電話対応完全マニュアル!ビジネスシーン別の例文や言葉遣い一覧表

ビジネスシーンにおいて、電話対応は会社の顔として非常に重要な役割を担います。対面とは異なり、声のトーンや言葉遣いだけで相手に与える印象が大きく変わるため、丁寧で的確な対応が求められます。
この記事では、電話対応の基本マナーから、受電・架電・終話といったシーン別の対応方法、さらにはクレーム対応や効率化まで、網羅的に解説していきます。
ビジネスシーンにおける電話対応マニュアルの基本

まずは、どのような状況でも共通する、電話対応の基本的な心構えと準備について確認しましょう。
会社の代表である意識を持ち、明るくハキハキとした声で話す
電話に出る際は、常に「会社の代表である」という意識を持つことが最も重要です。あなたの対応一つで、会社のイメージが良くも悪くもなります。
顔が見えないコミュニケーションだからこそ、声の印象がすべてを決めると言っても過言ではありません。少し高めのトーンで、明るくハキハキと話すことを心がけましょう。口角を少し上げて話すと、自然と明るい声色になります。ぼそぼそとした小さな声や、不機嫌に聞こえるような低いトーンは避けましょう。
メモとペンを常に手元に置き、いつでも記録できるようにする
電話対応において、メモの準備は必須です。相手の社名、氏名、連絡先、用件など、重要な情報は聞きながらすぐに書き留める習慣をつけましょう。記憶に頼ると、聞き間違いや伝え漏れの原因になります。
特に、以下の項目は確実にメモを取り、復唱して確認することが重要です。
- 受電日時
- 相手の会社名・部署名・氏名
- 相手の連絡先(電話番号)
- 用件
- 折り返しの要否
- 対応者名(自分の名前)
デジタルメモも便利ですが、急な電話には手書きのメモが迅速に対応できます。常にデスクの取りやすい場所にメモ帳とペンを置いておきましょう。
電話は3コール以内に出ることを心掛ける
かかってきた電話は、なるべくお待たせしないのがビジネスマナーの基本です。一般的に「3コール以内」に出るのが理想とされています。日本のオフィスでよく使われるビジネスフォンの呼出音は、1コールあたり約3秒なので、9秒以内に応答する計算になります。
もし3コール以上鳴ってから電話に出た場合は、「大変お待たせいたしました」と最初にお詫びの一言を添えることで、相手に丁寧な印象を与えることができます。
正しい敬語を使いこなし、クッション言葉を活用する
適切な敬語の使用は、相手への敬意を示す上で不可欠です。尊敬語・謙譲語・丁寧語を正しく使い分けることで、スムーズで信頼感のあるコミュニケーションが生まれます。
また、「クッション言葉」を効果的に使うことで、表現を和らげ、相手に与える印象をより良くすることができます。クッション言葉とは、お願いやお断り、反論などの言いにくいことの前に添える言葉です。
<クッション言葉の例>
- お願いする時:「恐れ入りますが」「お手数をおかけいたしますが」
- 断る時:「申し訳ございませんが」「あいにくですが」
- 尋ねる時:「失礼ですが」「よろしければ」
これらの言葉を挟むだけで、丁寧さが格段にアップします。
電話対応でよく使う言葉遣い・フレーズ一覧
電話対応で頻繁に使用する言葉遣いを一覧にまとめました。いざという時にスムーズに出てくるよう、日頃から意識して使いましょう。
基本の言葉 | 丁寧な言い換え |
---|---|
私 | わたくし |
私たち | わたくしども |
あなたの会社 | 御社(おんしゃ)、貴社(きしゃ) |
私の会社 | 弊社(へいしゃ)、わたくしどもの会社 |
わかった | かしこまりました、承知いたしました |
どうしますか? | いかがなさいますか? |
すみません | 申し訳ございません |
あとで | 後ほど |
さっき | 先ほど |
電話を受けた時・受電時の電話対応マニュアルと例文
次に、電話を受ける際の具体的な流れとポイントを、例文を交えて解説します。
第一声は「お電話ありがとうございます」と会社名・氏名を名乗る
電話を取った際の第一声は、明るく元気に、そして明確に名乗ることから始まります。
<例文>
「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇、〇〇(自分の名前)でございます。」
会社によっては「はい、株式会社〇〇でございます」というシンプルな応答の場合もあります。自社のルールを確認しておきましょう。もしもし」はビジネスシーンでは基本的に使用しません。
相手の社名・氏名・用件を復唱して確認する
相手が名乗ったら、その情報を復唱して確認します。これは、聞き間違いを防ぐとともに、相手に「しっかりと話を聞いています」という安心感を与える効果があります。
<例文>
「〇〇株式会社の〇〇様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております。」
「〇〇の件でのお電話ということで、お間違いないでしょうか。」
