拠点統合(拠点集約)とは?メリット・デメリットや成功のためのポイント
企業の経営戦略において、オフィスの在り方は常に重要なテーマです。近年、テレワークの普及や働き方の多様化に伴い、分散していた拠点を一箇所に集める「拠点統合(拠点集約)」を検討する企業が増えています。
しかし、拠点統合は単なるオフィスの引っ越しではありません。経営効率の向上やコスト削減といった大きなメリットがある一方で、従業員の離職リスクや災害時の事業継続性といった課題も存在します。
この記事では、拠点統合の基礎知識から、企業が得られる具体的なメリット・デメリット、そして拠点統合を成功に導くためのポイントについて詳しく解説します。
拠点統合(拠点集約)とは?

拠点統合(拠点集約)とは、企業が複数の場所に分散させていたオフィスや事業所、営業所などを一箇所、あるいは少数の主要拠点にまとめる経営判断のことを指します。
例えば、東京都内に3つのオフィスが点在していたものを1つの大型オフィスビルに集約したり、営業機能と開発機能を同じフロアに統合したりするケースが拠点統合に該当します。また、昨今では都心のオフィスを縮小し、郊外のサテライトオフィスと本社機能を再編するといった動きも見られますが、機能を一箇所に集中させるという意味で、これらも広義の拠点統合戦略の一部と言えるでしょう。
拠点統合の取り組みは、単に物理的な場所を移動するだけでなく、組織構造の再編や業務フローの見直しを伴うことが一般的です。そのため、拠点統合は経営層から現場の社員まで、全社的な理解と協力が必要となる大きなプロジェクトと言えるでしょう。
◎拠点統合(拠点集約)が注目されている理由
なぜ今、多くの企業が拠点統合に注目しているのでしょうか。その背景には、社会情勢の変化と働き方の見直しがあります。
かつては、営業エリアをカバーするために多くの拠点を構えることが、企業の成長において有利に働くと考えられていました。しかし、デジタル技術の進歩により、物理的な距離がビジネスの障壁になりにくくなった現代において、必ずしも多拠点が最適解ではなくなっています。
さらに、コロナ禍を経てテレワークが定着したことで、オフィスの空室率や稼働率の低下が問題視されるようになりました。「出社する社員が少ないのに、広いオフィスを複数維持する必要があるのか」という疑問から、賃料などの固定費削減を目的とした統合が進んでいるのです。
また、対面コミュニケーションの価値が再評価されている点も見逃せません。オンライン会議は便利ですが、偶発的なアイデアの創出や、組織の一体感を醸成するには、やはり顔を合わせる機会が重要であると考える企業が、回帰的に拠点を集約させる動きも出てきています。
企業が拠点統合(拠点集約)を行うメリット
拠点統合(拠点集約)を行うことで、企業にはどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは、企業が拠点統合(拠点集約)を行う4つのメリットについて具体的に解説していきます。
◎メリット①賃料・光熱費・設備維持費などの「固定費」を大幅に削減できる
経営者にとって最も分かりやすい拠点統合のメリットは、コスト削減効果です。複数のオフィスを維持するには、それぞれの物件に対して賃料が発生します。これらを1つのオフィスにまとめることで、月々の賃料を圧縮することが可能です。
拠点統合によって削減できるのは、賃料だけではありません。電気代や水道代といった光熱費、清掃費、警備費などのビル管理コストも一本化されるため、無駄がなくなります。また、複合機やサーバー、Wi-Fiルーターなどのオフィス機器も拠点ごとに契約する必要がなくなり、リース代や保守費用の削減にもつながります。
さらに、拠点間の移動にかかっていた交通費や、書類や備品を郵送するための配送コストも削減できます。年間単位で見ればこれらのコスト削減効果は大きな金額となるため、利益率の改善に直結するでしょう。
◎メリット②部署間の壁がなくなりコミュニケーションと意思決定のスピードが上がる
