
このようなオープン質問を会話に取り入れることで、相手が自分の考えを話しやすくなり、自然な対話が生まれやすくなります。
コツ③心理学を応用する
電話営業では、心理学的なテクニックを取り入れることで、相手との距離を縮めやすくなり、信頼を得やすくなります。 セールス色を強めず、自然な形で会話を始められるよう、こうしたテクニックを少しずつ活用していきましょう。
①パターンインタラプト
通常のセールストークを避け、相手の予想を外す切り出し方で注意を引く方法です。
例:
「突然のお電話失礼いたします。〇〇株式会社の△△です。本日は〇〇について…」
→ 相手が「営業電話だ」と警戒しやすい
「おはようございます。〇〇株式会社の△△です。」
→ 一瞬、取引先かどうかを考える時間が生まれ、会話を聞いてもらいやすくなる
②バンドワゴン効果
**「多くの企業が導入している」「すでに他社でも効果が出ている」**という情報を伝えることで、安心感や信頼感を与える方法です。
例:
「すでに同業他社の10社以上で採用され、コスト削減に成功しています。」
③返報性の原理
相手に先に価値を与えることで、好意や信頼を得やすくなる心理効果です。
例:
「無料で業界動向レポートをお送りできますが、ご興味ありますか?」
→ 相手が情報を受け取ることで「お返ししなければ」という心理が働き、会話が続きやすい
④フットインザドア
まず小さなお願いをして承諾を得ることで、その後の大きな提案が受け入れられやすくなる方法です。
例:
「30秒だけお時間をいただけますか?」
→ 承諾を得られれば、その後の本題を聞いてもらいやすい
⑤ミラーリング効果
相手の話し方や言葉遣い、テンポを自然に合わせることで、心理的な親近感を持ってもらう方法です。
例:
相手がゆっくり話すタイプなら、自分も少しペースを落として話す
これらの心理学的テクニックを組み合わせることで、相手の警戒心を和らげ、信頼関係を築きやすくなります。 ただし、不自然に多用すると逆効果になるため、自然な会話の中で活用することがポイントです。
コツ④切り返しトークを準備しておく
新規顧客への営業電話は、断られることが多いとあらかじめ想定しておくことが大切です。
そのため、よくある断り文句を想定し、切り返しトークを準備しておけば、会話をスムーズに続けられる可能性が高まります。
例えば「今は間に合っています」と言われた場合でも、「今後ご検討いただく際の参考資料だけでもお送りしてもよろしいでしょうか」と提案すれば、相手の反応を引き出せます。
適切な切り返しを用意しておけば、興味を持ってもらえるきっかけを作れます。断られたからといってすぐに諦めず、次の一手を備えておくことが成果につながります。
よくある断り文句と切り返しトーク例
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「今は間に合っています」
→ 「ありがとうございます。今後のご参考に資料だけでもお送りしてよろしいでしょうか?」 -
「予算がありません」
→ 「かしこまりました。実際のコスト感がわかる資料をお送りできますが、ご興味はありますか?」 -
「興味がないです」
→ 「承知しました。今後同様の課題が発生した際にお役立ていただける情報だけでもお送りしてもよろしいでしょうか?」 -
「今忙しいです」
→ 「お時間を取らせてしまい失礼いたしました。改めてご都合の良いお時間にご連絡してもよろしいでしょうか?」 -
「取引先が決まっているので不要です」
→ 「承知しました。今後の比較検討材料として、他社様の事例や参考資料だけでもお届けしてよろしいでしょうか?」
事前にこのような切り返しを準備しておけば、断られた後でも会話を継続し、将来につながるきっかけを残すことができます。
コツ⑤クロージングを工夫する
営業電話でアポイントを獲得するには、クロージングの工夫が欠かせません。単に「ご都合はいかがでしょうか」と聞くだけでは、相手に主導権を渡してしまい、断られる可能性が高まります。
効果的な方法としては、「火曜日と木曜日でしたら、どちらがご都合よろしいでしょうか?」と選択肢を提示するやり方があります。
選択肢を示すことで、相手は自然にどちらかを選ぼうとする心理が働き、アポイント獲得率を高められます。
クロージング成功率をさらに高める一言の例
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「このお話は10分ほどで終わりますので、〇日と〇日、どちらがご都合よろしいでしょうか?」
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「今後のご参考に簡単な資料をご用意しておりますので、〇日または〇日に一度ご説明させていただければと思います。」
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「御社の□□に関連した事例をご紹介できます。〇日か〇日、どちらがよろしいでしょうか?」
このように「短時間で終わる」「役立つ情報がある」といった一言を添えることで、相手にメリットを感じてもらいやすくなり、アポイントを受け入れてもらえる確率がさらに高まります。
営業電話に使える例文