聞き取れなかった場合は、曖昧にせず、必ず聞き返しましょう。
<聞き返す際の例文>
「申し訳ございません、少々お電話が遠いようでして、もう一度お名前をお聞かせいただけますでしょうか。」
担当者へ電話を取り次ぐ(保留機能の正しい使い方)
用件を伺い、担当者に取り次ぐ場合は、保留機能を正しく使いましょう。受話器を手で押さえて取り次ぐのは、こちらの会話が相手に聞こえてしまう可能性があり、マナー違反です。
<例文>
「〇〇(担当者名)でございますね。かしこまりました。ただいまお繋ぎいたしますので、少々お待ちください。」
保留時間は30秒以内が目安です。もし担当者がすぐに見つからないなど、保留が長引きそうな場合は、一度電話に戻り、状況を説明して相手の意向を伺いましょう。
<保留が長引く場合の例文>
「大変お待たせいたしました。ただいま〇〇(担当者名)の状況を確認しておりますので、もう少々お待ちいただけますでしょうか。もしよろしければ、後ほどこちらから折り返しご連絡いたしましょうか。」
担当者が不在の場合は、不在の理由と今後の対応を伝える
担当者が不在の場合は、まず不在であることのお詫びを述べ、不在の理由と今後の対応について具体的に伝えます。
<不在理由別の例文>
- 席を外している場合:「申し訳ございません。あいにく〇〇は席を外しております。5分ほどで戻るかと存じますが、いかがいたしましょうか。」
- 会議中の場合:「申し訳ございません。〇〇はただいま会議中でございまして、〇時頃に終了予定です。」
- 外出中の場合:「申し訳ございません。〇〇は本日外出しておりまして、社には戻らない予定です。」
- 電話中の場合:「申し訳ございません。〇〇はただいま他の電話に出ております。終わり次第こちらからお電話いたしましょうか。」
- 休暇中の場合:「申し訳ございません。〇〇は本日、休暇をいただいております。明日は出社予定です。」
不在の理由を伝えた後は、必ず「折り返しご連絡いたしましょうか」「よろしければご用件を承りますが、いかがなさいますか」と相手の意向を確認しましょう。
最後に内容を復唱し、相手が電話を切るのを待つ
伝言を承った場合や、何かを約束した場合は、最後に必ず内容を復唱して確認します。
<復唱の例文>
「かしこまりました。〇〇(担当者名)が戻りましたら、〇〇株式会社の〇〇様よりお電話があった旨を伝え、〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇まで折り返しお電話を差し上げるよう申し伝えます。わたくし、〇〇(自分の名前)が承りました。」
そして、電話を切る際は、相手が電話を切ったことを確認してから、そっと受話器を置くのがマナーです。こちらから先にガチャンと切ってしまうと、冷たい印象を与えかねません。
電話をかけた時・架電時の電話対応マニュアルと例文

次に、自分から電話をかける際の注意点と流れを解説します。
かける前に用件をまとめ、話す内容を整理しておく
電話をかける前には、必ず用件を整理し、伝えたいことの要点をメモにまとめておきましょう。話のゴールを明確にしておくことで、手短に、かつ漏れなく用件を伝えることができます。5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識して整理するのがおすすめです。
社名と氏名を名乗り、担当者への取り次ぎを依頼する
相手が電話に出たら、まずはっきりと自分の会社名と氏名を名乗り、挨拶をします。
<例文>
「お忙しいところ恐れ入ります。わたくし、株式会社〇〇の〇〇と申します。いつもお世話になっております。」
続けて、取り次いでほしい相手の部署名と氏名を伝え、在席しているかを確認します。
<例文>
「〇〇部の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。」
相手が出たら改めて名乗り、今話せる状況か確認する
担当者に代わったら、改めて自分の会社名と氏名を名乗り、挨拶をします。そして、本題に入る前に、相手が今話せる状況かどうかを確認する気配りが大切です。
<例文>
「〇〇様、いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。ただいま、〇分ほどお時間よろしいでしょうか。」
もし相手が忙しそうな場合は、「それでは、後ほど改めてご連絡いたします。何時頃がご都合よろしいでしょうか」と、相手の都合を優先しましょう。
用件は結論から簡潔に伝え、5W1Hを意識する
相手の時間をいただいているという意識を持ち、用件はまず結論から簡潔に伝えます。その上で、詳細な説明を加えていくと、相手は話の内容を理解しやすくなります。事前に整理した5W1Hのメモを見ながら、要点を漏らさず伝えましょう。
お礼を伝えてから、こちらから電話を切る
用件が済んだら、時間をいただいたことへのお礼を述べ、こちらから電話を切ります。
<例文>
「お忙しい中、ありがとうございました。それでは、失礼いたします。」