拠点が離れていると、他部署の社員がどのような仕事をしているのかが見えにくく、連携が必要な場面でも「電話やメールをするほどでもない」と連絡を躊躇してしまうことがあります。
拠点を統合し、関連部署が同じフロアや建物内に集まることで、顔を合わせた「ちょっとした相談」や「雑談」が生まれやすくなります。この気軽なコミュニケーションこそが、部署間の壁を取り払い、組織の風通しを良くする潤滑油となります。
また、経営陣と現場の距離が縮まることも大きな利点です。決裁者がすぐ近くにいる環境であれば、稟議の承認や重要な判断がその場で行えるようになります。意思決定のスピードが上がることで、ビジネスの機会損失を防ぎ、市場の変化に対して迅速に対応できる組織体制を構築することに繋がるでしょう。
◎メリット③バックオフィス業務や管理部門を一元化し業務効率を最大化する
複数の拠点がある場合、それぞれの拠点に受付担当や総務、経理の担当者を配置しなければならないことがあります。拠点統合を行うことで、さまざまなバックオフィス業務や管理業務を統合して行うことができます。
例えば、受付業務を一本化できれば、必要な人員を最小限に抑えられます。総務部門も、備品の在庫管理や郵便物の仕分けを一箇所で行えるため、業務工数を大幅に減らすことができるでしょう。
重複していた業務プロセスを整理し、標準化することで、社員一人ひとりの生産性が向上します。浮いた人的リソースを、より付加価値の高いコア業務に振り向けることができるのも、拠点統合の隠れたメリットと言えます。
◎メリット④経営資源を集中させることで企業ブランディングや採用強化につながる
オフィスは、企業の「顔」とも言える存在です。古く小さなオフィスが点在している状態よりも、アクセスが良く設備の整ったビルに拠点を構えている方が、対外的な信用度は高まります。
最新の設備を備えたオフィスに拠点統合することは、企業ブランディングの強化に繋がります。取引先や顧客に対して、「成長している企業」「安定した基盤を持つ企業」というポジティブな印象を与えることができるでしょう。
また、社員食堂やリフレッシュスペースなどの福利厚生施設を充実させることも、一箇所に投資を集中させる拠点統合ならば実現しやすくなります。優秀な人材を確保し、長く働いてもらうための環境整備という観点からも、拠点集約は有効な採用戦略となり得るのです。
企業が拠点統合(拠点集約)を行うデメリット・注意点
多くのメリットがある一方で、拠点統合にはリスクやデメリットも存在します。ここからは、企業が拠点統合(拠点集約)を行うデメリット・注意点について見ていきましょう。
◎デメリット①通勤時間が長くなる社員へのケアや離職リスクへの対策が必要
拠点の場所が変わることで、社員の通勤経路や通勤時間が大きく変化します。一部の社員にとっては通勤が便利になる一方で、別の社員にとっては通勤時間が大幅に増え、通うのが困難になる場合もあります。
このリスクを軽減するためには、移転の意図を丁寧に説明することはもちろん、リモートワーク制度の拡充やフレックスタイム制の導入など、柔軟な働き方を認める配慮が必要です。場合によっては、通勤手当の上限見直しや、引越し費用の補助といった金銭的なサポートも検討する必要があるでしょう。
◎デメリット②災害時に全機能がストップしないようBCP(事業継続計画)の見直しが必須
拠点を一箇所に集中させる最大のリスクは、災害時の脆弱性です。もし統合先のオフィスが地震や火災、水害などの被害を受けた場合、全ての事業機能が同時に停止してしまう恐れがあります。
分散型であれば、ある拠点が被災しても他の拠点でカバーすることが可能でしたが、集約型ではその代替が効きにくくなります。そのため、拠点統合を行う際には、これまで以上に強固なBCP(事業継続計画)の策定が求められます。
具体的には、データのクラウドバックアップを徹底する、非常用電源装置を導入する、あるいは緊急時には全社員が自宅から業務を行えるようなリモートワーク環境を整備しておく、といった対策が必要です。拠点統合を検討する際は、一極集中のリスクを技術や制度でどのように補うか、事前のシミュレーションが重要となるでしょう。
