IVR導入はどこから始める?IVR機能の範囲と効果の測定方法を解説
夕方になると、取引先からの電話が1人の担当者に集中することがあります。
その担当者が会議で席を外すと、代わりに電話に出られる人がいなくなることもあります。
その結果、電話が鳴り続け、相手があきらめて切ってしまう場合があります。
こうした取りこぼしは、アライブネットの「Voiper BOT」のIVRで減らせます。ただし、導入すべきかどうかを感覚だけで決めるのは適切ではありません。判断材料になるのは、自社の電話対応に関する数値です。導入後に効果を説明する際も、同じ数値が重要になります。
この記事では、IVRを導入するかどうかの判断方法と、導入後に効果を確かめる方法を説明します。

IVR導入の方法は?解決できる電話の課題と判断方法
IVR導入とは、かかってきた電話を音声ガイダンスで用件ごとに振り分け、一次対応の一部を自動化することです。
IVRで解決できるのは、主に次の3つです。
・取り次ぎの手間:担当以外の社員が電話に出て、担当者を探して取り次ぐ
・混雑時の取りこぼし:電話が重なる時間帯に、応答できない電話が発生する
・営業時間外の無人対応:夜間や休日の電話に、対応できる担当者がいない
導入するかどうかは、現在の入電に関する数値を見れば判断できます。何を数えればよいかは、後述します。
IVR機能を導入判断に必要な範囲で整理
IVRの機能は、大きく2つのまとまりに分かれます。
①電話を振り分ける機能
・音声ガイダンス:用件の選択肢を音声で案内する
・プッシュ操作での振り分け:押された番号に応じて、担当部署や担当者へつなぐ
・時間帯・曜日ごとの応答:営業時間外だけ別の案内に切り替える
②記録して活かす機能
・着信履歴:着信の日時や選ばれた番号を残す
・外部システムとの連携:CRMなどとつなぎ、顧客情報と結びつける
導入を判断する段階では、この2つを押さえておけば十分です。機能の一覧と詳しい説明については、以下の記事でも解説しています。あわせてお読みください。
IVRが適しているケースと、転送ルールの見直しで対応できるケース
IVRは、どの会社にも必要なものではありません。
IVRの効果が出やすいケース
・用件が数種類に分かれている:選択肢に置き換えやすい
・部署や担当者ごとに振り分けている:取り次ぎの手間がそのまま減る
・営業時間外の入電が多い:案内だけでも取りこぼしが減る
・繁忙期に電話が集中する:人を増やさずに受けられる
転送ルールの見直しで対応できるケース
・用件が毎回違う:選択肢に分けられない
・入電数がもともと少ない:自動化するほどの量がない
・かけてくる相手がほぼ決まっている:担当者の直通番号で済む
後者であれば、転送や取り次ぎのルールを見直すだけで解決することもあります。IVRを導入しないほうがよいケースもあるため、この点を踏まえて判断しましょう。
導入前に確認しておく3つの数字

IVRを導入するかどうかは、自社の電話の数によって決めます。確認するのは、次の3つです。
①1日の入電数と、時間帯の偏り
1日に何件の電話がかかってくるか、どの時間帯に集中しているかを確認します。朝一番や夕方に偏っているとわかれば、振り分けの設計にいかせます。
②用件の内訳
どのような用件の電話が全体の何割を占めているかを確認します。問い合わせ、注文、営業電話の割合がわかれば、IVRのメニューに何を置くべきかが見えてきます。
③取れなかった電話の数
混雑時や営業時間外に、応答できなかった電話が何件あったかを確認します。こうした電話を「放棄呼」と呼びます。
記録する期間は、2週間ほどが目安です。2週間分あれば、繁忙日とそうでない日の差まで見えます。
この3つは、導入後に効果を比べる基準にもなります。導入前に数えていなければ、導入後に何が変わったのかを説明できません。
放棄呼の数え方については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
IVR導入の効果をどう測るか|導入前後で比べる指標
IVR導入の効果は、導入前に数えた数字と比べて測ります。導入後も、「入電数」「時間帯ごとの入電状況」「用件の内訳」「取れなかった電話の件数」を確認します。条件は、導入前と同じにそろえてください。期間や曜日がずれると、正しく比べられません。
特に確認したいのは、次の2点です。
・取れなかった電話の減り方:入電数に対して、どれだけ減ったか
・時間帯ごとの応答状況:混雑していた時間帯が、どう変わったか
導入後は、IVRならではの数字も取れるようになります。
・選択肢ごとの利用回数:どの用件をIVRで処理できているかがわかる
・人へ転送された件数:人が出るべき電話がどれだけあるかがわかる
・ガイダンスの途中で切られた地点:利用者が迷っている箇所がわかる
途中で切られた地点が特定の選択肢に集中していれば、そこがつまずきの原因です。こうした数字を、メニューや振り分けの見直しに使います。
コールセンターで使われる指標の考え方については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
IVR導入でつまずきやすいポイント

