入電削減は何から始める?有人対応を減らす実践アイデア
同じ質問の電話が何度も入り、担当者がほかの仕事に集中できない場合、まず「電話そのものを減らす」のか、「人が応対する件数を減らす」のかを整理しましょう。FAQや事前通知は問い合わせの発生を防ぎ、AI電話受付は着信後の対応を効率化します。例えばアライブネットのVoiper BOTでは、定型電話の一次受付を自動化し、有人対応を減らす方法があります。本記事では、用件別の対策と優先順位、効果の測り方を解説します。
入電数と有人対応件数を減らすための対策
負担を減らす方法には、着信前に情報を届ける方法と、着信後の受付を自動化する方法があります。前者は問い合わせの発生を防ぎ、後者は人が受ける電話を減らします。効果を測る際も、この二つを分けて考えましょう。
| 減らしたい対象 | 対策 | 確認する指標 |
|---|---|---|
| 問い合わせ自体 | Web FAQ・事前SMS | 用件別の総入電・手続き完了 |
| 人が受ける電話 | IVR・会話型AI | 有人対応件数・対応時間 |
| 解決できず繰り返す電話 | 回答・導線の改善 | 再入電・未解決件数 |
①定型的な問い合わせを自動受付する
営業時間や担当窓口など、回答が決まっている問い合わせは、自動受付の候補になります。Voiper BOT IVRでは番号選択で用件を振り分け、Voiceでは音声会話でFAQに答えたり、必要な情報を聞き取ったりできます。
Voiper BOTは内線転送後の通話も録音し、文字化・要約につなげます。人が対応した内容まで振り返れるため、受付後のやり取りも改善に生かせます。
ただし、自動受付が処理するのは、すでにかかってきた電話です。有人対応が減っても、総入電数が同じだけ減るとは限りません。
②FAQの改善によって再入電を防ぐ
FAQを置いていても、顧客が答えを見つけられなければ電話は減りません。実際の問い合わせから、顧客が使う言葉、つまずいた手順、回答後に残った疑問を調べ、FAQのタイトルと本文を改善します。
Voiper BOTの文字化・要約・分析を利用する場合は、転送後の会話から繰り返される質問を拾い、改善候補にできます。AIの分類結果は元の会話と照合して使いましょう。
| 問い合わせ理由の例 | 自動受付での対応 | FAQの改善箇所 | 確認する結果 |
|---|---|---|---|
| 申込方法が分からない | 手順を案内 | 申込画面へのリンク | 手続き完了・再入電 |
| 必要書類が分からない | 必要項目を案内 | 条件別の書類一覧 | 不備・再問い合わせ |
これは運用設計例です。ページ閲覧数だけで自己解決を判断しないことが大切です。
③SMSによる事前通知で確認電話を減らす
予約日時や手続き状況を事前に知らせると、確認のための電話を減らせる可能性があります。アライブネットのVoiper SMSは予約リマインダーや注文確認などに活用できます。必要な時点で、日時・手続き内容・確認先を分かりやすく届けましょう。
| 手段 | 準備するもの | 費用の見方 | 確認する結果 |
|---|---|---|---|
| BOT IVR・Voice | 案内・FAQ・有人移管条件 | 基本料・利用量・設計費 | 自動完了・有人転送 |
| SMS | 送信対象・時刻・案内文 | 配信条件に応じた料金 | 到達・確認電話 |
| Web FAQ | 回答・導線・更新担当 | 制作・運用工数 | 閲覧後の完了・再入電 |
SMSの未達や配信停止希望に備え、別の連絡方法も残します。配信と電話受付は別工程で、SMS料金がBOT基本料に含まれるとは限りません。
コールセンターへの入電が増える原因
入電が増える背景には、案内の不足が続いている場合と、告知や障害により一時的に集中する場合があります。発生理由と時刻を調べ、恒常的な問題と短期のピークを分けて対策を考えましょう。
①FAQ・案内ページの情報不足
FAQの内容が正しくても、専門用語ばかりのタイトルや、見つけにくい場所にある回答では、顧客が必要な情報へたどり着けないことがあります。問い合わせで実際に使われた言葉と、Webサイトの表記を比べてみてください。
また、答えだけが載っていて申込画面や変更手続きへ進めないと、結局電話が必要になります。「何をすれば終わるか」まで案内し、古い条件やリンク切れも点検します。
電話担当者に同じ質問が集中している場合は、その回答をFAQへ移せるか検討しましょう。
コールセンターが抱える課題について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
②告知・締切前後の一時的な問い合わせ集中
告知の直後、申込締切の前、システム障害の発生時などは、問い合わせが一時的に増えることがあります。通常時のFAQ不足とは切り分け、いつ、どの案内をきっかけに増えたかを調べます。