◎デメリット③移転費用や原状回復工事など一時的なイニシャルコストが発生する
長期的にはコスト削減が見込める拠点統合ですが、実行する段階では多額の一時費用(イニシャルコスト)が発生します。
新しいオフィスの敷金や礼金、内装工事費、什器の購入費に加え、これまで入居していたオフィスの原状回復工事費や、引越し費用もかかります。特に原状回復費用は、オフィスの規模が大きければ大きいほど高額になりがちです。
また、移転プロジェクトに関わる社員の人件費や、各種手続きにかかる諸経費も考慮しなければなりません。これらのコストを回収し、黒字化するまでにどれくらいの期間が必要か、綿密なシミュレーションを行う必要があります。
◎デメリット④エリアが変わると従来の「固定電話番号」が使えなくなる可能性がある
意外と見落とされがちですが、実務上大きな影響を与えるのが「電話番号」の問題です。固定電話の市外局番は地域ごとに決まっているため、例えば東京都内から神奈川県へ移転する場合や、同じ都内でも区をまたぐ移転の場合、従来の電話番号が使えなくなることがあります。
長年親しまれた電話番号が変わることは、顧客にとって不便であるだけでなく、「連絡がつかない」ことによる機会損失を招く恐れがあります。また、名刺や封筒、Webサイト、パンフレットなどの記載情報をすべて修正し、印刷し直すコストと手間も発生します。
多くの企業がこの問題に直面しますが、最近ではクラウドPBXの技術を活用することで、移転しても番号を変えずに済む方法も登場しています。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
拠点統合(拠点集約)を成功させるためのポイント

拠点統合を単なる「場所の移動」で終わらせず、企業の成長につなげるためには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。ここからは、拠点統合(拠点集約)を成功させるためのポイントについて解説していきます。
◎ポイント①拠点統合の「目的」明確化と社員への説明・合意形成
最も重要なのは、「なぜ統合するのか」という目的を明確にし、それを全社員に共有することです。「コスト削減のため」という会社都合の理由だけでは、通勤環境の変化などを強いられる社員の納得を得ることは難しいでしょう。
「部署間の連携を強化し、よりクリエイティブな仕事ができるようにする」「働きやすい環境を整え、社員の満足度を高める」といった、社員にとってもプラスになる前向きな目的を掲げることが大切です。
経営層が一方的に決めるのではなく、早い段階からプロジェクトチームを発足させ、現場の意見を吸い上げる機会を設けるなど、丁寧なコミュニケーションを通じて合意形成を図ることが、拠点統合後のスムーズな業務開始につながります。
◎ポイント②柔軟に働けるオフィスレイアウト(フリーアドレスやABWなど)を導入
せっかく拠点を統合しても、従来の島型対向デスクを並べただけのレイアウトでは、統合のメリットである「コミュニケーションの活性化」は十分に発揮されません。
社員が固定席を持たずに好きな場所で働く「フリーアドレス」や、業務内容に合わせて集中ブースやカフェスペースなどを使い分ける「ABW(Activity Based Working)」といった、柔軟なオフィスレイアウトを導入することが、コミュニケーションを活発化させるための秘訣です。
拠点統合をきっかけに、働き方そのものをデザインし直すという視点を持つことが大切です。
◎ポイント③ペーパーレス化を徹底して管理コストを削減
拠点統合は、社内に溜まった不要な書類や物品を整理する絶好の機会です。拠点統合プロジェクトの一環として、徹底的なペーパーレス化を推進しましょう。
例えば、書類を電子化してクラウド上で管理すれば、物理的な保管スペースを削減できるだけでなく、検索性が向上し、どこからでも情報にアクセスできるようになります。これは、前述したBCP対策やテレワーク対応としても有効です。
