オフィス移転で電話番号は変わる?番号変更のリスクを抑える3つの方法を紹介

オフィス移転が決まった企業の担当者にとって、電話番号の扱いは大きな関心事です。移転先によっては、これまで使用してきた番号が変更になる場合があるためです。
ただし、番号が変わる場合と変わらない場合の違いや、番号が変わったときの対処方法について、明確に理解できていない人も少なくありません。
本記事では、移転時に番号が変更されるかどうかの判断基準、番号変更によるビジネス上の不利益、そして番号が変わるリスクを減らす3つの解決策を解説します。
オフィス移転で電話番号は変わる?変わらない?判断基準を解説

オフィス(事務所)を移転するとき、会社の代表電話番号が変わるかどうかは、移転前と移転後の所在地によって決まります。その判断の基準となるのが、NTTが管理する「収容局」です。
ここでは、電話番号が変わる場合と変わらない場合の違いについて説明します。
①電話番号が変わらないケース
現在のオフィスと移転先が同じNTT収容局の管轄エリアにある場合、電話番号は基本的に変更されません。
収容局とは、地域ごとの電話回線を集約する施設です。電話番号(03や06などの市外局番を含む番号)は、この収容局ごとに割り当てられています。
そのため、同じ収容局エリア内での移転であれば、これまでの電話番号をそのまま使えます。
②電話番号が変わるケース
現在のオフィス(事務所)と移転先で管轄するNTT収容局が異なる場合、これまでの電話番号は利用できず、新しい番号を取得しなければなりません。
これは、市外局番だけでなく、市内局番(市外局番の後に続く1〜4桁の番号)も収容局ごとに管理されているためです。
例えば、東京都内であっても千代田区から渋谷区へ移転する場合は、管轄の収容局が変わり、電話番号も変更されます。さらに、県をまたぐような移転では、ほぼ確実に番号が変わると考えられます。
オフィス移転で電話番号が変わるかを確認する方法
自社オフィス(事務所)の移転で電話番号が変わるかどうかを確認するには、契約中の電話会社に問い合わせるのが確実です。
NTT東日本・西日本の加入電話やひかり電話を利用している場合は、以下の窓口で確認できます。現在の住所と移転先の住所を伝えると、番号が変更になるかどうかを教えてもらえます。
-
局番なしの「116」
-
携帯電話からは、NTT西日本「0120-116-116」またはNTT東日本「0120-116-000」
オフィス移転の計画が具体化したら、できるだけ早い段階で確認しておくことをおすすめします。
電話番号の変更によるビジネス上のデメリット
もしオフィス(事務所)移転によって電話番号が変わってしまう場合、ビジネス上見過ごせないデメリットが発生します。
デメリット①関係者への周知が必須
会社の代表番号を変更した際は、関係者全員に速やかに周知することが欠かせません。
周知が不十分だと、顧客が誤って旧番号に連絡し、問い合わせや商談の機会を逃す恐れがあります。
デメリット②あらゆる媒体情報を更新する必要がある
電話番号を変更した場合は、Webサイトや会社案内、パンフレット、従業員の名刺、請求書や契約書など、社内外のあらゆる媒体に記載された番号を修正する必要があります。
印刷物の刷り直しやWebサイトの更新には多くのコストと時間がかかり、担当者の負担も大きくなります。
オフィス移転による電話番号変更のリスクを抑える3つの方法
電話番号が変わってしまう場合でも、電話番号変更による影響を最小限に抑えたり、そもそも番号を変えずに済ませたりする方法があります。主に以下の3つの方法が考えられます。
方法①NTTのサービスを活用する
NTT東日本・西日本では、電話番号変更時の移行措置として便利なサービスを用意しています。
ボイスワープ
旧番号にかかってきた着信を、新しい番号へ自動転送するサービスです。移転後も顧客からの連絡を逃さずに対応できます。ただし、転送にかかる通話料は契約者(移転した企業側)が負担します。
電話番号のアナウンス
旧番号に発信すると、「移転のため番号が変わりました。新しい番号は〇〇です」と自動で案内するサービスです。案内の提供期間はおおむね3か月程度です。
これらのサービスは、あくまで一時的な対策ですが、移転直後の混乱を避けるためには非常に有効です。
方法②クラウドPBXを活用する
クラウドPBXは、従来オフィス(事務所)に設置していたPBX(電話交換機)の機能を、クラウド上のサーバーで提供するサービスです。
新たにクラウドPBXで電話番号を発行すれば、移転によって番号が変わる心配はありません。「03」「06」といった市外局番付きの番号も取得できます。
さらに、サービスによっては「050番号」を発行可能です。050番号は特定の地域に縛られないIP電話番号のため、将来的な移転や拠点拡大にも柔軟に対応できます。
近年では、大手企業の問い合わせ窓口で050番号が使われる例も増えており、ビジネスシーンでの信頼性も高まっています。
クラウドPBXの詳細については、以下の記事でも紹介していますのでぜひご覧ください。
【関連記事】
方法③着信課金番号を活用する
「0120」や「0800」で始まるフリーダイヤルなどの着信課金番号は、特定の地域や収容局に依存しません。そのため、全国どこへオフィス(事務所)を移転しても同じ番号を使い続けられます。
会社の代表番号として着信課金番号を利用していれば、移転時に番号が変わる心配はありません。ただし、この番号は実際の着信先となる代表番号などに紐づいているため、移転で着信先が変わる場合は契約中の通信事業者に連絡し、設定の変更手続きを行う必要があります。
新たに代表番号を取得する際は、将来的な移転を見据えて着信課金番号を選ぶことも有効です。アライブネットが提供するIP電話サービスAlive Lineでも、着信課金番号を取得できます。
0120番号については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
オフィス移転時の電話番号手続きのステップ