確認電話が告知直後に多いなら、本文の説明不足や対象者の誤解を点検します。締切前に集中するなら、早めの通知や手続き導線の改善が候補です。受け切れない時間帯には、一次受付と折り返しを組み合わせます。
入電削減施策の優先順位を決めるポイント

すべての電話を一度に自動化する必要はありません。問い合わせ理由ごとの件数、対応時間、誤案内の影響、実現の難しさを比べ、効果が見込めて安全に始めやすい用件から取り組みます。
①問い合わせ理由を分類して対策を決める
まずCTIや対応台帳を使い、問い合わせ理由、受付チャネル、時間帯、同じ用件での再問い合わせを集計しましょう。総件数に加え、どの用件に担当者の時間がかかっているかを捉えます。
着手前にそろえたい情報は次のとおりです。
- 用件別の件数と平均処理時間
- 着信が集中する時間帯
- 同じ顧客・同じ用件の再入電
- 電話以外での問い合わせ状況
- 誤案内や説明不足があった内容
電話件数と問い合わせた人数は別の指標です。同じ顧客からの複数回の電話をどう数えるか、どの期間を再入電の対象にするかなど、集計ルールをそろえましょう。個人を照合できないデータは、把握できる範囲を明記して扱います。
②自動化する問い合わせを選定する
住所や営業時間などの定型案内は、自動化しやすい候補です。一方、個別の手続き状況を答えるには、最新情報への接続や本人確認が必要になる場合があります。回答が短いことだけで自動化を決めないようにしましょう。
| 用件 | 自動化の候補範囲 | 必要な準備 | 有人へ渡す条件 |
|---|---|---|---|
| 営業時間・所在地 | 定型回答 | 最新の案内 | 例外日・不明な質問 |
| 手続き状況 | 条件に合う案内 | 本人確認・最新データ | 照合不能・情報不一致 |
| 苦情・契約交渉 | 用件の一次受付 | 連絡先・移管先 | 判断や交渉が必要 |
回答できない場合の停止条件と有人転送を先に定めます。誤った回答で顧客に再び電話させないことを、自動化の範囲を広げることより優先しましょう。
③件数・対応工数・誤案内リスクで優先順位を付ける
優先順位は、件数の多さだけでなく、一件あたりの対応工数と誤案内の影響から決めます。短い定型質問が多い場合と、件数は少なくても長い交渉が必要な場合では、適した対策が異なります。
| 問い合わせの例 | 件数・工数の記録 | 誤案内リスク | 候補施策 | 優先判断 |
|---|---|---|---|---|
| 営業時間の確認 | 自社実測値を入力 | 比較的限定しやすい | FAQ・自動案内 | 更新管理ができれば着手候補 |
| 予約日時の確認 | 自社実測値を入力 | 日時の誤通知に注意 | SMS・照会 | 正しい予約情報が前提 |
| 契約条件の交渉 | 自社実測値を入力 | 顧客影響が大きい | 有人対応 | 一次受付までに限定 |
表は判断の例です。導入の難しさや必要な連携も評価し、低リスクで効果を測れる範囲から始めます。
④IVRで減らせる件数と減らせない件数
IVRは、すでに着信した電話に音声案内を行い、用件に応じて振り分ける仕組みです。そのため、担当者への取り次ぎや定型応対を減らせても、総着信件数を直接減らすとは限りません。
例えば、営業時間の案内を自動化した場合、人がその質問に答える件数は減らせます。一方で、顧客が毎回電話をしないと営業時間を確認できない状態なら、総入電は残ります。Web上で情報を見つけやすくする改善を合わせて考えましょう。
「着信前の自己解決」と「着信後の応対分担」は、別々に評価することが重要です。有人転送後の負荷も含めて確認します。
IVRの仕組みについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⑤FAQとSMSの優先順位を決める
同じ説明を求める質問が繰り返されるなら、まずFAQの内容と探しやすさを改善します。予約日時や発送状況など、特定の顧客へ事前に知らせられる情報なら、SMSなどの通知が候補になります。
両方を組み合わせることもできます。例えば、SMSに必要な日時と確認先を載せ、詳しい手順はFAQへ案内すれば、短い通知だけでは伝えにくい内容を補えます。ただし、通知先やリンク先の情報が一致していることが前提です。
顧客がSMSを受け取れない、Web操作に慣れていないといった場合も考慮します。電話窓口を残し、自己解決の手段を増やす設計にしましょう。手段の導入数ではなく、用件の解決につながったかで判断します。
入電削減施策の成果を評価する方法

件数が減っても、顧客が問い合わせを諦めていれば成功とはいえません。総入電、有人対応、自動受付での完了、再入電、未解決を分けて集計し、費用と解決状況の両面から評価しましょう。
①総入電数・再入電率・有人対応件数を測る
導入前後の用件別件数と再入電を週次で追い、キャンペーンや季節変動の影響を分けて考えます。