IVR導入のつまずきは、システムの設定より社内の進め方から生まれがちです。導入をプロジェクトとして進めるときに起きやすい失敗と、その防ぎ方をまとめます。
| よくある失敗 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 数えずに、勘で用件を分ける | 実際には少ない用件がメニューの上位に来て、利用者が迷う | 導入前に2週間ほど用件の内訳を記録し、多い順に並べる |
| 切り替えを繁忙時間帯に行う | 設定の不備があったとき、影響する電話の件数が大きくなる | 入電の少ない曜日や時間帯を選んで切り替える |
| 社内や、頻繁に電話をかけてくる取引先に伝えていない | 「電話がつながりにくくなった」と問い合わせが増える | 切り替え日と新しい案内の内容を、事前に知らせておく |
| 公開後に見直す担当が決まっていない | メニューが実態と合わなくなっても、そのまま放置される | 利用状況を確認する担当者と、見直しの時期を決めておく |
4つとも、システムの性能とは関係がありません。誰がいつ何をするかを決めておけば、防げる失敗です。
IVR導入の進め方や、メニュー設計の注意点については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
業種別:IVR導入の事例
国内で公開されている導入事例を、「どの電話対応を自動化したか」という切り口で見ていきます。
公共機関:音声ガイダンスで問い合わせ先を振り分け
国立国会図書館では、2026年6月18日から資料案内・利用案内の電話番号に自動音声を導入しています。利用者が音声ガイダンスに従って番号を押すと、希望する案内につながる仕組みです。
金融:AI-IVRで問い合わせ先を自動振り分け
みずほ銀行では、2026年1月22日からコンタクトセンターにAI-IVRを導入しています。利用者が電話口で用件を話すと、AIが内容を解析して最適な窓口・担当者へ自動でつなぐ仕組みです。複雑な音声メニューや番号選択の負担軽減にもつながります。
2つの事例に共通するのは、電話の入口で用件を整理し、適切な案内先や担当者へつなぐ部分を自動化している点です。IVRを導入する際も、まずは振り分けや案内など定型化しやすい業務から始めると設計しやすくなります。
出典:国立国会図書館「資料案内・利用案内電話番号への自動音声の導入について」 / みずほ銀行「音声対話型自動振り分け機能『AI-IVR』の導入について」
プッシュ操作型IVRと会話型AIの違い・使い分け
プッシュ操作型IVRは、音声ガイダンスに従って番号を選び、用件ごとに振り分ける仕組みです。会話型AIは、音声で用件を聞き取り、よくある質問への回答や一次受付まで行える仕組みです。どちらか一方が優れているということではありません。対応したい用件に応じて選びます。
・用件が数種類に分かれている → プッシュ操作型IVR
・用件が多く、内容を言葉で聞き取りたい → 会話型AI
たとえば「注文」「配送の確認」「その他」のように選択肢が決まっているなら、プッシュ操作型で十分です。問い合わせの種類が多く、番号の選択肢に収まらない窓口なら、会話型が向いています。
IVRの製品ごとの比較については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
Voiper BOTのIVR
Voiper BOTは、アライブネットが提供するAI電話サービスです。
Voiper BOTのIVR・Voiceの機能と使い分け
・IVR:プッシュ操作での振り分けと音声案内を行うプッシュ操作型
・Voice:自然な会話で一次対応や用件の聞き取りを行う会話型
Voiper BOTは、受電・架電に対応し、CRMや既存システムと連携できます。どこから始めるかを決めるポイントは、導入前に数えた用件の内訳です。
内線転送で、担当者につないだ後の会話も記録できる
外線で転送するタイプのIVRでは、転送した後の通話が元のシステムに記録されない場合があります。
その点、Voiper BOTのIVRは、内線転送後の会話も通話データとして保存し、文字化・要約・分析に活用できます。通話内容が記録されれば、どの用件に時間がかかっているかを確認できます。選択肢ごとの利用回数や途中で切られた地点とあわせて確認することで、導入後の見直しの精度が上がります。
Voiper BOTの料金プラン
Voiper BOTの料金プランは、IVRとVoiceでアカウント費やAI Voice費用が異なります。
| 項目 | IVR | Voice |
|---|---|---|
| 基本料金 | 50,000円/月(100アカウントまで) | 50,000円/月(100アカウントまで) |
| アカウント費(同時通話数に応じて) | 4,980円/アカウント | 5,980円/アカウント |
| 通話料(固定電話宛) | 8円/3分 | 8円/3分 |
| 通話料(携帯電話宛) | 16円/分 | 16円/分 |
| AI Voice費 | ― | 10円/分 |
| アカウント構築費 | 10,000円/アカウント | 10,000円/アカウント |
| 初期設計費 | ― | 1シナリオプラン:35万円×3か月/3シナリオプラン:35万円×6か月 |
0120番号の新規発行は3,000円/番号です。受発信用の通話用アカウント費は3,980円/アカウントでAI機能(文字化・要約・分析など)1,000分を含み、音声データ生成は10円/音声です。
IVRの費用相場や料金体系の考え方については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてお読みください。
導入設計から運用までのサポート
Voiper BOTは、ヒアリングから設計・構築・運用まで伴走型で支援します。アライブネット公式サイトでは、コールセンター出身者によるヒアリングと、電話コストを20〜65%削減した実績を案内しています。この削減率はIVR単独の効果を示す数値ではありません。
IVR導入は、入電を数えるところから始める
IVRを導入するかどうかは、自社の電話を数えれば判断できます。1日の入電数、時間帯の偏り、用件の内訳、応答できなかった電話の数を2週間ほど記録すれば、IVRが必要かどうかを判断しやすくなります。
同じ数値を導入後にもう一度確認すれば、そのまま効果測定に使えます。導入の判断にも、導入後の効果測定にも、同じ数値を使えるということです。
自社の電話にIVRが合うかどうか、まずはご相談ください。