挨拶をした後、2〜3秒ほど間を置いてから静かに受話器を置くと、丁寧な印象になります。
電話を着る時・終話時の電話対応マニュアルと例文
電話の終わり方も、相手に与える印象を左右する重要なポイントです。
お礼の言葉とともに「失礼いたします」と挨拶する
用件が終わったら、感謝の言葉と締めの挨拶を伝えます。
<例文>
- (かけた側) 「本日はお時間をいただき、ありがとうございました。それでは、失礼いたします。」
- (受けた側) 「ご連絡いただき、ありがとうございました。失礼いたします。」
かけた側から切るのが基本マナー
原則として、電話は「かけた側」から先に切るのがマナーです。相手が切るのを待つ必要はありません。
お客様が相手の場合は、相手が切ったのを確認してから受話器を置く
ただし、相手がお客様や目上の方の場合は例外です。この場合は、相手が電話を切ったことを確認してから、こちらも静かに受話器を置きましょう。相手への敬意を示す大切なマナーです。
受話器はそっと置き、「ガチャン切り」をしない
電話を切る際の「ガチャン」という大きな音は、相手に不快感を与えてしまいます。受話器は指でフックをそっと押してから置くと、静かに電話を切ることができます。最後まで心配りを忘れないようにしましょう。
電話対応の効率化ならCTIシステム
ここまでは、個人のスキルとしての電話対応マナーを中心に解説してきました。しかし、より高度なレベルで電話対応の品質向上と効率化を目指すのであれば、「CTIシステム」の導入が非常に有効です。
CTI(Computer Telephony Integration)システムとは、電話とコンピューターを連携させるシステムの総称です。CTIシステムを導入することで、以下のようなメリットが生まれます。
- 着信と同時に顧客情報を表示(ポップアップ機能)
電話が鳴ると同時に、発信者の情報(社名、氏名、過去の対応履歴など)がPC画面に表示されます。これにより、相手を待たせることなく、スムーズで的確な対応が可能になります。
- 通話の自動録音
全ての通話を自動で録音・保存できます。「言った・言わない」のトラブル防止や、対応品質の確認、新人教育の教材として活用できます。
- 適切な担当者への自動振り分け(ACD機能)
スキルや稼働状況に応じて、最も適切なオペレーターに着信を自動で振り分けます。顧客の待ち時間を短縮し、機会損失を防ぎます。
- 自動音声応答(IVR機能)
「〇〇に関するお問い合わせは1番を」といった自動音声ガイダンスにより、用件に応じて着信を振り分けたり、営業時間外の案内を自動化したりできます。
- データ分析とレポート作成
受電数、応答率、通話時間などのデータを自動で集計・分析し、コールセンター全体の課題発見や業務改善に役立てることができます。
オススメのCTIシステムは「Voiper Dial」
数あるCTIシステムの中でも、特におすすめしたいのが、株式会社アライブネットが提供するクラウド型CTIシステム「Voiper Dial」です。
「Voiper Dial」は、インバウンド(受電)とアウトバウンド(架電)の両方に対応した高機能なシステムでありながら、クラウド型のため専用機器の設置が不要で、低コストかつ短期間で導入できるのが大きな魅力です。
「Voiper Dial」の主な特徴
- 場所を選ばない働き方を実現
インターネット環境さえあれば、オフィスだけでなく在宅勤務など、場所を選ばずにコールセンター業務が可能です。「Voiper Dial」なら、多様な働き方に柔軟に対応できます。
- イン/アウト両対応のワンシステム
受電業務に必要なACDやIVR機能はもちろん、架電業務を効率化するプレディクティブ発信などの機能も一つのシステムに集約。「Voiper Dial」は、コストを抑えながら幅広いニーズに応えます。
- 既存CRMとの連携
Salesforceをはじめ、現在利用中のCRM(顧客管理システム)との連携も可能です。「Voiper Dial」は、既存の資産を活かしながら、より戦略的な電話対応を実現します。
- 充実した管理者機能とレポート
「Voiper Dial」は、オペレーターの稼働状況をリアルタイムで把握できるモニタリング機能や、詳細な分析が可能なレポート機能が充実しています。そのため、管理者の業務負荷を軽減し、的確なマネジメントを支援します。
「Voiper Dial」の詳しい機能や費用については、以下のページをご覧ください。
>>クラウド型コールセンター システム・CTI システム「Voiper Dial」|株式会社アライブネット
電話対応の品質は、顧客満足度に直結する重要な要素です。個人のスキルアップはもちろんのこと、「Voiper Dial」のようなCTIシステムを導入することで、組織全体の電話対応レベルを飛躍的に向上させ、ビジネスチャンスの拡大に繋げることができるでしょう。
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