スムーズにオフィス(事務所)移転を進めるためにも、計画的に手続きを行う必要があります。ここでは、オフィス移転に伴う一般的な手続きの流れを、以下の7つのステップに分けて解説します。
ステップ①電話の移転スケジュールを決める
まず、オフィス(事務所)移転全体のスケジュールの中で、いつまでに電話回線の移転を完了させるかを決定します。
移転先のオフィスで業務を開始する日から逆算し、余裕をもったスケジュールを立てることが大切です。
特に、電話回線の引き込み工事は、申し込みから実施まで数週間〜1ヶ月以上かかる場合もあるため、早めに計画を立てましょう。
ステップ②契約中の電話会社に連絡する
スケジュールが具体的に決まったら、速やかに現在契約している電話会社(NTT東日本・西日本など)へ連絡し、オフィス(事務所)の移転を正式に伝えます。
その際に、前述した「電話番号が変わるかどうか」の確認を必ず行いましょう。NTT東日本・西日本の場合は、局番なしの「116」から問い合わせが可能です。
連絡の際は、移転先の詳細な住所や移転希望日、必要な回線数などを正確に伝えられるよう、事前に情報をまとめておくとスムーズです。担当者から、手続きに必要な書類や今後の具体的な流れについて説明を受けます。
ステップ③電話を移転する工事業者を選定する
電話回線の引き込み工事(屋外工事)はNTTが行いますが、オフィス(事務所)内の配線やビジネスフォンの設置・設定(屋内工事)は、専門の工事業者に依頼するのが一般的です。スムーズな移転を実現するためには、信頼できる業者選びが非常に重要になります。
複数の業者から見積もりを取り、単に価格だけでなく以下のポイントを総合的に比較して、自社に最適なパートナーを選定しましょう。
- 実績と専門性
- 見積もりの明確さ
- 対応の迅速さと柔軟性
- サポート体制の充実度
移転をトータルでサポートしてくれるオフィス移転の専門業者にまとめて依頼するのも、窓口がひとつになり、スムーズな進行が期待できるため有効な方法です。
ステップ④PBXの設置場所を決める
オフィス(事務所)内にオンプレミスのPBX(電話交換機)を設置している場合は、移転先のオフィスのどこに設置するのかを事前に決めておく必要があります。
PBXは精密機器であり、熱や湿気に弱いため、空調が効いており、直射日光が当たらない安定した場所を選びましょう。
移転先のオフィスのレイアウトや配線を考慮しながら、最適な設置場所を工事業者と相談して決定します。
ステップ⑤移転先のオフィスを下見する
工事業者と共に、移転先のオフィス(事務所)の現地調査を行います。
ビルのどこまで電話回線が引き込まれているか、PBX(オンプレミスの場合)や各デスクへの配線をどのように行うか、電源は確保できるかなど、実際の現場を確認しながら具体的な工事内容を詰めていきましょう。
この下見によって、正確な工事費用や作業時間を算出できます。
ステップ⑥電話回線を引き込むための工事を行う
NTTによる屋外工事と、選定した工事業者による屋内工事を実施します。
屋外工事は、最寄りの電柱から移転先のビルまで電話回線を引き込む作業です。屋内工事では、引き込まれた回線をPBXに接続し、そこから各デスクの電話機まで配線を行います。
移転元のオフィス(事務所)での業務に支障が出ないよう、工事はオフィスの休業日に実施するとよいでしょう。
ステップ⑦電話機器や周辺機器を設置して利用開始する
配線工事が完了したら、ビジネスフォンやFAX、その他の周辺機器を設置し、設定作業を行いましょう。
すべての電話機で内線・外線の発着信が正常に行えるか、転送機能などが問題なく作動するかをテストし、問題がなければ移転作業は完了です。
オフィス移転による電話番号の課題解決はアライブネットにご相談ください!

オフィス(事務所)の移転では、電話番号が変わる可能性があります。
一方で、これは既存の電話環境を見直し、より柔軟でコスト効率の高いシステムへ移行する好機でもあります。
アライブネットが提供するIP電話サービスAliveLineは、移転時に生じる電話番号の問題を解決できる有効な手段です。
AliveLineでは、全国どこへ移転しても変わらない「着信課金番号(0120/0800)」を取得できます。これを代表番号として利用すれば、将来的な再移転でも番号変更に伴う手間やコスト、ビジネスリスクを避けられます。
さらに、AliveLineは業界最安級の通話料を実現しており、移転を機に導入すれば通信コストの削減にもつながります。
【Alive Lineの基本料金】※ご提供例
種別 | 料金 |
---|---|
秒課金 固定電話 | 0.06円〜 |
秒課金 携帯電話 | 0.25円〜 |
分課金 固定電話 | 7円〜 |
分課金 携帯電話 | 13円〜 |
チャネル利用料 | 1,200円/1チャネル |
IP電話のメリットについては、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
まとめ
今回の記事では、オフィス(事務所)移転時に電話番号が変わるケースと変わらないケースの違いや、電話番号が変わるリスクを抑える具体的な方法、オフィス移転に伴う電話回線工事の流れを詳しく解説しました。
オフィス移転で電話番号が変わるかどうかは、NTTの「収容局」が変更になるかどうかで決まります。オフィス移転する際は、以下の3つの方法で電話番号が変わるリスクを抑えられます。
- NTTのサービス(ボイスワープなど)を活用する
- クラウドPBXを活用する
- 「着信課金番号」を活用する
オフィス移転は、単に拠点を移すだけではなく、通信インフラを見直して事業基盤を強化する好機でもあります。
アライブネットは、電話業務に課題を抱える企業に向けて充実したサポートを提供しています。移転に伴う電話に関するお困りごとは、ぜひアライブネットへご相談ください。