また、「新オフィスには個人の袖机を置かない」「共有キャビネットを最小限にする」といったルールを設けることで、強制的に紙を減らす仕組みを作るのも一つの方法です。
◎ポイント④AliveLine⁺Plus+クラウドPBXを活用して電話番号の維持・スマホ内線化を実施
デメリットの項目で触れた「電話番号が変わるリスク」や「配線工事の手間」を解決する手段として、AliveLine⁺Plusのような番号ポータビリティに対応したクラウド電話サービスと、クラウドPBXの導入が効果的です。クラウドPBXとは、電話交換機(PBX)をクラウド上に構築するサービスのことです。
AliveLine⁺Plus+クラウドPBXをセットで導入することで、拠点を移転しても現在の電話番号を継続して利用できる可能性が高まります。また、固定電話機を設置しなくても、社員のスマートフォンを内線端末として利用できるようになります。
これにより、高額な電話配線工事が不要になるだけでなく、レイアウト変更やフリーアドレス化にも柔軟に対応できます。外出中の社員へ内線で転送したり、テレワーク中に会社の代表電話から発信したりと、場所にとらわれない働き方を実現するための重要なツールとなるでしょう。
なお、AliveLine⁺Plusについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
拠点統合でビジネスを最適化
拠点統合は、コスト削減だけでなく、組織の活性化や働き方改革を実現するための大きな組織改革でありチャンスです。拠点統合のメリットを最大化し、デメリットを最小限に抑えるためには、ITツールの活用や制度設計を含めたトータルな戦略が必要です。
特に、通信環境の整備は業務の根幹に関わる部分です。移転に伴う電話番号の変更や、固定電話の設置場所に関する悩みは、最新のクラウド電話サービスを利用することでスマートに解決できます。
◎拠点統合をスムーズに行うならAlive Line ⁺Plus
拠点統合やオフィス移転を検討されている企業様におすすめなのが、アライブネットが提供するAlive Line ⁺Plusです。
Alive Line ⁺Plusは、全国47都道府県の市外局番を利用可能にする法人向けクラウド回線サービスです。最大の特長は番号ポータビリティに対応していることで、移転後も現在利用しているオフィスの電話番号をそのまま使える点にあります。これにより、名刺やWebサイトの書き換えコストを削減し、顧客への周知の手間も省くことができます。
また、クラウドPBXと連携することでスマートフォンを内線化できるため、高価な固定電話機や配線工事が不要になります。フリーアドレスやテレワークといった新しい働き方にも柔軟に対応でき、イニシャルコストを抑えながら、場所を選ばない効率的な通信環境を構築できるでしょう。
Alive Line ⁺Plusの料金
AliveLine +Plusは、導入しやすい価格設定も魅力です。ここでは主な料金をご紹介します。
初期費用
- 基本工事費: 5,500円(税込)
- 番号ポータビリティ費用: 3,300円(税込)
- 付加工事費用(1作業): 2,200円(税込)
月額費用
- 基本料金(1チャネル): 1,320円(税込)
- 追加番号: 220円(税込)
- 追加チャネル: 1,320円(税込)
通話料金
- 固定電話宛: 8.8円(税込) / 3分
- 携帯電話宛: 13.2円(税込) / 1分
※別途、特定番号通知(月額1,650円(税込))や一括転送機能(月額4,950円(税込))などのオプションも用意しています。
拠点統合を成功させ、より身軽で強力な組織を作るために、Alive Line ⁺Plusで電話環境の見直しから始めてみませんか?
拠点統合後の電話番号維持や通話コストの一本化を相談したい経営者様や、Alive Line ⁺Plusにご質問があるプロジェクト担当者様は、アライブネットまでお気軽にお問い合わせください。