再入電率の計算例は「初回問い合わせから7日以内に同じ用件で再び電話した顧客数÷集計対象の初回問い合わせ顧客数×100」です。7日は設定例であり、初回問い合わせごとに同じ観測期間を設けることが大切です。同一顧客の重複計上を避けるなど、集計条件もそろえましょう。
再入電があった用件は、FAQ、申込画面、SMSの説明不足を調べ、翌月に再評価します。
| 指標 | 定義・分母の決め方 | 見直す対象 |
|---|---|---|
| 総入電数 | 対象期間の着信件数 | FAQ・告知 |
| 有人対応件数 | 人が対応した電話を区分 | 自動受付の対象 |
| 再入電率 | 同一用件・対象期間・対象件数を固定 | 回答・手続き導線 |
| 未解決件数 | 対応台帳で未完了を確認 | 引継ぎ・例外処理 |
| Web手続き完了 | 対象手続きの開始・完了を定義 | 画面と案内 |
自己解決を測れない場合は推定値で埋めず、計測方法の課題として残します。
コールセンターのKPIについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
②有人対応とVoiper BOTの費用を比較する
現在の費用は「対象件数×平均応対時間×実測した人件費単価」を基本に、後処理と管理の工数を加えて算出します。BOT導入後も、有人対応や記録の点検にかかる費用は残るため、比較から外さないようにしましょう。
| 費用 | 計算・確認する内容 |
|---|---|
| BOT本体 | 基本50,000円/月+必要アカウント数 |
| アカウント | IVR 4,980円/月、Voice 5,980円/月、各1アカウントあたり |
| Voice利用 | 対象分数×10円 |
| 初期・付帯費用 | 構築・設計・回線・AI処理・連携 |
| 残る人の作業 | 有人応対・確認・FAQ更新 |
基本料は、100アカウントまでの環境に対する額です。
月1,000件・平均3分・社員2名などを前提とした試算では、有人対応の約60万円に対し、BOTは約7.4万円となり、費用削減は約88%です。これはVoice初期設計やSMSを含む総額の保証ではありません。
実際の見積もりでは、税区分と各料金の適用条件を確かめてください。
③用件別の入電データから費用対効果を試算する
費用対効果は、自動化する用件ごとに計算しましょう。月間件数、定型・非定型の割合、同時通話数、平均応対時間、現状の人件費を整理すると、人の対応がどれだけ残るかを見積もれます。
比較表には、総入電、BOTでの対応完了、有人転送、再入電、応対時間、総費用を並べます。削減できた時間をほかの業務へ回せても、同額の人件費が直ちに減るとは限りません。
AI機能の3円/分と1,000分込み通話用アカウントの適用関係、初期設計、SMS、既存回線の料金も確認し、二重計上を避けます。
なお、AIによる有人対応の削減効果や導入費用については、アライブネットまでお気軽にご相談ください。
入電削減に関するよくある質問

入電削減の評価と、施策を選ぶ順番についてよくある疑問に答えます。件数の減少だけに注目せず、顧客が必要な情報を得られたかと、現場の対応負担がどう変わったかを確認しましょう。
Q:入電数が減れば対策が成功したといえますか?
A:総入電数が減っただけでは、成功とは判断できません。FAQなどで解決した可能性がある一方、電話がつながらず諦めた可能性もあるためです。
同じ用件での再入電、有人対応件数、手続きの完了、未解決問い合わせを合わせて確認します。必要に応じて顧客の評価も取り入れ、つながりにくさや案内の分かりにくさが増えていないか調べましょう。
自己解決率の分母や計測方法が決まっていなければ、その項目は未計測として扱います。推測の数字で補わず、件数以外の結果も見ながら改善を続けましょう。
Q:FAQ改善とAI電話受付はどちらを優先すべきですか?
A:顧客がWebで必要な情報を見つけられず、同じ質問を繰り返している場合は、FAQの改善を優先します。予約日時などの確認電話が多いなら、事前のSMS通知も候補です。
一方、すでに入ってくる定型電話の有人対応を減らしたい場合は、IVRや会話型AIの一次受付を検討します。電話を使いたい顧客が多い業務では、FAQだけで置き換えようとしないことも大切です。
用件別の件数、対応工数、誤案内リスクから順番を決め、必要なら併用します。導入後に再入電の理由を調べ、回答や通知の内容を継続的に直しましょう。
まとめ

入電削減では、総入電と有人対応の削減を区別します。用件に合うFAQ・SMS・AI受付を選び、再入電や解決状況まで確認しましょう。
定型的な電話への対応にお悩みの企業様は、Voiper BOTによる一次受付やVoiper SMSによる事前通知の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
電話対応の負担軽減についてのご相談・お見積もりは、アライブネットまでお気軽にお問い合わせください。