新規顧客への営業電話で、第一印象を決めるのは最初の数十秒です。あいさつから話の切り出しまでをスムーズに進めるには、トークスクリプトを用意しておくことが効果的です。ここでは、実践で使える例文をシーンごとに紹介します。
営業のつかみの例文
営業電話の冒頭(つかみ)は、相手に好印象を与え、会話を聞いてもらうための重要なポイントです。 以下に、あいさつ・自己紹介・話のつかみの例文をご紹介します。
あいさつの例文
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「おはようございます。お忙しいところ恐れ入ります。」
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「こんにちは。突然のお電話失礼いたします。」
→ 柔らかく、親しみやすい言葉を選ぶことで、相手が警戒せず会話を受け入れやすくなります。
自己紹介の例文
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「〇〇のサービスを提供している、株式会社△△の□□でございます。」
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「企業向けの〇〇システムを提供しております、株式会社△△の□□と申します。」
→ 自社が何をしている会社なのかを一言添えることで、相手が話の内容をイメージしやすくなり、興味を持ってもらいやすくなります。
話のつかみの例文
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「現在、御社の〇〇について何かお困りの点はございませんか?」
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「弊社のサービス導入でコスト削減に成功した事例があり、ご紹介させていただきたくお電話いたしました。」
→ 質問を投げかけたり、実績を交えた提案を最初に伝えると、相手の関心を引きやすく、スムーズに会話が進みます。
ポイントは、最初の数秒で「安心感」と「聞く価値がある話」と思ってもらうことです。紹介した例文を参考に、実際の商材やターゲットに合わせて言葉を調整し、より自然で効果的なつかみを作っていきましょう。
営業電話をかける際の3つのポイント
営業電話で大切なのは、会話の質を高める姿勢です。ここでは、営業電話の成約率を高めるための3つのポイントを紹介します。
ポイント①トーク内容の振り返り
電話営業の成功率を高めるには、トーク内容の振り返りが欠かせません。同じ話し方を繰り返すだけでは成果が伸びず、改善の機会を逃す恐れがあります。
効果的な方法としては、ボイスレコーダーで通話内容を録音し、あとから聞き返すことです。これにより、自分の話すスピードや声のトーン、相槌の入れ方、間の取り方などを客観的に確認できます。
振り返りを習慣にすれば、改善を積み重ねることでトークの質が向上し、営業の成功率を着実に高められます。
ポイント②ロールプレイングの実施
電話営業の成功率を上げるには、トーク内容を振り返ることが欠かせません。同じ話し方を続けているだけでは成果が伸びず、改善の機会を逃してしまいます。
効果的な方法として、通話内容をボイスレコーダーで録音し、あとから聞き返すことが挙げられます。これにより、自分の話すスピードや声のトーン、相槌の入れ方、間の取り方などを客観的に確認できます。
振り返りを習慣化すれば、改善を重ねることでトークの質が高まり、営業の成功率も安定して向上していきます。
ポイント③ツールの活用
営業電話を効率的に進めるには、専用ツールを活用する方法が効果的です。なかでも導入をおすすめしたいのがCTIシステムです。CTIシステムは、電話とコンピューターを連携させて顧客情報の管理や通話履歴の記録、電話の自動発信などを行えるツールです。
例えば、架電リストから自動で連続発信できる機能を使えば、1件ずつ手動でかける手間を省き、コール時間を大幅に短縮できます。さらに、通話内容をリアルタイムで記録する機能を使えば、情報共有や分析が容易になり、トーク改善にも役立ちます。
このようにCTIシステムを導入することで作業効率が向上し、新規電話営業の成約率を高めることができます。
新規顧客への電話営業の効率化はアライブネットまで

新規顧客への電話営業をより効率的に進めたい場合は、専用ツールの導入を検討しましょう。 特におすすめなのが、アライブネットが提供するCTIシステムVoiper Dialです。
Voiper Dialを導入すれば、すべての通話内容を録音できるため、どの従業員が成果を上げているのかを客観的に把握できます。さらにレポート機能を活用すれば、NG分析(断られた理由の分析)やトークの課題点を可視化でき、従業員ごとの改善ポイントを明確に特定できます。また、自動発信機能により複数の番号へ一斉に発信できるため、コール時間を大幅に短縮し、より多くの新規顧客にアプローチできる点も大きなメリットです。
加えて、アライブネットが提供するIP電話サービスAliveLineを併用すれば、毎月の通話コストを20%〜70%削減することも可能です。
電話営業の質を高めつつ、コスト削減も実現できるため、頻繁に電話をかける営業部署にとって、Voiper Dialは非常に効果的なツールといえます。電話営業の成果を最大化したい企業は、ぜひアライブネットまでご相談ください。
